今週は画像・動画生成のツール側で、地味だが効くアップデートが重なりました。Midjourneyは「言葉で直接指示する」編集モデルをアルファ版に投入し、Googleの画像モデルは検索でのグラウンディングを武器に事実ベースの画像に強くなり、Klingは表情の一致精度を上げたモーション参照を、Runwayはフレーム単位のリアルタイム生成という次世代の作り方を、Ideogramはオープンウェイトのレイアウト制御モデルを、それぞれ今週発表・更新しました。ここでは各アップデートの要点と、そのまま真似して試せる一言プロンプトを5本まとめます。

①MidjourneyのLightbox編集モデル——参照画像4枚まで、指示は「変えたい部分」だけ言えばいい
Midjourneyのアルファ版に、Lightbox内で動く新しい編集モデルが入りました。画像を開いて添付すると「What would you like to change?(何を変えたいですか?)」と聞かれ、プレーンな指示文で編集できます。参照画像は最大4枚まで追加でき、セッション内の編集履歴も1か所で追える仕様です。狙いは、パラメータの暗記ではなく「直したい部分だけを自然文で伝える」編集体験への移行です。
①狙い:会議室の写真の背景だけを差し替え、人物のポーズと衣装はそのまま残す。
Replace the plain office backdrop with a sunlit greenhouse full of hanging plants, keep the subject's pose, expression, and outfit exactly the same, add soft golden-hour rim light from camera left, blend the new background edges naturally into the hair and shoulders
③分解解説:「keep the subject’s pose, expression, and outfit exactly the same」は編集モデルに”変えない要素”を明示して人物の同一性を固定する指示です。「rim light from camera left」は光源の方向を具体的な語彙で指定し、背景差し替えにありがちな光の不一致を防ぎます。「blend…edges naturally」は境界線の不自然さ(ハロー・輪郭の浮き)を避けるための仕上げ指定で、編集系プロンプトでは最後に置くと効きやすい一文です。
②Nano Banana Pro(Gemini 3 Pro Image)——Google検索でのグラウンディングと4K出力
Googleの公式ドキュメントによれば、Gemini 3 Pro Image(通称Nano Banana Pro)は生成前にGoogle検索を使って内容を裏付ける「グラウンディング」と、構図を練ってから描く既定の思考プロセスを備え、最大4K相当の解像度で出力できます。単に美しい絵ではなく「事実に沿った絵」が必要な用途に強いのが特徴です。
①狙い:データに基づくインフォグラフィック風イラストを、誇張のない正確な体裁で作る。
A minimalist infographic-style illustration comparing monocrystalline and polycrystalline solar panel efficiency, accurate percentage labels on a simple bar chart, clean sans-serif typography, soft pastel gradient background, flat design, no photorealism, 4K
③分解解説:「accurate percentage labels」はグラウンディング機能を引き出すトリガーで、数値やラベルを裏取りさせたいときに効きます。「flat design」「no photorealism」はスタイルの逸脱(勝手に写真調になる等)を防ぐネガティブ指定、「4K」は最終出力解像度を明示するパラメータ語です。
③Kling VIDEO 3.0 Motion Control——モーション参照でも顔が崩れにくくなった
Kling AIの公式ガイドによると、VIDEO 3.0のMotion Controlは2.6世代から表情の一致精度が向上し、複数アングル・長尺のモーションでも顔立ちや表情が安定するようになりました。参照動画からモーションを抽出し、別のキャラクターに転写する仕組みは変わらず、「Bind Face Subject」で顔の同一性をさらに固定できます。
①狙い:アップロードしたダンス参照モーションを、銀色の狐耳アンドロイドアイドルに転写し、無表情を保ったまま踊らせる。
A silver android idol with fox-shaped ear accessories performs the uploaded dance motion reference exactly, maintaining a calm neutral facial expression throughout, single overhead spotlight, camera holds a static medium shot, no camera movement, seamless loop ending
③分解解説:「maintaining a calm neutral facial expression throughout」はBind Face Subjectと組み合わせて表情の暴れを抑える指定です。「camera holds a static medium shot, no camera movement」はモーション参照(体の動き)とカメラワークを分離して指定する書き方で、Motion Control系モデルでは主体の動きとカメラの動きを別々の語彙で書くと破綻しにくくなります。
