2026年8月第4週は、画像・動画生成の現場に効いてくる「地味だが実務的な」アップデートが重なった。Midjourneyはドラフトモードでのスタイル探索を高速化し、Runwayは動画API側にネガティブプロンプトとモデル自動選択を追加、GoogleはImagenシリーズの終了を発表してNano Banana系への移行を促し、GPT Image 2は画像アリーナ首位の独走を続けている。今回はこの4本について、要点の解説とそのまま試せる一言プロンプトをまとめた。

1. Midjourney「–sref random」でスタイル探索が24パターン一括に
①狙い:構図やモチーフは決まっているが「どのビジュアルスタイルで攻めるか」がまだ決まっていない初期段階で、1つのプロンプトから24通りの異なるスタイル案を一気に出す。
a lighthouse on a rocky cliff at dusk, waves crashing below, cinematic mood --sref random --draft
③解説:--draftはMidjourneyのドラフトモードで、通常より低コスト・高速に生成する指定。そこに--sref randomを組み合わせると、24枚それぞれに異なるランダムなスタイル参照(sref)コードが自動で割り当てられ、被写体・構図の説明文はそのままにスタイルだけを24方向に振ることができる。狙った1案に絞り込む前の「スタイルの当たりを付ける」工程を、プロンプトを書き直す手間なく短縮できるのが要点。気に入った1枚が出たら、そのsrefコードを控えて本番の高解像度プロンプトに--sref [そのコード]として使い回すと再現性が保てる。詳細は公式のStyle Referenceドキュメントを参照。
2. Runway API、動画生成にネガティブプロンプトと自動モデル選択
①狙い:RunwayのAPI経由でVeo3系の動画を生成する際、「映り込んでほしくない要素」を明示的に排除しつつ、用途に応じたモデル選定をRunway側に任せる。
Prompt: a golden retriever running through a sunlit meadow, slow motion, handheld camera follow shot, shallow depth of field
Negative prompt: motion blur, warped legs, extra limbs, text, watermark, low resolution, flickering
③解説:Runway APIのVeo3・Veo3.1・Veo3.1_fast向けリクエストに、最大1,000文字までのnegativePromptパラメータが追加された。メインのプロンプトは「見せたいもの」の描写に集中させ、動画生成でありがちな破綻(手足の歪み、モーションブラー、テキストの混入)はネガティブプロンプト側にまとめて追い出すと、プロンプトの見通しが良くなり修正の当たりも付けやすい。あわせて追加されたModel Routerは、コスト・速度・品質のどれを優先するかを指定するだけで、複数モデルの中から適切なものへ自動でルーティングしてくれる機能で、毎回手動でモデルを選ぶ手間を省ける。詳細はRunway API Changelogで確認できる。
3. Google、Imagenシリーズを終了しNano Banana系へ一本化
①狙い:Imagen系のAPIを使い続けているプロジェクトで、移行後も破綻のない写真的な仕上がりを狙う際のプロンプトの当てどころを確認する。
a matte black ceramic mug on a marble countertop, soft studio lighting from the left, 85mm lens, shallow depth of field, subtle steam rising
③解説:Googleはimagen-4.0-generate-001などImagenモデル群を2026年8月17日付で順次シャットダウンし、後継としてGemini 3.x系画像モデル(Nano Banana)への移行を案内している。APIの呼び出し方自体がgenerate_imagesからgenerate_contentに変わるため実装面の対応が必要だが、プロンプトの書き方としては、被写体・光の方向・レンズ画角・質感といった要素を一文で具体的に積み上げる書き方がそのまま通用する。Imagen用に書いていた短い名詞列挙型のプロンプトよりも、Nano Banana系は自然文での指示や「続けて編集する」対話的な指示にも強く反応するため、まずは同じ要素を文章としてつなげ直すところから試すとよい。
4. GPT Image 2、画像アリーナで首位独走。テキスト描写の精度が武器に
①狙い:ポスターやパッケージなど、画像内に正確な文字を焼き込みたい場面でのプロンプトの型を押さえる。
a vintage travel poster for "KYOTO" in bold retro typography, warm sunset gradient sky, minimalist line-art silhouette of a pagoda, slightly weathered paper texture
③解説:Artificial AnalysisのImage Arenaで、OpenAIのGPT Image 2はNano Banana 2やFLUX.2、Seedream 4.0を上回るEloで首位に立ち、プロンプト忠実度・写実性に加えて画像内テキストの描画精度で評価されている。プロンプト設計上のポイントは、埋め込みたい文字列を引用符で明示しつつ、その文字がどんな書体・雰囲気で配置されるべきかを別途言葉で補足すること。文字そのものは引用符内、文字の見た目や配置は地の文で、と役割を分けて書くと意図した通りの文字入りビジュアルに近づきやすい。
今回登場したパラメータ・機能の早見表
| ツール | 機能/パラメータ | 効果 |
|---|---|---|
| Midjourney | --draft + --sref random |
1プロンプトから24通りの異なるスタイルを高速・低コストに一括生成 |
| Runway API (Veo3系) | negativePrompt |
最大1,000文字で「出したくない要素」を明示し、動画の破綻を抑制 |
| Runway API | Model Router | コスト/速度/品質の優先度指定だけで、生成ごとに最適モデルへ自動ルーティング |
| Google Gemini API | Imagen → Nano Banana(Gemini 3.x image)移行 | generate_imagesからgenerate_contentへの呼び出し変更、自然文プロンプトへの対応強化 |
| GPT Image 2 | 引用符付きテキスト指定 | 画像内テキストの描画精度が高く、書体・配置は地の文で補足すると安定 |
主な情報源
- Midjourney公式 Style Reference ドキュメント
- A New Feature for Draft Mode in Midjourney v8.1(Medium)
- Runway API Changelog & Updates
- Runway Product Updates & Changelog
- Gemini API Release notes / Deprecations(Google)
- Migrate from Imagen to a Gemini Image model (Firebase AI Logic)
- Artificial Analysis: GPT Image 2 モデル評価
- Artificial Analysis: Image Editing Leaderboard
サンプルプロンプトは本メディアのオリジナル例です。各モデル・サービスは提供元の規約に従ってご利用ください。生成物の権利・商用条件は各規約をご確認ください。情報は公開時点のもの。収集・要約はAI、公開判断は人。