今週のWebデザイン×AIまとめ:Figma・Webflow・EasySite・Awwwardsで見る7月前半の動き

今週のデザイン のアイキャッチ

2026年7月6日〜12日、WebデザインとAIの分野で目立った動きを5件まとめた。デザインツール側の細かな機能追加から、実際に公開されたAI活用サイト、業界全体の空気の変化まで、今週の「現在地」を短く振り返る。

複数のAIデザインツールが連携して動くイメージイラスト

1. Figma、AI画像編集をツールバーに統合し複数編集を同時実行可能に

Figmaが7月7日、画像編集ツールバーを刷新した。「オブジェクトの消去」「オブジェクトの分離」「画像の拡張」といったAI編集を、複数枚まとめて実行しながら他の作業を並行して進められるようになった。読み込み状態を示すアイコンも更新され、1件の処理完了を待たずに次の指示を出せる。Professional以上のプランでFull seatかつAI機能が有効なユーザーが対象。

6月のConfig 2026で発表されたCode LayersやAIシェーダーなどの大型機能はベータ待機リスト経由で7月から段階的に展開中。今回の画像編集ツールバーは、その裏で進む「日常的な作業を少しずつ速くする」アップデートの一例といえる。

2. Webflow、AEO分析にClaude・Geminiを追加、ChatGPT上でのサイト管理も開始

Webflowが7月に入り立て続けに機能を追加した。7月10日にはAEO Analyticsの対応モデルにClaudeとGeminiを追加し、ChatGPT任せだったAI経由の言及チェックを他モデルにも広げた。7月1日にはChatGPT内から自社サイトのコンテンツ更新やSEO修正を直接行える連携を開始。7月7日にはGoogle・カスタム・AdobeフォントがLibraries機能で複数サイト間に自動同期される仕組みも加わった。

いずれも派手さはないが、「AIがどう自社サイトを参照しているかを可視化する」「日常業務をAIチャット上に持ち出す」という方向性は、Webデザイン運用のAI化が地味に進んでいることを示している。

日付 発表元 内容
7/1 Webflow ChatGPT内でのサイト管理連携を開始
7/7 Figma AI画像編集ツールバーで複数編集の同時実行に対応
7/7 Webflow フォントがLibraries経由で複数サイトに自動同期
7/7 EasySite AIサイトビルダーとして全面リニューアル
7/9 Awwwards Brunello Cucinelli「AI E-com」がSite of the Day受賞
7/10 Webflow AEO AnalyticsがClaude・Geminiにも対応

3. EasySite、「30秒でサイト完成」を掲げAIサイトビルダーとして全面リニューアル

2005年創業のサイトビルダーEasySiteが7月7日、AI主体のサービスとして全面リニューアルした。GoogleビジネスプロフィールやInstagramのアカウントを連携するか、事業内容を一文で入力するだけで、30秒以内に完成度の高いサイトを生成する。180種類以上の業種別テンプレートとドラッグ&ドロップ編集を備え、無料のStarterプランで生成・確認まで試せる。

Framerやv0、Lovable、Bolt.newがプロ・開発者寄りの「作り込み」を競う一方、EasySiteのような老舗ビルダーが「対話一発で完成」を軸に再登場している構図は、AIサイトビルダー市場がユーザー層ごとに分かれてきたことを示している。

カラフルなインターフェースデザインのスケッチが並ぶボード
Photo: juhansonin / CC BY 2.0, Openverse経由

4. Awwwards Site of the Day、ブルネロ クチネリの「AI E-com」が受賞

7月9日、クリエイティブスタジオmakemepulseが手がけたブルネロ クチネリのAI主導ECサイト「AI E-com」がAwwwards Site of the Dayを受賞した。固定ページを廃し、ユーザーの意図を読み取って構成が動的に変わる仕組みが特徴で、ブランドの人文的な世界観を「接客に近い体験」として再現することを狙っている。

ラグジュアリーブランドが単なる見た目の演出ではなく「ページ遷移という概念そのもの」をAIで置き換えにきた例として、今週のギャラリー系トピックの中でも注目度が高い。

5. トレンド:「AIっぽさ」へのバックラッシュとタクタイル・ブルータリズム

複数のデザイン系メディアが7月、共通してある空気の変化を指摘している。生成AIで誰でも似たようなヒーローセクションを作れるようになった結果、逆に人の手で描いた非対称なレイアウトや質感、手描き風イラストを前面に出す「タクタイル・ブルータリズム」的な表現が支持を集めているという指摘だ。

  • AIが生成する「無難で整った」デザインへの飽きが、あえて粗さや個性を残す方向への揺り戻しを生んでいる
  • 最終的な見た目とUX判断を人が担うことが、クライアントごとの独自性を保つ鍵になっているという声が多い
  • 一方で、AIエージェントが読み取りやすいセマンティックな構造や情報設計も同時に求められており、「人に読みやすく、AIにも解釈しやすい」設計の両立が次のテーマになりつつある

ツール側の進化が速いぶん、「AIで簡単に作れること」と「AIっぽく見えないこと」を両立させる工夫が、今後しばらくWebデザインの実務テーマになりそうだ。


主な情報源

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