2026年7月、主要なAIサイトビルダー・デザインツールが立て続けにアップデートを発表した。FramerはデザインキャンバスにAIエージェントを常駐させる「Framer 3.0」を、Lovableは最新モデル「Claude Opus 5」の搭載と、作ったアプリをそのままMCPサーバー化できる機能を、Figma Makeはモデルピッカーに「GPT-5.6」を追加した。今回はこの3つを軸に、各ツールが「どのAIモデルを積むか」「外部エージェントとどう連携するか」で差別化を図る動きを整理する。

今週のポイント
| ツール | アップデート | 発表時期 |
|---|---|---|
| Framer 3.0 | AIエージェントがキャンバス常駐、Branching、外部エージェント連携 | 2026年6月16日 |
| Lovable | Claude Opus 5搭載、MCPサーバーが全プランで利用可能に | 2026年7月24日 |
| Figma Make | モデルピッカーにGPT-5.6を追加 | 2026年7月7日 |
| v0 by Vercel | 「Vercel Connect」でエージェントに一時認証情報を発行 | 2026年7月(Ship 2026) |
Framer 3.0――デザインキャンバスに常駐するAIエージェント
Framerは6月に「Framer 3.0」を発表し、Agents(AIエージェント)をデザインキャンバスに直接組み込んだ。ページ全体の設計、ブレークポイントの追加、エフェクトの付与、コンポーネント作成、コード記述、CMS連携まで、これまで人が手を動かしていた作業をエージェントに任せられる。
- Branching: 大きなチームでもAgentsによる変更を安全に試せるよう、サイトの変更をブランチとして分離できる仕組み。
- External Agents: Slackからコピーを更新したり、ターミナルからCMSを変更したり、Claude CodeやCursor、GitHub PRなど外部のエージェント経由でFramerサイトを操作できる。
- あわせて「AI Credits」を軸にしたシンプルな料金体系にも刷新された。
デザインの精度を保ちながらノーコードでリッチなサイトを作りたい層にとって、キャンバス内でエージェントが完結する体験は大きな進化と言える。
Lovable――Claude Opus 5搭載と「アプリがそのままMCPサーバーに」
Lovableは7月24日、Claude Opus 5を主要モデルとして追加した。Lovable共同創業者のFabian Hedin氏は「最も難しいエージェント型コーディングタスクでOpus 4.7比22%向上しており、実行のたびのブレも少ない」とコメントしている。
もう一つの大きな変化が、MCPサーバー(mcp.lovable.dev)が無料プランを含む全プランで使えるようになったことだ。ChatGPTやClaude、Claude Code、Cursor、VS CodeなどMCP対応クライアントから、自然言語でLovableのプロジェクト作成・編集・デプロイ・SQL実行・アナリティクス参照までを行えるようになる。「作ったアプリを外部のAIクライアントの“道具”としてそのまま使わせる」という発想は、他のビルダーにも波及しそうだ。
このほか、セキュリティ企業Wizのスキャン結果がプロジェクトのSecurityビューに標準表示されるようになるなど、企業利用を意識した機能強化も進んでいる。
Figma Make――モデルピッカーにGPT-5.6が追加
Figma公式ブログによると、Figma Makeのモデルピッカーに、OpenAIの最新モデル「GPT-5.6」が全プラン向けに追加された。公式の検証では、初回生成の精度向上、エラーからの自己修復、レスポンシブなプロトタイプの仕上がりが改善したとされている。
Figmaは今年のConfig 2026でも、キャンバス上でのモーション・3D変形・シェーダー・コードレイヤーの追加、FigJamやSlidesへのAgent拡張など、AI関連機能を矢継ぎ早に投入している。デザインツールとしての立ち位置を保ちながら、生成AIモデルを使い分けられる基盤づくりを進めている格好だ。
v0 by Vercel――エージェントに「その場限りの鍵」を渡すVercel Connect
開発者向けのAIサイトビルダーとして存在感を保つv0 by Vercelは、単体の新機能というより基盤側の強化が目立つ。Vercel Ship 2026で発表された「Vercel Connect」は、エージェントが外部ツールやデータにアクセスする際、環境変数に長期間有効なトークンを置く代わりに、目の前のタスクに限定した一時的な認証情報を発行する仕組み。v0で生成したアプリにエージェント機能を組み込む開発者にとって、セキュリティ面での安心材料になる。

比較で見る、4ツールの立ち位置
| ツール | 得意分野 | 今回の目玉 | 向いている層 |
|---|---|---|---|
| Framer | ビジュアル重視のマーケティングサイト | キャンバス常駐エージェント+外部エージェント連携 | デザイナー、ノーコード志向のチーム |
| Lovable | DB・認証込みのフルスタックアプリ | Claude Opus 5+アプリのMCPサーバー化 | プロトタイプから本番運用まで一気に作りたい人 |
| Figma Make | デザインシステムと地続きのプロトタイピング | GPT-5.6を選べるモデルピッカー | 既存のFigmaデザイン資産を活かしたいチーム |
| v0 by Vercel | React/Next.jsのフロントエンドコード生成 | Vercel Connectによる安全なエージェント接続 | コードで細部まで制御したい開発者 |
フロントエンドのコード生成に強いv0、フルスタックのLovable、デザインキャンバス発想のFramer、既存デザイン資産と接続するFigma Make――それぞれ出自もアプローチも異なるが、共通しているのは「使うAIモデルを選べる」「外部のAIエージェントやチャットクライアントと連携できる」という2軸で進化している点だ。どのツールを選ぶかより、目的に応じて使い分ける発想が実務では有効だろう。
主な情報源
- Framer Updates — Framer 3.0
- Lovable Blog
- Lovable Changelog
- Anthropic: Introducing Claude Opus 5
- Figma Blog: GPT-5.6 is Now Available in Figma Make
- Vercel Ship 2026 recap
各ツール・サービスは提供元の規約に従ってご利用ください。情報は各情報源の公開時点のものです。収集・要約はAI、公開判断は人。