Claudeの「Skills(Agent Skills)」機能を使うと、特定タスクのノウハウをMarkdownファイルにまとめてClaudeに読み込ませ、専門性の高い動作をさせられる。Anthropicは自社実装のスキル集をGitHubリポジトリ「anthropics/skills」として公開しており、資料作成からMCPサーバーの自作支援まで17個のスキルが揃う。今回はSkillsの仕組みと、代表的なスキルの使い方を整理する。

Skillsとは何か——MCPとの違い
Agent Skillsは、指示文・スクリプト・参考資料をまとめた「フォルダ」で、Claudeがタスクに応じて動的に読み込む仕組みだ。Anthropicの技術解説によると、Claudeの新しいドキュメント作成機能(Word/Excel/PowerPoint/PDF)も内部的にはSkillsとして実装されているという。
よくMCP(Model Context Protocol)と比較されるが、役割は異なる。MCPは外部ツール・APIへの「接続」を提供し、Skillsはそのツールを「どう使うか」という手順・ノウハウを提供する。両者は競合ではなく補完関係にある。
| MCP | Skills | |
|---|---|---|
| 提供するもの | 外部ツール・データへの接続 | タスクの手順・ノウハウ |
| 典型的な形 | サーバープロセス+ツール定義 | SKILL.md+補助スクリプト |
| 向いている用途 | リアルタイムなデータ取得・API連携 | 反復的な作業手順・組織のルールの型化 |
| 読み込みコスト | ツール一覧が常にコンテキストに乗る | 必要になるまで本文は読み込まれない |
仕組み:3段階でロードされる
Claude Platform Docsの解説によれば、Skillsのコンテンツは3段階で読み込まれる。
- レベル1・メタデータ:SKILL.mdの
nameとdescriptionだけは常にコンテキストに常駐し、Claudeが「どのスキルが使えるか」を把握する。 - レベル2・本文の指示:タスクがそのスキルに関連すると判断されたときだけ、SKILL.md本体の指示が読み込まれる。
- レベル3・付属リソース:さらに必要になった場合のみ、同梱のスクリプトや参考ファイルが読み込まれる。
この段階的ロードのおかげで、多数のスキルを常備してもコンテキストウィンドウを無駄に消費しない。Claude Codeのドキュメントでは、個人用(~/.claude/skills/)・プロジェクト用(.claude/skills/)・プラグイン経由の3つのスコープでスキルを配置できると説明されている。

公式リポジトリ anthropics/skills の中身
anthropics/skillsは「デモ・学習目的」として公開されている公式スキル集で、Claude Code・Claude.ai・APIのいずれからも利用できる。代表的なスキルを紹介する。
| スキル名 | できること |
|---|---|
| skill-creator | 新しいスキルの作成・既存スキルの編集・評価(eval)の実行を支援する、いわば「スキルを作るためのスキル」 |
| canvas-design | ポスターやバナーなどのビジュアルをPNG/PDFとして生成する |
| doc-coauthoring | 3段階のプロセスで長文ドキュメントを構造的に共同編集する |
| mcp-builder | MCPサーバー自体をゼロから構築する手順を提供する |
| webapp-testing | Webアプリの動作確認・E2Eテストの実行を支援する |
| web-artifacts-builder | インタラクティブなデモ・ウィジェットなどのWebアーティファクトを構築する |
| theme-factory / brand-guidelines | 配色やブランドガイドラインに沿ったビジュアルスタイルを適用する |
| algorithmic-art | アルゴリズムを使った生成アートを作る |
| internal-comms / slack-gif-creator | 社内向けコミュニケーション文書の作成、Slack用GIFの生成 |
| document-skills(docx/pdf/pptx/xlsx) | Word・PDF・PowerPoint・Excelの作成・編集・情報抽出 |
これらは累計190万インストール超とされ、frontend-designやpptxが特に人気が高い。
使ってみる——インストール方法
Claude Codeでは、このリポジトリをプラグインマーケットプレイスとして登録すれば導入できる。
/plugin marketplace add anthropics/skills
/plugin install document-skills@anthropics/skills
インストール後は「このPDFからフォームの項目を抜き出して」のように自然文で依頼すれば、該当スキルが自動的に呼び出される。手動でSKILL.mdを配置する場合は、個人用スコープなら~/.claude/skills/、プロジェクト固有にしたいなら.claude/skills/にスキルのフォルダをコピーすればよい。
自作するなら:skill-creator スキル
独自の業務ノウハウをスキル化したい場合は、まずskill-creatorスキルを使うのが早い。やりたいことを大まかに決め、ドラフトのSKILL.mdを書き、テスト用のプロンプトで実際にClaudeに動かしてみて、必要に応じて定量的な評価(eval)を作って精度を検証する——という流れをClaude自身が支援してくれる。社内の定型業務(週報のフォーマット、コーディング規約のチェックなど)をスキル化する第一歩として試す価値がある。
主な情報源
- anthropics/skills(GitHub)
- Equipping agents for the real world with Agent Skills(Anthropic)
- Agent Skills – Claude Platform Docs
- Extend Claude with skills – Claude Code Docs
- Claude Skills are awesome, maybe a bigger deal than MCP(Simon Willison)
- anthropics/skills Skills一覧(Claude Code Skills)
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