「AIに作らせるとどれも同じ顔になる」問題に、いま現場はどう対処しているのか。Anthropicのfrontend-designスキル、Taste Skill、DESIGN.md、shadcn/uiの4つを、役割別に整理しました。

なぜ「指示を足す」より「仕組みで縛る」のか
「モダンに」「おしゃれに」といった曖昧な指示では、中央ぞろえのヒーロー+3カラムカード+フッターという“AIっぽい”構成に収束しがちです。最近は、プロンプトを長くするのではなく、スキル・デザインルールのファイル・既存コンポーネントで出力の幅を先に決める手法が主流になっています。コミュニティでも「最初の出力はワイヤーフレームと考え、2周目でタイポ・色・余白を詰める」という運用が語られています。
4つの手札と使いどころ
| 手札 | 役割 | 向く場面 |
|---|---|---|
| frontend-design(Anthropic公式スキル) | 実装前に美的方向性を決めさせ、書体・配色・構図を個性的にする | 新規LPやコンポーネントを一から作る |
| Taste Skill | レイアウト・タイポ・モーション・余白を数値寄りのルールで指定。ミニマル/ブルータリスト等の派生あり | 狙うトーンが決まっている/既存サイトの見直し |
| DESIGN.md | 色・書体・余白・角丸などのトークンと使い分けの理由を1つのMarkdownにまとめる | ツールやエージェントをまたいで見た目を揃える |
| shadcn/ui | コードを自分のプロジェクトに取り込む土台コンポーネント | 破綻しない骨格を先に用意し、見た目だけ上書きする |
frontend-design:作る前に「方向性」を宣言させる
Anthropicのskillsリポジトリに含まれるfrontend-designは、コードを書く前にブルータリズム、エディトリアル、ラグジュアリーなど具体的な美的方向性を選ばせ、書体や色の物語、中央ぞろえ一辺倒でない構図へ誘導します。公開されているスキル内容では、題材・対象ユーザー・ページの唯一の役割を先に明示させる点が特徴です。インストール例は npx skills add anthropics/skills --skill frontend-design です。
Taste Skill:トーンを選んで「らしさ」を固定
Taste Skillは、メインのdesign-taste-frontendに加え、minimalist-ui、industrial-brutalist-ui、high-end-visual-designといった派生と、既存コードを監査して直すredesign-existing-projectsを含むスキル群です。MITライセンスで、Claude Code・Cursor・Codexなどで使えます。画像生成で参照ボードを作ってから実装させる流れ(image-to-code)も用意されています。

DESIGN.md:デザインの「好み」をAIに読ませる
DESIGN.mdは、Google Labsが提唱するオープン形式で、先頭のYAMLに色・書体・余白・角丸といったトークン、本文に「いつ・なぜ使うか」を書く1枚のMarkdownです。デザインシステムのMCPが実際のコンポーネントAPIを渡すのに対し、DESIGN.mdは別スタックや生成系ツールにも持ち運べるのが利点とされています(Headwayの解説)。DesignMDのようなライブラリには実在ブランドのDESIGN.mdが多数公開されており、コピーしてプロンプト冒頭に貼る使い方ができます。ただし他社ブランドの見た目をそのまま模倣しないよう、あくまで構造の参考にとどめましょう。
shadcn/ui:骨格は既製品、味付けだけ自分で
shadcn/uiはnpmパッケージではなく、CLIでソースを取り込んで自分のものとして編集する方式です。テーマ変数(CSS variables)を差し替えるだけで雰囲気を変えられ、ShadcnblocksのようにDESIGN.mdのテーマ指針を提供するレジストリも出ています。Cult UIはシェーダーヒーローなど凝った表現を同じレジストリ方式で配布しています。
実践レシピ(金曜の手順)
- 用途と対象を一文で決める(例:「個人写真家の予約LP」)。
- トーンを1つ選び、Taste Skillの派生かfrontend-designで方向性を宣言させる。
- 色・書体・余白をDESIGN.mdに書き出し、以降のプロンプトで常に参照させる。
- 骨格はshadcn/uiで組み、テーマ変数だけ上書きする。
- 1回目は「ワイヤーフレーム」と割り切り、2回目でタイポ・色・余白を調整する。
- 最後にwebapp-testingなどで実際に画面を確認させる。
プロンプト例
目的: 個人写真家の予約LP。対象: 30代の結婚前カップル。
方向性: エディトリアル/余白多め/セリフ見出し。
制約: DESIGN.mdのトークンのみ使用。中央ぞろえ3カード構成は禁止。
まず方向性と配色・書体の理由を3行で宣言してから実装して。
主な情報源
- Claude Design Skills: Top Picks (Skillselion)
- Frontend Design Skill (ClaudeSkills)
- Leonxlnx/taste-skill (GitHub)
- DESIGN.md vs. Design System MCP (Headway)
- DESIGN.md Integrations
- Shadcnblocks Changelog
- r/ClaudeAI: How are people getting Claude to build beautiful UIs
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