Runway「Enhance Frame Rate」・ElevenLabs×UMG提携・Midjourney V8.1既定化――2026年9月中旬の画像・動画・音声生成AI動向

画像・動画・音声AI のアイキャッチ

2026年9月中旬は、既存モデルの地味だが実務に効く改良が目立った週だった。Midjourneyは既定モデルをV8.1へ静かに切り替え、Runwayは動画API に新しいフレーム補間モデルを追加しつつワールドモデルの研究も公開。ElevenLabsはUniversal Music Groupと提携して音楽生成の新プラットフォームに動き出し、GoogleはWorkspace全体に画像生成機能を広げている。派手な新モデル発表よりも「今あるツールをどう実務に組み込むか」が主戦場になりつつある。

画像・動画・音声生成AIのイメージイラスト

Midjourney、V8.1が既定モデルに――V8.2・Edit機能も浸透

Midjourneyは8月29日、新規アカウントおよびバージョン未固定の既存アカウントの既定モデルを、旧来のV7からV8.1へ切り替えた。告知バナーなどはなく、Discordで/imagineを実行したユーザーが気付かないうちに新モデルの出力に変わっていたという。V8.1はプロンプト解釈の精度向上、文字組みの改善、HD相当の高解像度出力の高速化が特徴で、8月には画像編集専用のEditモデル(キャラクターの一貫性維持やスタイル変更が可能)も追加済みだ。さらに画質と個人の好み学習(パーソナライゼーション)を強化したV8.2も提供が始まっており、次期メジャーバージョンV9やNiji 8(アニメ特化モデル)の名前も開発者コミュニティで挙がっている。

出典: Releasebot「Midjourney Release Notes」

Runway、フレーム補間APIとワールドモデル研究を相次ぎ公開

Runwayは9月17日、開発者向けAPIに新モデルEnhance Frame Rateを追加した。既存の映像を24・25・30・48・50・60・120fpsに加え、放送・映画業界で使われる23.98/29.97/59.94fpsへも変換できるフレーム補間モデルで、最大300秒の動画に対応し、2秒あたり1クレジットで課金される。地味な機能に見えるが、生成した映像を実際の納品フォーマットに合わせ込む「後工程」を埋める実務的なアップデートだ。

これに先立つ9月3日には、リアルタイムでインタラクティブな仮想空間を生成する研究成果GWM Worlds 2を発表。720p・24fps・48000Hz音声を連続生成し、テキストで指示しながら世界の中を移動できる「ジェネラルワールドモデル」で、ロボティクス分野のシミュレーション・訓練用途への応用も視野に入れる。9月1日には動画生成の主力プラン体系もMaxプランへ移行が完了しており、機能追加と基盤研究、料金体系の整備が同時並行で進んでいる。

出典: Runway Dev「API Changelog」, Runway公式X「GWM Worlds 2」

音楽制作スタジオの機材
Photo: Nilo Velez / CC0(Openverse経由)

ElevenLabs、Universal Musicと提携――ライセンス音楽生成の新プラットフォームへ

ElevenLabsは9月10日、Universal Music Group(UMG)と複数年の戦略提携を締結したと発表した。無許諾学習を前提とした従来の生成AI音楽サービスとは一線を画し、UMGの楽曲カタログをライセンス許諾した上でファン向けの新しいAI音楽プラットフォームを共同開発する。既存曲のリミックスやマッシュアップなど、権利処理された枠組みでの二次創作を想定するが、具体的なローンチ時期や仕様はまだ公表されていない。

提携発表と同時期に、ElevenLabsは音楽生成モデルMusic v2.5をAPI経由で公開した。生成の構成要素を細かく制御できる「チャンク単位」の作曲プランに対応し、プロンプト一発生成が中心だった前モデルより構造・展開・ペース配分のコントロール性が高い。2日前にレーベル公認モデルを出したSunoとの主導権争いが、音楽生成AI市場でも本格化している。

出典: Universal Music Group公式発表, Music Business Worldwide

Google、「Nano Banana Pro」搭載の画像編集をWorkspace全体に展開

Googleは9月1日から、Google Picsと呼ばれる画像生成・編集ツールをGoogle AI Pro/Ultra契約者と一部のWorkspace法人プランに段階展開している。エンジンはGeminiの画像生成モデル「Nano Banana Pro」(正式名Gemini 3 Pro Image)で、Google DocsやSlides、Driveから直接呼び出せる。最大5人の人物・14個の物体にわたる被写体の一貫性維持、正確な文字組み、Google検索と連携したリアルタイムのファクトグラウンディング、4K出力に対応するのが特徴。高速版の「Nano Banana 2」も併存し、反復作業向けの選択肢として使い分けられている。

出典: Tech Insider「How to Use Google Pics」

画像生成モデルの得意分野比較

2026年9月時点で主要な画像生成モデルが得意とする領域を、業界比較サイトの評価軸で簡単に整理する。

モデル 提供元 文字組みの精度 写実性 得意分野
Nano Banana Pro Google 高い 高い 被写体の一貫性維持、ファクトグラウンディング
GPT Image 2 OpenAI 高い 高い プロンプト忠実度
Ideogram 4 Ideogram 非常に高い 中程度 ロゴ・ポスターの文字表現
Recraft V4 Recraft 高い 中程度 SVGベクター・ブランド一貫性
FLUX.2 Black Forest Labs 中程度 高い オープンウェイト・自社ホスティング
Midjourney V8 Midjourney 中程度 高い アートディレクション性の高い仕上がり

出典: The AI Rankings「Best AI Image Generator in 2026」


主な情報源

各サービスは提供元の規約に従ってご利用ください。情報は各情報源の公開時点のものです。収集・要約はAI、公開判断は人。