④Runway GWM-1——フレーム単位で生成する「リアルタイム動画」という発想
Runwayの公式研究発表によれば、GWM-1はGen-4.5をベースにした自己回帰型のワールドモデルで、動画をまとめて生成するのではなく1フレームずつ生成し、カメラの向きや操作入力にリアルタイムで反応します。まだ研究プレビュー段階の技術ですが、「最初の1枚(シード)を描写し、そこからどう動き続けるかを言葉で持続させる」という新しいプロンプトの書き方を示唆しています。
①狙い:探索できる世界のシードとなる1シーンを描写し、カメラの持続的な動きを言葉で指定する。
An abandoned neon-lit arcade at midnight, rain-soaked windows reflecting pink and cyan signage, camera slowly walks forward down the central aisle at a steady pace, arcade cabinets flicker with idle attract-mode animations, ambient hum, consistent lighting as the camera advances
③分解解説:「camera slowly walks forward…at a steady pace」は一枚絵ではなく持続するカメラ動作を明示する語で、フレーム単位生成モデルに合わせた書き方です。「consistent lighting as the camera advances」は前フレームとの整合性(ちらつきや光源の破綻)を防ぐための指定で、通常の一発生成プロンプトにはあまり出てこない、世界の”持続”を意識した語彙です。
⑤Ideogram 4.0——オープンウェイトで手に入る、レイアウト制御に強いモデル
Ideogramの公式ブログによると、4.0は同社初のオープンウェイト画像モデル(93億パラメータ)で、テキストと画像を同じ層で処理する構造を採り、バウンディングボックスによるレイアウト制御と多言語のテキスト描画に強みがあります。ポスターやパッケージなど「文字の位置」が結果を左右するデザインに向いています。
①狙い:見出し・サブ見出し・装飾要素の配置がきちんと分離された、フェス告知ポスターを作る。
Poster design, bold headline text "FUTURE FEST 2026" centered at the top, smaller subheading text "Live music, food trucks, night market" directly beneath it, retro sunset gradient background with palm tree silhouettes, geometric triangle shapes framing the left and right edges, vibrant orange and purple color palette
③分解解説:見出しとサブ見出しをダブルクォートで別々に指定し、それぞれの位置(“centered at the top”、”directly beneath it”)を明示するのは、バウンディングボックスでレイアウトを制御するモデルと相性の良い書き方です。「framing the left and right edges」のように装飾要素の配置を明言すると、テキスト領域と装飾が重ならず、ポスターとして破綻しにくくなります。
今週登場した5つの新機能・比較表
| ツール/モデル | 今週の要点 | 解像度・尺の目安 | 参照の扱い | 得意なプロンプト操作 |
|---|---|---|---|---|
| Midjourney V8.2 Lightbox編集 | プレーン言語での画像編集モデル | 最大2K(HD) | 参照画像 最大4枚 | “keep/replace/add”の自然文編集 |
| Nano Banana Pro (Gemini 3 Pro Image) | 検索グラウンディング+思考プロセス | 最大4K | – | 事実に基づくインフォグラフィック |
| Kling VIDEO 3.0 Motion Control | 表情の一致精度が2.6比で向上 | 動画(モデル・プラン次第で4K) | モーション参照動画+キャラ画像 | ダンス・演技の再現 |
| Runway GWM-1(研究プレビュー) | フレーム単位のリアルタイム自己回帰生成 | 720p/24fps相当(研究時点) | カメラ操作等のインタラクティブ入力 | 探索型ワールドのシード記述 |
| Ideogram 4.0 | オープンウェイト・バウンディングボックス制御 | ネイティブ2K | – | ポスター・ロゴ・多言語テキスト配置 |
主な情報源
- Midjourney Alpha Changelog – 9/23/26(公式)
- Google AI for Developers「Nano Banana image generation」(公式ドキュメント)
- Kling AI「Motion Control User Guide」(公式)
- Runway Research「Introducing Runway GWM-1」(公式)
- Ideogram Blog「Ideogram 4.0 Technical Details」(公式)
サンプルプロンプトは本メディアのオリジナル例です。各モデル・サービスは提供元の規約に従ってご利用ください。生成物の権利・商用条件は各規約をご確認ください。情報は公開時点のものです。収集・要約はAI、公開判断は人が行っています。