Webデザインの現場で使う「作る道具」そのものがAIエージェント前提に作り替えられている。2026年9月、3DツールのSplineが「エージェント時代」を掲げて大型刷新、インタラクティブアニメーションのRiveはターミナルからAIエージェントと一緒にファイルを組み立てるCLIを公開、HiggsfieldはBlenderやClaudeと直結する3D制作ブリッジを整えた。今日はこの3つの動きと、Web向けシェーダーを部品化するshaders.comを中心に、デザイン系AIツール・素材の最新事情をまとめる。

Spline V2──3Dエディタを「エージェント時代」向けに全面刷新
ブラウザ完結の3DデザインツールSplineが、Spline V2を公開した。公式ブログは「エージェント時代に向けた3Dエディタの完全な再構築」と位置づけており、目玉は次の3点。
- Spline AI Agent / Spline MCP:プロンプトでシーンを組み立て、MCP経由で外部のコーディングエージェントからも操作できる
- WebGPUエンジン:ブーリアン演算が従来比約4倍高速化、クローナーや選択・シャドウ描画も軽くなった
- PBR/HDRマテリアルと新レイヤー:画像ベースライティング対応のPBRマテリアル、雪や砂ぼこりを乗せる「Dust」レイヤー、頂点カラーレイヤーを追加。ヘアシステムや新しいベベル/シャンファーツールも搭載
インタラクティブなキャンバスツール「Hana」と合わせ、プロンプトからWebやアプリに埋め込む3D表現までを一気通貫で作れる体制になってきた。
Rive CLI と RML──コーディングエージェントと組む前提のアニメーション制作
UI・ゲーム向けインタラクティブアニメーションツールRiveが、Rive CLIと独自テキスト形式「RML(Rive Markup Language)」を公開した。ランタイムとフォーマットはMIT公開のオープンソースだ。
ポイントは、Riveのシーンを「テキストで書けるファイル」として扱えるようにしたこと。
| できること | 内容 |
|---|---|
| プロジェクト作成 | rive create myproject でプロジェクトを雛形生成 |
| ライブプレビュー | rive myproject でローカルにプレビューウィンドウを起動し、編集のたびに再ビルド |
| エージェント連携 | コーディングエージェントがRMLでシーンを記述し、人はプレビューを見ながら指示を出して調整 |
| ビルド出力 | アプリ・ゲーム用の.riv、Rive Editorで開ける.revを生成 |
これまでGUIエディタでしか組めなかったステートマシンやアニメーションを、Gitでバージョン管理できるテキストとして扱える点は、デザイナーとエンジニアが同じリポジトリで作業する現場に向いている。
Higgsfield──BlenderとClaudeを橋渡しする3D制作ブリッジ
AIクリエイティブスイートHiggsfieldは、Higgsfield for BlenderというプラグインとMCPブリッジを整備した。Blenderのビューポート上にフローティングバーが常駐し、生成した画像・動画・3Dモデルをそのまま開いているシーンに追加できる。
さらに「Blender Bridge」を使うと、ClaudeなどのAIエージェントがBlenderで今開いているシーンそのものを操作できるようになる。ブロッキング(配置のラフ組み)をエージェントに任せ、カメラワークだけ動画生成AIに実行させる、といった分業のワークフロー例も出てきている。同様にAfter Effects向けの「AI Motion Designer」も公開されており、開いている合成にタイトルアニメやロゴリビールをチャットで組み込める。生成した要素はネイティブなレイヤーとして残るため、後から手作業で調整できるのも実務向きだ。

shaders.com──Web制作向けにシェーダーを「部品」として配布
shaders.comは、GLSLシェーダーをReact・Vue・Svelteといったフロントエンドフレームワークにそのまま組み込める「コンポーネント」として提供するプラットフォームだ。従来はShadertoyのような低レベルのシェーダー記述・デバッグツールが中心だったのに対し、shaders.comは「効果を選んでコピペする」感覚でリッチな背景やホバーエフェクトを実装できるのが特徴だ。AIで生成したビジュアルを最終的にWeb上で軽量に動かす段階の選択肢として押さえておきたい。
まとめ:制作ツールの前提が「一人で完結」から「エージェントと組む」へ
Spline・Rive・Higgsfieldの3つに共通するのは、GUI操作を置き換えるのではなく、AIエージェントが読み書きできる形式・接続口(MCP、CLI、テキスト形式)を土台に追加している点だ。デザイナーは引き続きビジュアルを判断する役割を担いつつ、シーン構築やコマ送り調整の一部をエージェントに渡す分業が現実的になってきている。
主な情報源
- Spline Blog: Introducing Spline V2
- Rive Docs: Rive CLI Overview
- Higgsfield Blog: Higgsfield for Blender
- Higgsfield Blog: AI Motion Designer for After Effects
- shaders.com
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