「ボットを呼ばない」AI議事録Granola――会議に溶け込むノートテイキングの正体

AIサービス紹介 のアイキャッチ

Web会議に見慣れない「録音ボット」が参加してくる違和感——それを解消するアプローチで急成長しているのが、AI議事録サービス「Granola」です。ボットを会議に参加させず、手元のPCのマイクで音声を拾ってノートを自動生成する設計が支持され、2026年に入ってからはApple Watch対応やチーム機能、MCPサーバー公開と展開を加速しています。今週のAIサービスとして、その最新動向と特徴を整理します。

AI議事録サービスのイメージ

Granolaとは何か

Granolaは、Mac・Windows・iOS・iPadOSで動くAI議事録アプリです。多くのAI議事録ツールが「ボット」を会議に参加させて録音するのに対し、Granolaは利用者のデバイスの内蔵マイクとシステムオーディオを直接聴き取り、会議終了後にAIが構造化されたメモ(要点・決定事項・アクションアイテム)に整形します。対面の1on1やホワイトボードを使った打ち合わせなど、そもそもオンライン会議でない場面でも使える点が特徴です。

チームでのミーティングの様子
Photo: Startup Stock Photos / CC0 1.0(Openverse経由)

2026年8月までの主な動き

  • Apple Watchアプリを公開――2026年7月28日、Apple Watch単体でワンタップ録音・同期ができる新アプリを公開。ウォーキング1on1やコーヒー片手の雑談など、PCを開けない場面での利用を想定しています(TechCrunch)。録音はオフラインでも可能で、通信が必要なのは音声をペア端末に同期しノートを生成するタイミングのみです。
  • チーム機能「Spaces」を追加――プロジェクトや顧客、部署ごとにメモを整理し、チームで会議内容とチャットを共有できる機能。無料プランからSpacesは利用でき、SSOなどの管理者機能はEnterpriseプラン限定です。
  • MCPサーバーを公開――2026年2月、Model Context Protocol対応のMCPサーバーを提供開始。個人向けAPI・エンタープライズ向けAPIと合わせて、会議データをClaudeやChatGPTなど他のAIツールに直接連携できるようになりました。単なる「議事録アプリ」から「エンタープライズのAIコンテキスト層」へと自社の立ち位置を再定義しています。
  • 1億2500万ドルのシリーズCを調達――Index Ventures主導のラウンドで評価額は15億ドルに到達。Vanta、Gusto、Asana、Cursor、Mistral AIなどが導入企業として名を連ねています。

料金プラン

プラン 月額(1ユーザー) 主な内容
Free 無料 ノート履歴25件まで、Spaces利用可
Business 14ドル ノート履歴無制限、高度なAIモデル、Notion/Slack/HubSpot/Zapier連携、MCP・API利用
Enterprise 35ドル SSO・管理者統制、エンタープライズAPI、Spacesの高度な権限管理

Otter・Fireflies等との違い

AI議事録サービスは乱立気味ですが、それぞれ得意分野が異なります。

サービス 録音方式 向いている用途
Granola ボットなし(デバイスのマイクで収音) 対面・オンライン混在の会議、ボット参加が嫌がられる社内MTG
Otter.ai ボットが会議に参加 逐語の書き起こしと組織全体の会議アーカイブ検索
Fireflies ボットが会議に参加 CRMへの自動反映など営業チームのパイプライン連携

使ってみる価値はあるか

「会議にボットを送り込みたくない」「対面のメモも同じツールで残したい」というニーズがあるチームにとって、Granolaは有力な選択肢です。一方で逐語の書き起こし精度や社内検索基盤としての実績を重視するなら、Otter.aiのような従来型サービスの方が向く場面もあります。MCP対応により、既存のAIエージェント環境に会議データを取り込みたい開発者にも注目のツールと言えるでしょう。


主な情報源

各ツールは提供元の規約に従ってご利用ください。情報は各情報源の公開時点のものです。収集・要約はAI、公開判断は人。