浮世絵・アールヌーヴォー・ステンドグラスで選ぶ、AIイラスト生成プロンプト作例3選

イラスト生成プロンプト のアイキャッチ

今日のテーマはイラスト・アート生成プロンプトの作例回です。装飾性が強く「なぜその見た目になるのか」を言語化しやすい3つのアートスタイル――浮世絵(木版画)、ミュシャ調のアールヌーヴォーポスター、ステンドグラス――を取り上げます。それぞれ、そのままコピペして試せる完成プロンプト(オリジナル作文)と、どの語句がどう効いているかの分解解説をセットでお届けします。

AIによる画像・動画生成のイメージイラスト

浮世絵・木版画スタイル――平面の色面と余白の効かせ方

①狙い:鶴と水辺、空に大きな余白をとった、いかにも浮世絵らしい一枚を作る。写真的な陰影を避け、輪郭線と平面の色面で構成された「版画」の質感を狙う。

A red-crowned crane standing in shallow water at dawn, ukiyo-e woodblock print style, flat bold color fields separated by thin black outlines, textured washi paper grain visible throughout, asymmetrical composition with a large empty sky area in the upper third, distant snow-capped mountain rendered as a simple pale silhouette, palette limited to indigo, vermillion, and warm cream, soft bokashi gradient sky fading from pale pink to deep indigo, no drop shadows, no glossy highlights --ar 3:4

③分解解説:flat bold color fields separated by thin black outlines は、彫った版木にインクを乗せて刷るという物理的な製法をそのまま言語化した指定で、モデルに「面で塗る」ことを強く指示します。asymmetrical composition with a large empty sky area は浮世絵特有の余白(間)の使い方を明示するための一文です。bokashi は木版画の伝統的なグラデーション摺りの技法名そのもので、汎用的な「gradient」より意図が伝わりやすい専門語です。最後の no drop shadows, no glossy highlights は、多くの画像生成モデルがデフォルトで足してしまう3DCG的な陰影やハイライトを打ち消すための否定指定で、平面的な仕上がりを保つ効果があります。Midjourneyではこの上でさらに --style raw や --sref を組み合わせると、画風の再現度をさらに詰められます。

アールヌーヴォー(ミュシャ調ポスター)――曲線と装飾フレーム

①狙い:花や蔦と一体化した髪、円形のハロー(後光)のフレームなど、アルフォンス・ミュシャに代表されるアールヌーヴォーの装飾ポスターらしい一枚を作る。

Portrait of a violinist with flowing chestnut hair merging into swirling vine tendrils, art nouveau poster illustration in the decorative linework tradition of Alphonse Mucha, thin continuous black contour lines throughout, flat muted color fields in sage green, dusty rose and pale gold, ornate circular halo frame behind the head, intertwining floral border along the edges, elegant vertical poster composition, lithograph print texture, no photorealistic shading --ar 2:3

③分解解説:thin continuous black contour lines はミュシャ様式を特徴づける「ウィップラッシュ・ライン」と呼ばれる、途切れない曲線の輪郭を指定する部分です。ornate circular halo frame behind the head は、人物の背後に円形の装飾フレームを置くというミュシャ作品に頻出する構図要素をピンポイントで指示しています。flat muted color fields は、モデルが得意とする油絵的なグラデーション塗りを避け、ポスター印刷らしい平坦な塗りに寄せるための指定です。lithograph print texture は媒体(石版印刷)を明示することで、デジタルイラストっぽい質感になるのを防いでいます。縦長の --ar 2:3 は、当時の劇場ポスターの縦横比に近い比率です。

ステンドグラス――光を通す色面と鉛線

①狙い:炎の中から立ち上がる不死鳥を、教会のステンドグラス窓のように、鉛線で区切られた色ガラスの発光する面として描く。

A phoenix rising through layered flames, stained glass window design, thick black leading lines dividing each color panel like lead cames, jewel-toned color palette of ruby red, cobalt blue and amber, backlit glowing translucent color fields, geometric segmented background panels framing the central figure, symmetrical rose-window-inspired composition, high contrast between adjacent glass panels, no soft shadows --ar 1:1

③分解解説:lead cames はステンドグラスの色ガラス片を接合する鉛の枠材を指す専門用語で、「太い黒線」を漠然と指定するより構造が伝わります。backlit glowing translucent color fields は、ガラスが光を透過して発光して見えるという、平面的なベクターアートとは違う質感を狙うための核心的な一文です。rose-window-inspired composition は教会建築の「バラ窓」というジャンルを指定することで、放射状の対称構図に強くバイアスをかけています。窓というモチーフに合わせ、正方形の --ar 1:1 を選びました。

モデル別・スタイル指定の書き方の違い

同じ「装飾スタイルを再現する」でも、モデルによってスタイル情報の渡し方の作法が異なります。

モデル / ツール スタイル指定の書き方 特徴
Midjourney --sref(画像/コードでスタイル参照)、--swでスタイル強度調整、--style raw 文章のプロンプトとパラメータを分けて積み上げる方式。srefで「絵柄そのもの」を固定できる
Ideogram Style欄(Realistic/General等)の選択、またはJSON形式のstyle_description(aesthetics/lighting/medium/art_style) 文字入れやレイアウト精度に強く、構造化プロンプトでスタイルとレイアウトを分離指定できる
Nano Banana Pro(Gemini) [行動]+[被写体]+[設定]+[スタイル]の物語的な文章で記述 キーワード羅列より自然文の方が意図を汲みやすい。参照画像の役割も文章内で指定できる
FLUX.2 Subject + Action + Style + Contextの順で記述、語順が優先度になる ネガティブプロンプト非対応。「入れたくない要素」も肯定文で言い換える必要がある

アスペクト比の目安

比率 用途の目安
1:1 ステンドグラスの窓・メダリオン、アイコン的なモチーフ
2:3 / 3:4 縦長の劇場ポスター、掛け軸的な構図
3:2 浮世絵の横長構図、風景の余白を活かす構図
16:9 SNSのヘッダーやバナー用途

主な情報源

サンプルプロンプトは本メディアのオリジナル例です。各モデル・サービスは提供元の規約に従ってご利用ください。生成物の権利・商用条件は各規約をご確認ください。情報は公開時点のもの。収集・要約はAI、公開判断は人。