ChatGPT広告プラットフォーム本格展開・スケジュールタスク刷新・Assistants API終了──2026年6月OpenAI最新動向まとめ

OpenAI・GPT のアイキャッチ

2026年6月、OpenAIはChatGPTのビジネス活用を加速させた。広告プラットフォームが英語圏各国へ本格拡大し、スケジュールタスクが生産性ツールとして再設計された。一方、開発者にはAssistants APIやPrompt Objectsの廃止という大きな変化も迫っている。今月の主要アップデートをまとめた。

AIエージェント・ツールのイラスト

ChatGPT広告プラットフォームが英国・カナダ等へ本格拡大

2026年2月に米国で静かにスタートしたChatGPTの広告プラットフォームが、6月に本格的な拡大フェーズへ移行した。英国・オーストラリア・ニュージーランド・カナダでのロールアウトが始まり、自社運用(セルフサーブ)型のキャンペーン管理ツールが広告主に開放されつつある。

主な新機能は以下のとおり。

  • ハイパーローカルターゲティング:エリア単位だけでなく郵便番号(zip code)単位での広告配信が可能に
  • プロダクトフィード連携:EC事業者が在庫連動型の商品広告を出稿できる新キャンペーンタイプ
  • CPC入札:クリック単価方式の入札システム
  • ChatGPT Pixel Helper:コンバージョン計測用Chrome拡張(段階的展開中)

広告テクノロジーパートナー第1号のCriteoは、既に2,000以上のブランドがChatGPT経由で広告を掲出していると発表した。「Prompt Smart Ads」と呼ばれる会話の流れに溶け込む形式が特徴で、ユーザーの購買意向が高いタイミングで商品訴求ができる点をアピールしている。

OpenAI自身は広告を「従来型の広告」とは呼ばず、あくまで「コンテキストに合った商品提案」と位置付けているが、AIへの信頼性との兼ね合いについて議論も続いている。

出典: charlesryder.com / Criteo Investor Relations

スケジュールタスク(Tasks)機能を刷新──専用ページで一元管理

OpenAIは2026年6月17〜18日にかけて、ChatGPTのScheduled Tasks(スケジュールタスク)機能を大幅にリデザインした。従来はチャット内でのみ設定できたタスクの管理が、サイドバーに独立した「Scheduled」ページとして分離され、ウェブ・モバイルの両方でタスクの一覧・編集・ステータス確認が容易になった。

項目 内容
対象プラン Go / Plus / Pro / Business / Enterprise
タスク種別 一回限りのリマインダー・繰り返しタスク
最短実行間隔 1時間ごと
外部連携 Connected Apps(連携アプリ)を使ったタスク実行に対応

これまで「チャットのついで」に設定する機能だったTasksが、独立した生産性レイヤーとして位置付けられた。今後の実行頻度拡張や権限モデルの充実が、エンタープライズ向けスケジューリング基盤になるかどうかの鍵となる。

出典: Windows Forum / PortEden Blog

スマートフォンでAIチャットボットを使う様子
Photo: Mark Koester / CC BY 2.0(Openverse経由)

OpenAI API大規模整理:Assistants APIとPrompt Objectsが終了へ

OpenAIは2026年を通じてAPI体系を大幅に整理しており、既存ユーザーに影響する2つの廃止が進行中だ。

廃止対象 終了日 移行先
Assistants API 2026年8月26日 Responses API
Prompt Objects(ストアドプロンプト) 2026年11月30日 チャット補完APIへの直接埋め込み

Assistants APIは2025年9月に廃止予告が出されており、Responses APIが機能同等に達したとして8月26日に完全終了する。Responses APIはより軽量で、エージェント構築に最適化されたシンプルな設計が特徴だ。一方、Prompt Objects(ストアドプロンプト)の廃止については、システムプロンプトを毎回APIリクエストに含めなければならなくなるため「コストが増大する」という開発者コミュニティからの強い批判がある。「頻繁なAPI仕様変更で移行コストがかさむ」と他社APIへの乗り換えを検討する声も上がっており、OpenAIにとって開発者体験の改善が課題となっている。

出典: OpenAI Developer Community

ChatGPT Enterpriseの利用管理・分析機能を強化

OpenAIはChatGPT Enterprise向けに、新しい使用状況分析ダッシュボードと支出コントロール機能をアップデートした。グローバル管理者コンソールから、カスタムロール単位で高度なモデルへのクレジット使用上限を細かく設定できるようになり、部門・役割に合わせたきめ細かい管理が可能になった。

  • グローバル管理者コンソールから一元管理
  • カスタムロール単位でのクレジット使用上限を設定
  • GPT-5.5 / GPT-5.5 Thinkingなど高コストモデルの使用量を部門別にコントロール

AI活用を組織全体で推進しながらも、コスト管理を徹底したい企業にとって実用的な改善だ。

出典: OpenAI公式ブログ

研究発表:「Dreaming」手法でChatGPTのメモリをより賢く

2026年6月4日、OpenAIは「Dreaming: Better memory for a more helpful ChatGPT」と題した研究成果を発表した。AIが人間の「就寝中の記憶整理」になぞらえた仕組みで、バックグラウンドで蓄積済みのメモリを定期的に整理・更新し、古い情報や不正確な記憶を自動修正・破棄する。これにより、ユーザーが手動で設定を削除しなくても、常に最新に近いパーソナライズが提供される。また、ユーザー側でどの過去の会話がメモリに影響したかを確認・修正できるトランスペアレンシー機能も実装されている。

出典: OpenAI Research


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