Veo 3.1無料開放とHiggsfieldのDaVinci Resolve参入――2026年7月下旬の画像・動画・音声生成AI最新動向

画像・動画・音声AI のアイキャッチ

2026年7月下旬、画像・動画・音声の生成AIでは「単体モデルの新登場」よりも「既存モデルの実務統合」が目立った一週間だった。GoogleはFlowでVeo 3.1を無料開放し、Adobeは他社モデルを取り込んで動画編集を一本化。Higgsfieldは映像編集ソフトの内部にまで入り込み、音声AIのElevenLabsと音楽AIのSunoもそれぞれ足場を広げた。今週の動きを整理する。

画像・動画・音声生成AIのイメージイラスト

Google「Veo 3.1」がFlowで無料開放、AI音楽・アバターも追加

Googleの動画生成ツールFlowに、最新の動画生成モデルVeo 3.1が組み込まれ、通常のGoogleアカウントでも月10本まで無料で動画生成が使えるようになった。あわせて、音楽生成モデル「Lyria 3」によるオリジナルBGM作成と、自由に操作できるAIアバター機能も追加。Ingredients to Videoでは縦型(ポート)出力にも対応し、ショート動画づくりを意識した仕上がりになっている。

出典: Google公式ブログ / Google Developers Blog

Adobe「Firefly」が動画編集プラットフォーム化――他社モデル統合とブラウザ版エディタ

Adobe Fireflyは、自社モデルに加えて他社の動画・画像モデルを取り込む「プラットフォーム」路線を明確にした。動画編集向けにRunwayの「Aleph」、超解像向けにTopazの「Astra」を統合し、ブラウザだけで完結する軽量な動画エディタも公開。生成した映像をその場で4Kにアップスケールできる点が実務では地味に効く。単体のモデル性能競争から、複数モデルを使い分ける「ワークフロー競争」へと軸足が移りつつある。

動画編集スタジオの様子
Photo: Theo K / CC BY-SA 2.0(Openverse経由)

出典: Adobe公式ブログ

Luma AI「Ray3.14」、高速・低コスト化でSora撤退後の受け皿に

Luma AIの動画生成モデル「Ray3」の改良版「Ray3.14」は、ネイティブ1080p出力を基準の4倍速・3分の1のコストで生成できるようになった。プロの映像制作パイプラインを意識した16bit HDR出力にも対応する。3月のOpenAI「Sora」提供終了以降、移行先の一つとして注目度が上がっている状況も背景にある。

出典: Luma AI公式ブログ

Higgsfield、DaVinci ResolveとPhotoshopに直接プラグイン展開

動画生成スタートアップHiggsfieldは、動画編集ソフト「DaVinci Resolve」向けのプラグインを公開した。タイムライン内でAI動画・画像生成、背景除去、リフレーム、4Kアップスケール、AI LUTによる色調整までをブラウザに切り替えずに完結できる。同様のプラグインはPhotoshopやPremiere Pro、After Effects向けにも展開しており、「生成AIを別ツールとして使う」段階から「編集ソフトの機能として使う」段階への移行を象徴する動きといえる。同社は1月時点で評価額13億ドルのユニコーン企業となっている。

出典: Higgsfield公式サイト

ElevenLabs、旧モデル廃止とScribeリアルタイム機能を強化

音声AIのElevenLabsは、初期の音声合成モデル「eleven_monolingual_v1」「eleven_multilingual_v1」および文字起こしモデル「scribe_v1」を7月9日付けで廃止し、後継モデルへの移行を促した。あわせて、リアルタイム文字起こし機能「Scribe」のWebSocket APIに、特定用語を認識しやすくするkeytermsパラメータと、フィラー語を除去するno_verbatimオプションを追加している。音声合成だけでなく、ダビングや音楽、音声エージェントまで含む「音声スタック」全体の実務精度を上げる方向のアップデートが続く。

出典: ElevenLabs Changelog

Suno、iMessageで直接AI作曲――友人とのチャットからそのまま曲づくり

音楽生成AIのSunoがiPhone向けアプリをアップデートし、iMessage上で直接30秒の楽曲を生成できる機能を追加した。チャットの「+」ボタンからSunoを開き、テキストや音声メモをプロンプトにしてジャンルを選ぶだけで曲が生成され、そのまま会話に送信できる。生成AIによる音楽アプリがiMessage拡張機能として組み込まれるのは同社が最初とされ、SNS投稿用ではなく「メッセージのやり取りの中で使う」という新しい導線を提示した形だ。

出典: Dataconomy

今週の生成メディアAIの流れ

サービス 領域 今週の動き
Veo 3.1(Google) 動画 Flowで無料開放、AI音楽・アバター追加
Firefly(Adobe) 動画・画像 他社モデル統合、ブラウザ版エディタ、4K化
Ray3.14(Luma AI) 動画 4倍速・3分の1コスト、HDR出力
Higgsfield 動画・画像 DaVinci Resolve/Photoshopプラグイン
ElevenLabs 音声 旧モデル廃止、Scribeリアルタイム強化
Suno 音楽 iMessage上でAI作曲機能を追加

主な情報源

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