「セカンドブレイン」が会議もメールも覚えている――Genspark『AI Workspace 6.0』を試す

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オールインワンのAIワークスペース「Genspark」が、2026年7月24日に大型アップデート「AI Workspace 6.0」を発表した。目玉は、メール・会議・チャット・ドキュメントを横断してエージェントに記憶させる「SecondBrain」と、それを支える名刺サイズの専用ボイスレコーダー「SecondBrain Note」。検索・資料作成・自動化を一つの画面に詰め込んできたGensparkが、次に狙うのは「あなたの仕事を覚えているAI」だ。今日はこのサービスの全体像と、日本のビジネスパーソンが試す際のポイントを整理する。

AIエージェントが複数のツールを操作するイメージ

Gensparkとは何か

Gensparkは、米国パロアルト拠点のスタートアップMainFuncが開発する「オールインワンAIワークスペース」。単純なチャットボットではなく、リサーチ・資料作成・スプレッドシート・画像/動画生成・電話代行までを一つのクレジット制サブスクリプションにまとめているのが特徴だ。中核にあるのが複数のAIモデルを連携させる「Super Agent」で、OpenAIのブログでも紹介されたように、GPT系・Claude・Gemini・Grokなど80以上の外部ツール/モデルを裏側で使い分けて一つの依頼を仕上げる設計になっている。

  • Sparkpages――検索キーワードではなく「問い」を投げると、複数ソースを要約した1枚のリサーチページを自動生成
  • AI Slides / AI Sheets / AI Docs――プロンプト一つでスライド・表計算・文書を仕上げる制作系エージェント
  • Call For Me――予約や問い合わせの電話をAIが代行
  • Genspark Design――一文の指示からWebサイトやアプリのプロトタイプを生成

今回の目玉「AI Workspace 6.0」

公式ブログとYahoo Financeの発表資料によると、Workspace 6.0は「記憶」「実行」「協働」の3層で構成される。

1. SecondBrain――横断的で永続的な記憶レイヤー

メール・会議メモ・通話・ドキュメント・CRMなどの記録をエージェントが横断的に参照できる、ユーザー管理下の永続メモリ層。これまで対話ごとにリセットされがちだったAIの文脈を、仕事全体に対して一貫させることを狙う。

2. SecondBrain Note――オフラインの会話を拾うハードウェア

The AI Journalによれば、名刺よりも薄い専用ボイスレコーダー端末で、廊下での立ち話やオフラインの打ち合わせなど画面の外で消えていた情報を録音し、そのままSecondBrainに同期する。オンライン議事録ツールでは拾えない場を対象にしている点がユニークだ。

3. GenTeam――人とエージェントが同じチャンネルで働く

共有メモリを基盤にした社内チャットで、人間のメンバーとAIエージェントが同じチャンネルに同居し、エージェントがそのまま作業を拾って実行する。Build Suite・Office Suite・Content Suiteといった機能群、メール自動化の「GenMail」、エージェント基盤の「AgentBase」も同時に強化されている。

料金プランとクレジットの考え方

Gensparkは月額固定ではなく「クレジット制」で、機能ごとに消費量が異なる点に注意したい。eesel AIの調査によるプラン概要は以下の通り。

プラン 月額目安 クレジット 想定用途
Free $0 1日あたり約100〜200 お試し・軽いリサーチ
Plus $24.99〜 月10,000 個人の日常利用
Pro $249.99〜 月125,000 マーケター・代理店の量産利用
Team / Enterprise 要問い合わせ 組織向け配分 チーム導入・SSO等

同記事は、AIチャット自体は0クレジットでも、リサーチページで約5〜80、スライド生成で100以上、3分程度の電話代行で約180クレジットを消費すると分析しており、動画生成が最もコストの高いタスクだとしている。無料枠だけで済ませようとすると、スライドや電話代行はすぐに上限に達する点は理解しておきたい。

似たサービスとの違い

サービス 強み 弱み
Genspark リサーチ・資料作成・電話代行・記憶までを1つに統合 クレジット消費が読みにくい、動画等は高コスト
ChatGPT Plus 汎用性・エコシステムの広さ・拡張機能 資料作成やチーム記憶の統合度はGensparkほど高くない
Perplexity Pro 検索・引用の精度、ブラウザ「Comet」との連携 スライドや電話代行など制作系タスクは弱め

Gensparkのポジションは「検索エンジンの延長」というより「一人の優秀なアシスタントを複数エージェントで代替する」ことに近い。すでにManusのような自律型エージェントを試したチームであれば、Gensparkは「資料作成・電話・記憶」という実務寄りの守備範囲の広さで比較検討する価値がある。

オフィスでチームがノートを取りながら打ち合わせをしている様子
Photo: Startup Stock Photos / CC0 1.0(Openverse経由)

導入前に確認したいこと

  • 記憶させる範囲の線引き――SecondBrainはメール・会議・CRMまで横断するため、社外秘情報の取り扱いポリシーを事前に決めておく
  • クレジット消費の試算――スライドや電話代行を業務で常用するなら、無料枠ではなくPlus以上を前提に費用感を見積もる
  • 「無制限」表記の期限――一部レビューではチャット・画像生成の無制限提供が2026年12月31日までの期間限定と指摘されており、恒久的な条件かは公式発表で都度確認したい
  • ハードウェア運用――SecondBrain Noteのような録音デバイスを社内に持ち込む場合、会議参加者への録音同意の取得を忘れずに

検索・資料作成・電話・そして「記憶」までを一つのサブスクリプションに統合しようとするGensparkの野心は大きい。まずは無料枠でSparkpagesとAI Slidesを試し、日常業務に効きそうであればクレジット消費を見ながら有料プランを検討する、という段階的な導入が現実的だろう。


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