スライドを「書かない」時代へ——AI提案書ツール「Gamma」を試す

AIサービス紹介 のアイキャッチ

パワーポイントを開いて1枚目の背景色を選ぶところから始める——そんな資料作成の作法を過去のものにしようとしているのが、AIプレゼンテーション作成サービス Gamma だ。プロンプトや箇条書きを渡すだけでスライド・ドキュメント・簡易Webページを自動生成し、2025年11月には評価額21億ドルで資金調達したと報じられている。今回はGammaの基本機能と、AIが下書きから調査・改稿まで伴走する「Gamma Agent」を中心に、実務でどう使えるかを整理する。

AIが資料作成を支援するイメージイラスト

Gammaとは何か

Gammaは、テキストを入力するとAIがスライド・ドキュメント・Webページを自動生成するプレゼンテーション作成サービス。2020年創業で、2025年11月時点で約7,000万人のユーザーと60万人超の有料契約者を抱え、年間経常収益(ARR)は1億ドルを突破したと伝えられている。従来のPowerPoint・Google スライドのような「固定サイズのスライド」ではなく、内容量に応じて自動で伸び縮みするカード(Card)という単位でコンテンツを構成するのが最大の特徴だ。

  • プロンプト・箇条書き・既存ドキュメントの貼り付けから、構成案とデザインを自動生成
  • 「もっとカラフルに」「箇条書きを減らして図解に」といった自然言語の指示でその場でリデザイン
  • スライド・縦長ドキュメント・簡易サイトの3形式を同じ元データから出力可能

目玉機能「Gamma Agent」——AIが調べて、書いて、直す

2025年9月に公開されたGamma 3.0の中核がGamma Agentだ。単なる文章生成にとどまらず、次のような「AIデザインパートナー」としての役割を担う。

  • Web調査と自動引用:トピックを渡すとAgentがWebを検索し、出典付きで最新情報を反映する
  • 外部素材の取り込み:リンク・スクリーンショット・記事を貼るだけで、その内容を要約してスライド化
  • 一括リデザイン:完成済みの資料でも、指示ひとつで全体のトーン・配色・レイアウトを作り直せる
  • スマートレイアウト:比較表・タイムライン・多段組みなどを内容から自動判定して整形

会議の議事録やZoomの文字起こしをそのまま貼り付けて要点スライドに変換したり、CRMの顧客データから提案資料のたたき台を作るといった使い方が想定されている。2026年3月には画像生成機能も追加され、ブランドに合わせたアイキャッチやインフォグラフィックをその場で作れるようになった。

API連携で「量産」もできる

2026年1月に一般提供が始まったGamma Generate APIを使うと、ZapierやMakeなどの自動化ツール経由で、資料作成をワークフローに組み込める。営業案件が動くたびに提案資料を自動生成する、といった「人が資料を作らない」運用も現実的になってきた。

ビジネス資料の図解イメージ
Photo: citirecruitment / CC BY 2.0(Openverse経由)

料金プラン

個人向けは4段階、チーム向けは2段階のプランが用意されている(2026年8月時点、年払い時の目安)。

プラン 月額目安 主な内容
Free 無料 400クレジット(買い切り)、1プロンプトあたり最大10カード、Gammaロゴ表示
Plus $12 月1,000クレジット、ロゴ非表示、上位画像モデル、1プロンプト最大20カード
Pro $25 プレミアムAIモデル、API利用、独自フォント、パスワード保護、カスタムドメイン(最大10)、閲覧分析
Ultra $100 月20,000クレジット、1プロンプト最大75カード、最上位画像モデル、Studio Mode、カスタムドメイン(最大100)

チーム向けにはSeatごとの課金でTeam・Businessプランもあり、共同編集や管理機能が加わる。無料プランでも一通りの機能は試せるため、まずはFreeでカード生成の感触を確かめてから、API連携や独自ドメインが必要になった段階でPro以上を検討する、という流れが現実的だろう。

どんな場面で使えるか

  • 営業提案書:顧客情報やヒアリング内容を貼り付けて叩き台を短時間で作成
  • 社内報告・レビュー資料:議事録やSlackのやり取りを要点スライドに変換
  • ランディングページ的な簡易サイト:同じ内容をスライドとWebページの両方で出したい場合
  • 多言語展開:研修資料などを60以上の言語に翻訳して展開

一方で、企業ブランドガイドラインに厳密に沿った資料や、アニメーションを多用する込み入ったプレゼンには、従来型のPowerPoint・Figma系ツールの方が向く場面もまだ残る。「たたき台を速く作る」「大量の資料を仕組み化する」用途から使い始めるのが現実的だ。


主な情報源

各ツールは提供元の規約に従ってご利用ください。情報は各情報源の公開時点のものです。収集・要約はAI、公開判断は人。