AIコードエディタ「Cursor」では、自社開発モデル「Composer」の最新版Composer 2.5と、xAIの最新モデルGrok 4.6が主要な選択肢として使えるようになっている。モデルの数が増えるほど「結局どれを使えばいいのか」が悩ましくなるため、本記事ではCursorの最新モデル事情と、目的別の使い分けの考え方を整理する。

Cursor自社モデル「Composer 2.5」とは
Composer 2.5は、Cursorが自社で提供するコーディング特化モデルの最新版。前身のComposer 2をベースに合成タスクでの追加学習と、テキストフィードバックによる強化学習を重ねて仕上げられている。長時間にわたるタスクの継続や、複雑な指示への追従性が前バージョンより向上したと位置づけられている。
- ベンチマーク: SWE-Bench Multilingualで約79.8%を記録し、Claude Opus 4.7(約80.5%)にほぼ並ぶ水準。
- 速度: 応答速度はGPT-5.5やClaude Opus 4.7より速いとされ、テンポの良い編集ループに向く。デフォルトで使われる「Fast」版も用意されている。
- 価格: 標準版は入力$0.50/出力$2.50(100万トークンあたり)、Fast版は入力$3.00/出力$15.00。トップクラスの精度を持つモデルの中では、トークン単価がかなり低く抑えられている。
第三者機関Artificial Analysisの集計でも、Composer 2.5はコーディングエージェント指標で上位に位置づけられつつ、同水準の精度を持つ他社モデルに比べてコストが大きく低いと報告されている。日常的な編集作業をこなす「主力モデル」としての立ち位置がうかがえる。
xAI「Grok 4.6」がCursorに追加
Grok 4.6は、xAIがCursor向けに提供する最新モデルで、デスクトップ・Web・iOS・CLI・SDKなどCursorの各インターフェースから利用できる。前身のGrok 4.5から命令追従性と長時間にわたるエージェント作業の安定性が強化されており、次のような場面での強さが謳われている。
- ざっくりしたアイデアを最初に動くバージョンへ落とし込む立ち上げ作業
- 不慣れな領域の仕様を調べながら実装を進めるリサーチ的なタスク
- UIを含むインタラクティブな機能を、複数回のフィードバックを重ねて磨き込む作業
Cursorの個人・チームプランでは、Grok 4.6はComposer 2.5やGrok 4.5と並ぶ「モデルプール」の一員として提供されている。長時間セッションを任せて席を外すような使い方と相性が良いモデルといえる。
モデル比較表
| モデル | 提供元 | 得意な場面 | 価格帯(入力/出力・100万トークン) |
|---|---|---|---|
| Composer 2.5 | Cursor(自社) | 日常的な編集ループ、素早い反復作業 | $0.50 / $2.50 |
| Composer 2.5 Fast | Cursor(自社) | 体感速度を最優先したい編集作業 | $3.00 / $15.00 |
| Grok 4.6 | xAI | 長時間の自律実行、0→1の立ち上げ | 非公開(モデルプール経由) |
| Claude系(Sonnet/Opus) | Anthropic | 曖昧な仕様の整理、大規模リファクタ、文章生成 | モデルにより異なる |
実践:目的別のモデルの使い分け
選択肢が増えるほど「毎回悩む」のは非効率だ。海外のCursorユーザーの間でまとまりつつある使い分けの考え方は、次のようにシンプルにできる。
- 基本はAutoに任せる: 普段の作業では、Cursorのモデル自動選択に任せて余計なことを考えない。
- 編集のテンポを優先したいとき: 小さな修正を高速に繰り返したいタイミングでは、応答が速いComposer 2.5(Fast)に切り替える。
- 長時間放置して任せたいとき: バックグラウンドで長く走らせるセッションでは、長時間の安定性が強みのGrok 4.6のようなモデルに切り替える。
- 複数ファイルにまたがる大きな変更のとき: 複数ファイルの整合性を取る必要がある大規模な変更や、リポジトリ固有の慣習を汲み取る必要がある場面では、より重量級のフロンティアモデル(Claude Opusクラスなど)に切り替える。
つまり「迷ったらAuto、速さが要るときはComposer、放置したいときはGrok、大改修は重量級モデル」という4択に単純化してしまうのが、消耗しないコツといえそうだ。なお、料金プランの実際のコストは各モデルのトークン単価だけでなく、どの利用枠(プールされたクレジット)を消費するかにも左右されるため、契約プランの仕様は各自確認しておきたい。

まとめ
Cursorは自社モデルComposer系の強化と、外部フロンティアモデルの取り込みを同時に進めており、ユーザーは「どのモデルをいつ使うか」という判断を日常的に求められるようになっている。とはいえ基本方針は難しくなく、Autoに任せつつ、速さ・長時間放置・大規模変更という3つの局面だけ意識的に切り替えれば十分に恩恵を受けられる。
主な情報源
- Introducing Composer 2.5 – Cursor
- Introducing Grok 4.6 – Cursor
- Grok 4.6 for Agentic Coding and Knowledge Work – Cursor
- Cursor’s Composer 2.5 coding agent index – Artificial Analysis
- Composer 2.5: Benchmarks, Pricing, and How It Compares – DataCamp
- Best Cursor AI Models (2026) – Lopez Productions
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