Meta「Muse Code」参戦・PerplexityのWindows進出・Amazon「Nova Act」始動――2026年8月上旬、AIエージェント混戦地図

Grok・Copilot 他 のアイキャッチ

2026年8月第1週は、コーディングやブラウザ操作を自律的にこなす「エージェント」の主戦場が一気に広がった週だった。Meta がついにコーディングエージェント市場へ参入し、Perplexity はデスクトップ・エージェントでWindowsに進出、Amazon は5万社超の実績を背景にブラウザ操作エージェントを前面に押し出し、xAI は自律実行モードをコーディングツールに搭載、Microsoft 365 Copilot もOffice全体へのエージェント統合を進めている。Claude/Anthropic以外の主要プレイヤーの動きを横断でまとめた。

複数のAIエージェントが並行して作業する様子のイラスト

Meta、コーディングエージェント「Muse Code」で参戦

Meta傘下のMeta Superintelligence Labs(MSL)は8月5日、ターミナル型のコーディングエージェント「Muse Code」をベータ公開した。新モデル「Muse Spark 1.2」と組み合わせて使う設計で、大規模リポジトリを対象に計画・実装・検証までを一気通貫でこなす。タスクごとに使い捨てるのではなく、セッション中ずっと稼働し続ける非同期バックグラウンドエージェントを採用し、重複した情報収集を避けているのが特徴。すべての操作をログに残す「replay-exact」設計で、クラッシュ後の再開にも対応する。OpenClawのようなハーネスの普及を意識し、既存の開発ワークフローとの互換性も重視したという。MetaはこれまでLlamaの公開路線で知られてきたが、フロンティア開発の軸足はクローズドの Muse 系列に移っており、OpenAIのCodexやClaude Code系のツールと直接競合する陣営に踏み込んだ格好だ。

出典: TechCrunch / MarkTechPost

ノートパソコンの画面に表示されたプログラムコード
Photo: qubodup / CC BY 2.0(Openverse経由)

Perplexity、WindowsでMicrosoft Copilotの牙城に進出

Perplexityは7月28日、デスクトップ・エージェント「Personal Computer」のWindows版を公開した。macOS向けに先行提供していたものを、世界で14億台規模とされるWindows環境へ拡大する動きで、ローカルファイル・Microsoft 365・Webを横断してタスクをこなせる。ブラウザ「Comet」と連携すればフォーム入力や予約、日程調整といったWeb上の操作も代行する。5月には Excel・Word・PowerPoint・Outlookにサイドパネルとして入り込む「Computer in Microsoft 365」、Teams向けの統合も先行しており、今回のWindows対応で「Microsoft自身のOS上でMicrosoft Copilotと真正面から競合する」体制が整った。対象はMax・Enterprise Maxプラン(月額200ドル〜)の契約者からとなる。

出典: Tech Times / Perplexity公式ブログ

Amazon Nova 2が5万顧客突破、ブラウザ操作エージェント「Nova Act」も本格始動

AWSは、独自基盤モデル群「Amazon Nova」の第2世代(Nova 2)について、稼働顧客数が約5万社に達したと明らかにした。AWS幹部によると、軽量モデルの Nova 2 Lite は15種のベンチマークのうち13種でClaude Haiku 4.5を上回るなど、低コスト・高速モデルとしての実績を積み上げている。あわせてBedrockのコンソールとは別に、Novaブランドを前面に出した専用サイト「nova.amazon.com」を新設。さらにブラウザ上でボタン操作やフォーム入力などUI操作を自律的にこなすエージェント向けSDK「Nova Act」もリサーチプレビューとして展開しており、複数セッションの並列実行やAWSへのデプロイ・監視、必要に応じて人間に判断を委ねる仕組みを備える。ブラウザ操作エージェント分野でOpenAIやAnthropicと並ぶ選択肢として位置づけられつつある。

出典: Tech Insider / Amazon Nova Act(GitHub)

xAI Grok、Bedrock・Word・自律実行「/goal」で多方面展開

xAIのGrokは、複数の経路で存在感を広げている。まずコーディングエージェント「Grok Build」に、目標を一行渡すだけで計画・実装・検証まで自律的に実行し続ける新モード「/goal」を追加。従来の逐次的なやり取りを前提としたコーディング作業から一歩進み、長時間の自律実行に対応した(利用にはSuperGrokまたはX Premium Plus契約が必要)。加えて、GrokモデルはAmazon BedrockやDatabricks Agent Bricks経由でも利用可能になったほか、Microsoft Word向けのアドイン「Grok for Word」も投入し、メモから文書を作成したり書式を整えたりする用途に対応する。単体アプリにとどまらず、他社プラットフォームへの組み込みを一気に広げている格好だ。

出典: xAI公式(/goal発表) / MarkTechPost / xAI News

Microsoft 365 Copilotも進化――MCPエージェントをOffice全体に統合

Microsoft 365 Copilotの7月アップデートでは、Model Context Protocol(MCP)で構築したエージェントをWord・Excel・PowerPoint・Outlook・Catalystの各アプリから直接呼び出せるようになった。これまでOfficeアプリに組み込まれていなかったMCPエージェント連携が可能になり、外部システムとの連携がアプリを横断して行えるようになる。あわせてSharePoint・OneDrive向けに、エージェントのアクセス状況を可視化する「Agent Access Insights」ヒートマップも追加され、管理者が不審なアクセスパターンを検知しやすくなった。PerplexityやGoogleがOfficeやブラウザの領域に攻め込む中、Microsoft自身もCopilotのエージェント化を着実に進めている。

出典: Microsoft Tech Community

主要エージェント発表の比較

企業 名称 領域 主な特徴
Meta Muse Code(ベータ) ターミナル型コーディング 大規模リポジトリの計画・実装・検証、常駐の非同期バックグラウンドエージェント
Perplexity Personal Computer(Windows版) デスクトップ・エージェント ローカルファイル・Microsoft 365・Webを横断操作、Cometブラウザと連携
Amazon Nova Act ブラウザ操作エージェントSDK フォーム入力・ページ遷移などUI操作を自動化、AWSへのデプロイ・監視に対応
xAI Grok Build「/goal」 自律実行コーディング 目標を渡すだけで計画・実装・検証まで自律実行、Bedrock/Databricksにも展開
Microsoft Microsoft 365 Copilot(MCP統合) Office全体のエージェント連携 Word/Excel/PowerPoint/Outlook等からMCPエージェントを直接呼び出し

主な情報源

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