Perplexity「Computer for Counsel」・Microsoft Scout・Meta One ── フロンティアAI各社が仕掛ける“エージェント常駐化”と有料化の動き

Grok・Copilot 他 のアイキャッチ

2026年6月末から7月初旬にかけて、Claude/Anthropic以外のフロンティアAI各社では「エージェントを常駐させる」「エージェントに専門領域を持たせる」「AI機能を有料サブスクの軸にする」という3つの流れが同時に進んでいる。Perplexityは弁護士向けの専門エージェントを投入し、Microsoft 365 Copilot陣営は「待たずに動く」常時稼働エージェントをGA(一般提供)へ進め、Meta AIはInstagram・Facebook・WhatsAppをまたぐ有料プランでAI機能をマネタイズし始めた。今回はこの3社の最新動向を取り上げる。

複数のAIエージェントが連携して動くイメージイラスト

Perplexity「Computer for Counsel」── 20以上のモデルを束ねる弁護士向けAIエージェント

Perplexityは2026年6月24日、法律事務所向けのエージェンティックAI「Computer for Counsel」を発表した。同社のLLM非依存エージェント基盤「Perplexity Computer」を法務領域向けに特化させたもので、Enterprise・Maxプランの契約者に提供される。

  • タスクごとに20以上のフロンティアモデルへ処理を振り分ける「Model Council」というオーケストレーション層が中核。特定ベンダーへのロックインを避ける設計になっている。
  • DocusignやNetDocumentsなど既存の契約管理・文書管理システムにMCP(Model Context Protocol)で接続し、契約トリアージ、判例調査、規制モニタリング、引用チェックなどの実務を代行する。
  • 既存の法律データベースの置き換えではなく、それらと組み合わせて使う「ワークフロー層」という位置付け。真正性の裏取りは提携する法律研究AI「Midpage」に依存する。
  • 大手法律事務所Gunderson Dettmerなどが既にPerplexityを全社導入済みで、取引業務での深掘り活用を検討していると報じられている。

「AIが存在しない判例を引用して懲戒処分を受けた弁護士」という業界が抱えるリスクを踏まえ、出典を必ず遡れる設計にしている点が特徴だ。専門領域に特化したエージェント投入は、汎用チャットボットからの次の一手として他社にも広がりそうだ。

出典: Law.com Legaltech News / MarkTechPost

オフィスでコンピューターを使って作業する様子
Photo: Steve Parker / CC BY 2.0(Openverse経由)

Microsoft「Scout」と「Copilot Cowork」── “待たない”常時稼働エージェントがGAへ

2026年6月2日、MicrosoftはMicrosoft Scoutを発表した。同社が「Autopilot」と呼ぶ新しいカテゴリーのエージェントで、Copilotのように指示を待つのではなく、独自のIDと管理者が設定した権限の範囲内でバックグラウンドで常時稼働し、Microsoft 365やWindows、ブラウザを横断してタスクを自律的に片付ける。現在はMicrosoft Frontierプログラムの参加組織向けにプレビュー提供されている。

同時に、Build 2026ではCopilot Coworkが一般提供(GA)に到達した。長時間・複数ステップにわたるタスクをユーザーの承認を挟みながら自律的に遂行する機能で、無料プレビューから有料利用へ移行した。あわせてCopilot Studioの新しいエージェント構築体験も本番運用向けプレビューとして提供が始まっている。

製品 位置付け 状態(2026年6月時点)
Microsoft Scout 常時稼働の自律型「Autopilot」エージェント Frontierプログラムでプレビュー提供
Copilot Cowork 長時間タスクを承認制で遂行するエージェント 一般提供(GA)へ移行、有料化
Copilot Studio 新エージェント体験 マルチエージェント構築・オーケストレーション 本番運用向けプレビュー

なお、Microsoft 365 Copilot Chatではモデル選択肢の一つとしてAnthropic Claudeも選べるようになっているが、Scout・Cowork自体はMicrosoft独自のエージェント基盤として展開されている。

出典: Microsoft 365 Blog / A Guide to Cloud

Meta「Meta One」── Instagram・Facebook・WhatsAppを横断するAI有料サブスク

Metaは2026年5月27日、Instagram・Facebook・WhatsAppの3アプリ向けに「Plus」と呼ばれる有料プラン(Instagram Plus・Facebook Plusが月額3.99ドル、WhatsApp Plusが月額2.99ドル)をグローバル展開すると発表した。これらのプランは今後、AI機能を軸にしたサブスクリプションの受け皿となる「Meta One」というブランドに統合されていく方針だ。

  • Meta OneにはPlusとPremiumの2階層があり、報道によるとPlusは月額7.99ドル、Premiumは月額19.99ドル程度で、Meta AIアプリやAIグラス(Ray-Ban Display等)向けの拡張機能へのアクセスが含まれる。
  • AIグラス向けにはPremiumプランで「会話フォーカス」機能や優先デバイスサポートが利用できるようになる。なおAIグラス自体の基本機能はサブスクなしでも使用可能。
  • Meta AI向けのAI専用プランは現時点では一部の国際市場での限定テストにとどまり、グローバル展開はこれから進む見込み。

広告収益に依存してきたMetaが、AI機能を軸に消費者向けサブスクリプションを本格的な収益源として育てようとしている点が注目される。ChatGPTやGeminiがサブスク型AIの主戦場としてきた領域に、ソーシャルアプリの巨大なユーザーベースを持つMetaが参入する格好だ。

出典: TechCrunch / Social Media Today


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