水曜は動画生成のプロンプト作例です。今回は「同じ被写体のまま、カメラの指定だけを変える」実験を軸に、カメラ・被写体の動き・尺・アスペクト比の書き方を整理します。各モデルのガイドに共通する考え方は、動きは名前で指定し、画面に見えることだけを書く、の2点です。

まず押さえる:動画プロンプトは「カメラ→被写体→環境」の順
Klingの公式プロンプトガイドは、被写体・動き・カメラ・ライティングなどを構成要素に挙げています。RunwayのGen-4ガイドも、何が動くかを具体的に書くことを勧めています。「cinematic」「dynamic」のような雰囲気語より、「slow dolly push-in」のような撮影用語のほうが効く、というのが共通の傾向です。
書き方の順序は、この記事では次の型にそろえます。
- カメラ(ショットサイズ+動き+速度)
- 被写体と、見てわかる動作
- 環境・光
- 尺・アスペクト比(プロンプトまたは設定欄)
カメラワーク用語の早見表
| やりたいこと | 書く語(英語) | 向く場面 |
|---|---|---|
| 被写体に寄る | slow push-in / dolly in | 商品アップ、感情の強調 |
| 引いて全体を見せる | pull back / dolly out | 場所の説明、オチの見せ方 |
| 動きを追う | tracking shot / follow shot | 歩く、走る人物 |
| 周りを回る | orbit / arc left | 商品・キャラの立体感 |
| 横に見渡す | slow pan left | 風景、街並み |
| 高さを変える | crane up / crane down | スケール感の演出 |
| 真上から | overhead / bird’s eye | 料理、レイアウト |
| カメラを動かさない | locked camera / static | 被写体の動きだけ見せたい時 |
参考:Runwayのカメラ用語ヘルプ、Krea のSeedance 2.5ガイドの用語表。モデルごとに反応の強さは違うため、まず1語だけ試すのが安全です。
作例:同じ被写体で、カメラだけ変える
被写体は「雨上がりの路地で傘を閉じる女性」に固定します。
作例1:寄りの映像(感情を見せる)
狙い:表情に静かに迫る、短いシネマティックなクリップ。Kling向けですが他モデルにも流用できます。
A slow dolly in toward a woman in a yellow raincoat as she closes her umbrella in a narrow alley after rain. She exhales and looks up at the sky. Soft overcast light from the left, wet asphalt reflecting neon signs, shallow depth of field, 85mm lens look. 5 seconds, 16:9.
カメラ指定を文頭に置き、動作は「closes」「exhales」「looks up」と目に見える動詞だけにしています。Klingのガイドにある「カメラの動きと被写体の動きを噛み合わせる」に沿い、寄りの動きには表情が出る動作を合わせました。「85mm lens look」は被写体を浮かせる狙いで、レンズ語を入れると背景のボケ方が安定しやすくなります(効き方はモデル次第)。
作例2:追いかける映像(動きを見せる)
狙い:同じ女性が水たまりを避けながら歩くところを、横から追う。
Tracking shot at shoulder height, following a woman in a yellow raincoat walking briskly down a narrow wet alley, stepping over puddles. Camera stays beside her, steady and smooth. Neon reflections ripple on the ground. Late evening, cool blue ambient light. 6 seconds, 9:16.
「tracking shot」の高さ(shoulder height)と、カメラが「beside her」にあることを書き、位置関係を曖昧にしないのがポイントです。縦動画(9:16)の場合は、被写体を画面中央の縦方向に収める前提でカメラ位置を書くと、構図が破綻しにくくなります。
作例3:カメラ固定で動きだけ見せる
狙い:背景は動かさず、被写体と水滴の動きに集中させる。Runway向け。
Locked camera. A woman in a yellow raincoat stands under a bus shelter and shakes water from her umbrella. Drops fall in a steady slant from the roof edge. Medium shot, soft natural light, muted color palette.
Runwayのガイドでは「no camera movement」のような否定形より、「locked camera」のように起きることを肯定形で書く方向が案内されています。カメラを止めたい時はこの一語で足ります。
作例4:時間で区切って一本の流れにする
狙い:1本のクリップに起承転結を入れる。Seedance 2.5やVeo 3.1のタイムスタンプ指定向け。
One continuous take, no cuts. 0-3s: wide shot, a woman in a yellow raincoat stands at the mouth of a rainy alley, slow push in. 3-6s: she opens her umbrella and starts walking away, camera tracks behind her. 6-8s: she turns into a side street, camera pulls back to reveal glowing shop signs. Natural rain sounds and distant traffic. 16:9.
Kreaの解説では、Seedance 2.5は4〜30秒の1テイクを生成でき、動きを「ビート(区間)」ごとに書いてカメラを割り当てる書き方が紹介されています。区間ごとにカメラを1つだけ割り当てると、指示が混ざりません。音の指定を最後にまとめるのも、このタイプのガイドに共通する書き方です。
尺とアスペクト比の目安
| モデル | 尺 | アスペクト比 | メモ |
|---|---|---|---|
| Veo 3.1 | 4/6/8秒 | 16:9、9:16 | 解説記事ベース。長い話は複数クリップに分ける |
| Kling 4.0 | 3〜30秒 | 設定欄で選択 | Klingの公式ブログに、最大10枚のキーフレーム対応の記載あり |
| Seedance 2.5 | 4〜30秒 | 設定欄で選択 | Krea解説による。参照素材を最大50点(画像30・動画10・音声10) |
仕様は更新が早いため、生成前に各サービスの画面表示で確認してください。
失敗しやすいパターン
- カメラ指定を重ねすぎる:解説記事では、1行に入れる動きは2つまでが目安とされています。まず1つで試します。
- 雰囲気語で埋める:「epic」「intense」は動かすものがありません。コートの裾が揺れる、雨が斜めに降る、のように見えるものを書きます。
- 被写体の動きとカメラが喧嘩する:走る人にゆっくりした寄り、などは映像が読みにくくなります。
今日の試し方
- 上の作例1をそのままコピーして生成する
- カメラ語だけを表の別の語に差し替えて再生成する
- 差が見えたら、尺と縦横比を変えて比べる
主な情報源
- Kling: AI Video Prompt Guide
- Runway: Gen-4 Video Prompting Guide
- Runway: Camera Terms, Prompts, & Examples
- Runway Resources: AI Camera Prompts
- Krea: Seedance 2.5 Prompt Guide
- Screenweaver: Prompting Kling
- Skywork: Prompt Patterns for Veo 3.1
サンプルプロンプトは本メディアのオリジナル例です。各モデル・サービスは提供元の規約に従ってご利用ください。生成物の権利・商用条件は各規約をご確認ください。情報は公開時点のもの。収集・要約はAI、公開判断は人。