Claude Codeに「ルーティン」という機能が加わった。プロンプトと対象リポジトリ、使うMCPコネクタを一度保存しておけば、あとはスケジュール・API呼び出し・GitHubイベントのいずれかをきっかけに、Anthropicのクラウド上で自動的にセッションが立ち上がる。ラップトップを閉じていても、就寝中でも動き続けるのが特徴だ。仕組みと作り方、そして自動実行ならではの注意点を整理する。

ルーティンとは何か
ルーティンは「保存済みのClaude Code設定」だ。プロンプト・対象リポジトリ(複数可)・使用するコネクタ・実行環境をひとまとめにして登録しておくと、トリガーが発火するたびに新しいセッションが自動生成される。実行はAnthropicが管理するクラウドインフラ上(または組織のセルフホスト環境)で行われるため、手元のマシンの状態に依存しない。
ルーティンはPro・Max・Team・Enterpriseの各プランで、Claude Code on the webが有効な場合に利用できる。作成・管理はclaude.ai/code/routines、Desktopアプリ、またはCLIの/scheduleコマンド(エイリアス/routines)から行える。2026年4月に登場したばかりで、現在は研究プレビュー段階の機能だ。
3種類のトリガー
1つのルーティンには、スケジュール・API・GitHubのトリガーを複数組み合わせて設定できる。たとえば「毎晩実行しつつ、デプロイスクリプトからも起動でき、新規PRにも反応する」といった構成も可能だ。
| トリガー | 発火条件 | 主な用途 |
|---|---|---|
| スケジュール | 毎時・毎日・平日・毎週などの周期、または指定した1回限りの日時 | 夜間のバックログ整理、週次のドキュメント差分チェックなど |
| API | ルーティン専用のURLにベアラートークン付きでPOSTリクエスト | 監視ツールのアラート、CI/CDパイプラインからの起動 |
| GitHub | pull_requestやreleaseなど、接続リポジトリでのイベント発生 | PRレビュー、マージ後のドキュメント更新、他言語SDKへの移植 |
スケジュールの最短間隔は1時間で、それより短い間隔のcron式は拒否される。GitHubトリガーを使うには、対象リポジトリにClaude GitHub Appのインストールが別途必要で、CLIのリポジトリアクセス設定コマンド/web-setupだけでは有効にならない点は見落としやすい。

作り方——CLIなら会話するだけ
もっとも手軽なのはCLIで/scheduleを打つ方法だ。引数なしで対話的に設定できるほか、次のように直接説明を渡すこともできる。
/schedule 毎朝9時にPRレビューを実行して
/schedule 2週間後にフィーチャーフラグを削除するクリーンアップPRを作って
後者のような「1回限り」の実行も指定でき、発火後は自動的に無効化される。Web UI(claude.ai/code/routines)から作る場合は、プロンプト・リポジトリ・実行環境・トリガー・コネクタをフォームで設定して「Create」を押すだけだ。APIトリガーのURLとトークンは、ルーティン保存後に発行される。
公式ドキュメントが強調しているのは「プロンプトを自己完結させること」だ。ルーティンは無人で実行されるため、「PRをレビューして」ではなく「/authモジュール宛のPRについて、SQLインジェクションと入力検証漏れを確認し、重大度付きでインラインコメントを残す。マージはしない」のように、やって良いこと・悪いことまで明記する必要がある。
ユースケース例
- バックログ整理——平日夜にIssueトラッカーを読み、ラベル付けと担当者アサインを行い、要約をSlackに投稿
- アラート対応——監視ツールがエラー閾値超過時にAPIを呼び出し、スタックトレースと直近のコミットを突き合わせて修正案のドラフトPRを作成
- PRレビュー——
pull_request.openedで起動し、チーム独自のレビュー基準でセキュリティ・パフォーマンス・スタイルの観点からインラインコメント - デプロイ後検証——CDパイプラインから起動し、スモークテストとログのリグレッションチェック結果をリリースチャンネルに通知
- ドキュメント追従——週次でマージ済みPRを走査し、変更されたAPIを参照している古いドキュメントに更新PRを作成
権限とセキュリティ面の注意点
ルーティンの実行には権限モードの選択も承認プロンプトもない。含めたコネクタの全ツール(書き込み含む)をClaudeが無条件で使えるため、「そのルーティンに本当に必要なリポジトリ・コネクタ・ネットワークアクセスだけ」に絞ることが推奨されている。既定の実行環境は「Trusted」ネットワークアクセスで、パッケージレジストリやクラウドAPIなど既定の許可リストにのみ到達できる。
APIトリガーのトークンはルーティンごとに発行され、表示は一度きり。再取得はできないため、シークレットマネージャーへの即時保管が必須だ。また、API経由で渡すtextフィールドは<routine-fire-payload>というタグで包まれ、「指示ではなく未検証データ」として扱われる。プロンプト側で明示的に参照しない限り、この内容に従って動作しない設計になっている。トークン漏えい時にも、それが直接の指示として実行されないようにする安全策だ。
GitHubへのプッシュも無制限ではない。保護ブランチ、他人がPRを開いているブランチ、自分以外がコミットしたブランチへのプッシュは拒否され、Claudeが作成するのは常にclaude/プレフィックス付きブランチになる。
似た機能との違い
| 機能 | 実行場所 | 用途 |
|---|---|---|
ルーティン(/schedule) |
Anthropicのクラウド | ラップトップに依存しない定期・イベント駆動の自動化 |
/loop |
開いているCLIセッション内 | セッションを維持したまま一定間隔でタスクを繰り返す |
| Desktopスケジュールタスク | 手元のマシン | ローカルファイルへのアクセスが必要な定期実行 |
いずれも「同じClaude Codeを定期実行する」という点は共通だが、実行場所とアクセスできる範囲が異なるため、ローカルファイルに触る必要があるかどうかで使い分けるとよさそうだ。
主な情報源
- Automate work with routines – Claude Code Docs
- Trigger a routine through the API – Claude Platform Docs
- Claude Code on the web – Docs
各ツールは提供元の規約に従ってご利用ください。情報は各情報源の公開時点のものです。収集・要約はAI、公開判断は人。