2026年8月中旬は、Claude/Anthropic以外の主要AIベンダーが相次いで「エージェント化」と「アプリ統合」に舵を切った週だった。Microsoftは消費者向けとビジネス向けのCopilotを一本化する計画を明らかにし、Amazonは大盤振る舞いしてきたNovaモデル群を整理しつつAIエージェントのガバナンス機能を強化、Meta AIはMac向け専用アプリで中小企業ユーザーを取り込みにいく。Perplexityは検索・実行・連携をまとめた新API、xAIは音声対話モデルを刷新した。各社の最新動向を出典付きで整理する。

Microsoft Copilot:消費者版とビジネス版を統合する「スーパーアプリ」計画始動
Microsoftは、消費者向けCopilotアプリと企業向けMicrosoft 365 Copilotを、Web・モバイル版から段階的に単一アプリへ統合する計画を発表した。Windows・Mac版の統合は9月以降に続く見通し。個人データと業務データは引き続き分離されるが、ブランドとUIは共通化される。今回の統合は、チャット・AIコーディング・共同作業機能・新エージェント機能を将来的に束ねる、より大きな「スーパーアプリ」構想の第一段階と位置づけられている。
出典: Windows Central
Amazon:Novaモデル群を整理し、Bedrock AgentCoreでエージェント統制を強化
AWSは生成AI事業で二つの動きを見せた。ひとつはNovaモデル群の整理だ。Nova Premier・Nova Omni・Nova Reel・Nova Canvasなど主要モデルの多くを保守モードに移行し、開発リソースを新設の「Frontier Model Research」チーム(元CovariantのPieter Abbeel氏が率いる)に集中させる方針と報じられた。次世代の新フラグシップモデルは年内の re:Invent での発表が見込まれている。一方でNova 2 LiteやNova 2 Sonicなど一部モデルは継続提供される。
もうひとつはBedrock AgentCoreのガバナンス強化だ。AWSはAIエージェント向けに「temporal policies(時系列ポリシー)」を追加。前段のツール呼び出し結果と引数の整合性チェック、権限が必要な操作の前に人間の承認を必須化、データの鮮度要件の強制など、エージェントのふるまいを状態遷移として制御できるようになった。あわせてエージェントトラフィック向けのレート制限機能も導入された。
| 領域 | 内容 |
|---|---|
| Novaモデル戦略 | Premier/Omni/Reel/Canvasなどを保守モードへ、新チームで次世代モデル開発 |
| Bedrock AgentCore | 時系列ポリシー・人間承認フロー・データ鮮度チェック・レート制限を追加 |

Meta AI:Mac向けデスクトップアプリをベータ公開、中小事業者を狙う
Meta AIがMac専用のデスクトップアプリをベータ公開した。画面共有機能により、アシスタントがユーザーの画面を見ながらアドバイスできるほか、どのアプリ上でもシステム全体で使える音声入力(ディクテーション)にも対応する。中小事業者向けモードでは、Facebook/Instagramの分析データやMeta Ads、Google Workspaceの情報を会話形式で参照し、資料やスプレッドシートの生成、定型タスクのリマインドまでこなす。無料提供だが、計算負荷の高い機能は今後サブスクリプション化する可能性がある。
出典: MacRumors
Perplexity:検索・実行・連携をまとめた「Agent API」公開、Sonar APIは9月終了へ
Perplexityが新たに「Agent API」を公開した。Web検索・URL取得・コード実行・MCP(Model Context Protocol)接続・金融/人物検索を単一のエンドポイントにまとめ、fast/low/medium/high/xhigh/wide-researchの6段階のプリセットから用途に応じて選べる。既存のSonar APIは2026年9月27日に提供終了予定で、開発者には移行のため約45日間の猶予が設けられている。またPerplexityのMCPサーバーはCursorやVS Codeへのワンクリック導入にも対応した。
xAI:音声対話モデル「Grok Voice Think Fast 2.0」をリリース
xAIは音声対話モデル「Grok Voice Think Fast 2.0」を公開した。テキストを介さない音声to音声型で、発話しながら並行して推論を行う。文字起こし精度はDeepgram Nova 3やElevenLabs Scribe v2に対し1.5〜2.0倍、前バージョンのThink Fast 1.0比でも1.4倍向上したとされ、初回応答までの遅延も1.25秒から0.70秒に短縮された。価格は1音声分あたり0.08ドルで、xAI APIおよびVoice Agent Builderで既に利用可能。
出典: xAI公式
主な情報源
- Windows Central: Microsoft begins unified Copilot app rollout
- TheNextWeb: Amazon winds down Nova AI models
- AWS What’s New: Temporal policies for AgentCore
- MacRumors: Meta AI Mac app
- Perplexity API Docs
- xAI公式サイト
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