seed値とキャラクターシートで同一キャラを保つ:マルチカット制作のための一貫性プロンプト実践

一貫性・参照画像 のアイキャッチ

マルチカットで漫画や広告、動画シリーズを作るとき最大の壁になるのが「同じキャラなのに顔や服が微妙に変わってしまう」問題だ。今日はMidjourneyのseed値固定と、Nano Banana Proの複数参照画像、Kling AIのElements、IdeogramのCharacter Reference+Style Referenceを軸に、静止画から動画まで「同一人物・同一デザイン」を保つための考え方と、そのままコピペで試せるオリジナルのサンプルプロンプトをまとめる。

AIによる画像・動画生成のイメージイラスト

なぜ「同じキャラ」を保つのが難しいのか

画像生成モデルの多くは、プロンプトを毎回ゼロから解釈して絵を組み立て直す。テキストだけで「同じ女性、同じ髪型」と書いても、モデルにとっては新しい人物を想像する自由度が残ってしまい、カットが変わるたびに顔立ちや服のディテールがわずかに揺れる。これを抑える手段は大きく2系統ある。ひとつはseed値を固定して生成の初期状態を再現する方法、もうひとつは参照画像そのものをモデルに読み込ませてアンカーにする方法だ。実務では両者を組み合わせるのが最も安定する。

例1:Midjourneyでキャラクターシートを作り、seedで固定する

最初に「同じキャラ」の元になる基準画像を作っておくと、後工程が一気に安定する。狙いは、正面・斜め・側面・背面をひとつの画像に並べた「ターンアラウンドシート」を一発で生成し、そのseed値を控えておくことだ。人物の3D的な構造をモデルに理解させる土台になる。

character turnaround sheet, young female ranger with short copper hair, weathered leather armor, light freckles, calm expression, front view / three-quarter view / side profile / back view arranged in a single reference sheet, neutral studio lighting, plain light gray background, consistent proportions and outfit across all views --ar 16:9 --style raw --seed 445910

「front view / three-quarter view / side profile / back view」と角度を並列指定することで、Character ReferenceやOmni Referenceに読み込ませたときの「別角度からの整合性」が上がる。「neutral studio lighting」「plain light gray background」は、背景や光の癖が顔の特徴と混同されて後続生成に紛れ込むのを防ぐための指定だ。末尾の--seed 445910は、この基準画像を生成した乱数の初期値を固定するもので、以後同じseedと近い記述の組み合わせで再生成すると、構図の骨格が近い変化に収まりやすくなる。この基準シートを新しいシーンのプロンプトと一緒にOmni Referenceとして渡し、同じseedを使い回すことで、シリーズものの複数カットでも顔と衣装のブレを抑えられる。

例2:Nano Banana Proで複数参照画像からキャラと持ち物を固定する

Google DeepMindのGemini画像生成ドキュメントによれば、Nano Banana Pro(Gemini 3 Pro Image)は最大14枚の参照画像を扱え、人物としては最大5人までの一貫性を維持できる。狙いは、キャラクター・衣装・小物という役割の異なる3枚の参照画像を渡し、それらを同時に固定したまま新しいシーンに配置することだ。

Using the attached three reference images (character portrait, jacket reference, and ceramic mug reference), place this same person wearing the same jacket and holding the same mug inside a sunlit Tokyo café window seat, three-quarter angle, soft morning light, shallow depth of field. Keep the facial structure, hairstyle, and jacket stitching details identical to the references.

ポイントは「same person」「same jacket」「same mug」のように、各参照画像が担う役割をテキスト側でも明示的に呼び直すことだ。複数参照画像の運用ガイドが指摘するように、枚数が多いほど良いわけではなく、役割ラベルが曖昧だと顔や持ち物が入れ替わる「アイデンティティの混線」が起きやすい。実務では上限の14枚を使い切るより、2〜4枚の高品質な参照に絞るほうが安定した結果になりやすい。なお現行のNano Banana Pro APIにはMidjourneyのような数値指定のseedパラメータは公開されておらず、一貫性は主に参照画像の質と役割指定の明確さに依存する。

例3:Kling AI「Elements」で動画のキャラクターを複数ショットへ展開する

動画では静止画以上に一貫性が崩れやすい。Kling AIのElements(要素ライブラリ)は、1〜4枚の参照画像を「持続する被写体」としてアップロードし、複数のショットに同じ人物・小道具・環境を差し込める機能だ。狙いは、あらかじめ作ったキャラクター参照を宇宙服の宇宙飛行士として登録し、そのままワンカットの動画に展開すること。

Element: young astronaut in a matte white spacesuit with a small red mission patch on the chest (see reference image).
Shot: the astronaut steps out of the airlock onto grey lunar regolith, camera slow push-in from waist height, fine dust particles drifting in low gravity, sunlight rim-lighting the edge of the visor, 5 seconds, cinematic tone.

「Element」の行でキャラクターの固定情報(素材・色・アイテム)を宣言し、「Shot」の行でカメラワークと動きだけを別立てで書くのが分解のコツだ。こう分けておくと、同じElementを使い回しながらShotだけを差し替えて次のカットを作れる。Elementsの解説記事が指摘する通り、同時に固定する登場人物は多くても2人程度に抑えると顔の同一性が安定しやすい。

例4:Ideogramでキャラクター参照とスタイル参照を組み合わせてブランドキャラを作る

IdeogramのCharacter ReferenceとStyle Referenceは併用でき、Character Referenceが有効なときはStyle Reference側の選択肢も自動で切り替わる仕様になっている。狙いは、まずテキストのみでマスコットのベースデザインを作り、それをCharacter Referenceとして保存したうえで、ブランドの絵柄を保つStyle Referenceと組み合わせて新しいポーズを量産することだ。

A friendly round-headed mascot robot with large round eyes and a single blinking antenna, waving one arm, standing on a soft gradient background, flat vector illustration style, thick black outlines, pastel color palette, minimal shading

まずこのプロンプトで生成した1枚をCharacter Referenceに保存し、以後は「same mascot, jumping pose」のように差分だけを書く。ここにStyle Reference(最大3枚のカスタムスタイル参照が登録可能)を重ねることで、線の太さや配色のトーンまで含めたブランド全体の一貫性を保ったまま、ポーズや背景だけを変えたバリエーションを量産できる。

ツール別・一貫性機能の早見表

ツール 主な一貫性機能 参照画像の目安枚数 seed指定 対象
Midjourney Character Reference / Omni Reference(v7)+ Style Reference 1枚(v6 cref)〜複数(v7 Omni) –seed で数値固定可 静止画
Nano Banana Pro(Gemini 3 Pro Image) 複数参照画像の合成による人物・物体固定 最大14枚(人物一貫性は最大5人) 数値seedパラメータは非公開 静止画
Kling AI(Video 3.0 / Elements) Elements(要素ライブラリ)による被写体の持続 1〜4枚 — 動画
Ideogram Character Reference + Style Reference キャラ参照1枚/スタイル参照最大3枚 — 静止画

主な情報源

サンプルプロンプトは本メディアのオリジナル例です。各モデル・サービスは提供元の規約に従ってご利用ください。生成物の権利・商用条件は各規約をご確認ください。情報は公開時点のもの。収集・要約はAI、公開判断は人。