「主語→構図→質感→色→強調」で書く、崩れないAIビジュアル生成プロンプトの型講座

プロンプトの書き方 のアイキャッチ

AIビジュアル生成のプロンプトは、モデルによって「強調の書き方」も「除外(ネガティブ)の書き方」もまったく違います。同じ意図で書いたつもりでも、Midjourneyでは効くのにFLUXでは無視される、ということが普通に起こります。今日は「主語→構図→質感→色→強調→除外」という共通の“型”に沿って、4つの代表的なツールでそれぞれどう書けば狙った通りに効くのかを、コピペで試せるオリジナルプロンプト付きで分解します。

AIによる画像・動画生成のイメージイラスト

プロンプトの「型」は6要素で考える

ツールが違っても、書くべき要素の順番はだいたい共通しています。以下の6段構成をテンプレートとして覚えておくと、どのモデルに向けて書くときも迷いません。

順番 要素 役割 書く場所の例
1 主語(被写体) 何を写すかを最初に固定する 文頭・最重要語
2 構図・カメラ 画角・距離・視点を決める 主語の直後
3 質感 素材感・表面の情報量を足す 被写体の修飾
4 色 配色・トーンを指定する 質感の後ろ
5 強調 絶対に外したくない語を強く効かせる 各ツール固有の記法
6 除外(ネガティブ) 出てきて欲しくない要素を止める 各ツール固有の場所

問題は5番目と6番目の「強調」と「除外」です。ここだけはツールごとに文法が違うため、順番に見ていきます。

作例1:Midjourneyの「::」multi-promptと「–no」で強調・除外する

①狙い:オーク材のテーブルに置かれたマットな黒いコーヒーマグの、静かで温かみのある商品写真。マグの質感を最優先で効かせたい。

closeup product photo of a matte black ceramic coffee mug::1.4 on a warm oak table::0.8, soft steam rising, window light from the left, shallow depth of field, minimalist studio background --ar 4:5 --no plastic, clutter, reflections, text --stylize 250

③分解:Midjourneyの公式ドキュメントによると、プロンプトを「::」で区切ると各パーツが独立した”promptlet”として扱われ、直後に数値を置くことで相対的な重みを指定できます。ここではmug::1.4をtable::0.8より強く効かせ、主語(マグ)を背景(テーブル)より優先させています。除外は同じ公式ドキュメントで解説されている--noパラメータを使用し、「plastic, clutter, reflections, text」を明示的に排除しています。--stylizeはPrompt Basicsが推奨する通り値を低めにして、装飾よりも指示への忠実さを優先しています。

作例2:Stable Diffusion / SDXL系での「(word:weight)」重み付けとネガティブプロンプト

①狙い:森の中のエルフの狩人という、テクスチャと視線の強さを両立させたファンタジーイラスト。

portrait of a young elf ranger, (weathered leather armor:1.3), (piercing green eyes:1.4), forest clearing with dappled sunlight, painterly digital illustration, intricate fabric texture, muted earth tone palette, rim light on the shoulders

Negative prompt: extra fingers, blurry, low detail, oversaturated, plastic skin, watermark, text

③分解:SD/SDXL系では、丸括弧と数値の組み合わせ(語句:1.3)がその語句への注目度(アテンション)を約1.3倍に、[語句:0.8]が減少させる記法として広く使われています。丸括弧を重ねるだけでも1.1倍前後ずつ強まりますが、値が1.5を大きく超えると崩れやすくなるため0.7〜1.5の範囲に収めるのが実務上の目安です(Generative Labsの解説)。ネガティブプロンプトは本文と別の入力欄(またはプロンプト末尾に明示的に区切って)に書くのが一般的で、崩れやすい手指や質感の破綻をここで先回りして止めています。

作例3:FLUXでは「重み記法もネガティブもない」——自然言語一本で強弱をつける

①狙い:作例2と似た狩人モチーフを、Black Forest LabsのFLUX向けに書き直す。

A young elf ranger standing in a forest clearing, dappled sunlight falling across weathered leather armor with visible stitching and scuffed buckles, sharp piercing green eyes as the clear focal point of the composition, painterly illustration rendered like a fantasy book cover, warm rim light outlining the shoulders against a soft blue-green forest backdrop

③分解:Black Forest Labsが公開する公式プロンプトガイドは「FLUXはネガティブプロンプトに対応していない。避けたいものではなく欲しいものを書け」「自然な地の文(prose)が最も効く」と明記しています。そのため強調は括弧の数値ではなく、語順と具体性で行います。最優先したい「green eyes」を”as the clear focal point of the composition”と明示的に主役化し、除外したい要素(余計な武器や群衆など)は最初から本文に書かないことで存在確率を下げる、という逆転の発想が必要です。

作例4:Ideogramの専用ネガティブプロンプト欄を使う

①狙い:見出し用の余白を確保した、レトロ風の旅行ポスター。文字が入る前提のレイアウトにしたい。

Retro travel poster illustration of a lighthouse on a cliff at dusk, bold flat illustration style, warm gradient sky in coral and indigo, large clean empty space reserved at the top for a headline, subtle halftone texture on the ocean waves

[Negative prompt] photorealistic, 3d render, extra text, blurry, low contrast, muddy colors

③分解:Ideogramは公式ドキュメントが示す通り、本文とは別に「Negative Prompt」専用の入力フィールドを持っています。本文側では色や余白を実際に配置したい要素として positively に書き(「大きな空白を上部に確保」)、除外したい方向性(写実的すぎる質感やノイズ)はネガティブ欄に分離することで、両者が競合せずにそれぞれ効きます。Ideogramは既定でMagic Promptという補完機能が入力を自動で構造化しますが、この機能をオフにすれば書いた語順がそのまま反映されます。

強調・除外の書き方 早見表

ツール 強調の書き方 除外(ネガティブ)の書き方 出典
Midjourney 語::数値のmulti-prompt --no 語1, 語2 公式ドキュメント
Stable Diffusion / SDXL系 (語:1.3) 丸括弧+数値 専用のNegative prompt欄 Generative Labs
FLUX 語順・具体性(記法なし) 非対応(欲しいものだけ書く) Black Forest Labs 公式スキル
Ideogram 語順・明示的な配置指定 専用のNegative Prompt欄 公式ドキュメント
GPT Image系 語順+具体的な空間・視点指定 本文中に “avoid ~” と明記 OpenAI Cookbook

実務での使い分け方

  • 括弧の重み記法や::が効くツール(Midjourney、SD/SDXL系)では、1つのプロンプトにつき強調ポイントは1〜2個に絞る。多用すると値の相殺で読みにくく崩れやすい。
  • FLUXやGPT Image系のように記法がない、または弱いツールでは、主語を文の先頭かつ最も具体的な語で書くことが実質的な強調になる。
  • ネガティブプロンプトが使えないツールでは、「避けたい要素を書かない」だけでなく、その代わりに欲しい状態を積極的に書く(例:「clutter」を禁止する代わりに「single object on a clean background」と書く)と安定する。

主な情報源

サンプルプロンプトは本メディアのオリジナル例です。各モデル・サービスは提供元の規約に従ってご利用ください。生成物の権利・商用条件は各規約をご確認ください。情報は公開時点のもの。収集・要約はAI、公開判断は人。