ロゴやアイコンそのものより、実務で地味に時間を食うのは「継ぎ目のない背景パターン」「そろったタッチのアイコンセット」「バナーやOGP画像用の質感テクスチャ」を量産する作業です。今回はMidjourney・Ideogram・Nano Banana Pro(Gemini 3 Pro Image)・Flux.2を使い分けて、UI・素材づくりの現場でそのまま使えるプロンプトの型を、なぜ効くかの分解つきで紹介します。

作例1:継ぎ目のない背景パターン(Midjourney –tile)
①狙い:Webサイトの背景やバナーの下地に使える、境界が分からない繰り返しパターン。Midjourneyには専用の--tileパラメータがあり、生成した1枚を並べたときに端がぴったり繋がるように最適化してくれます。
soft botanical line pattern, thin single-weight leaf and stem outlines, sage green on warm ivory background, evenly spaced repeating layout, minimal negative space, flat vector look, no shadows, no gradients --tile --ar 1:1 --v 6
③分解解説:
- –tile:端が繋がる繰り返し画像として生成させる指定。これがないと単発イラストとして構図が中央に寄ってしまい、タイル化したときに継ぎ目が目立ちます。
- thin single-weight leaf and stem outlines:線の太さを揃える指定。線幅がバラつくと並べたときにムラが見えるため、均一さを明示するのが実務では重要です。
- evenly spaced repeating layout:要素の密度を均等にする指定。密度が偏るとパターンとして繋げたときに「濃い帯」が生まれるので、事前に均等さを言葉で釘を刺します。
- no shadows, no gradients:陰影があるとタイルの境目で光源方向が矛盾しやすいため、背景素材用途ではフラット指定が定石です。
Midjourney公式ドキュメントも、生成されるのはあくまで1タイル分であり、実際の繰り返し具合はプレビュー機能やパターンチェッカーで確認する必要があると案内しています。
作例2:そろったタッチのUIアイコンセット(Ideogram / JSON構図指定)
①狙い:アプリのメニューに並べる複数アイコンを、線の太さ・角の丸み・カラーが統一された状態で一括生成する。Ideogram 4.0は内部的にJSON形式のキャプションで学習されており、構造化した指定を書くほど再現性が上がります。
{
"high_level_description": "a set of 4 minimal UI icons for a productivity app, same visual family",
"style": "flat line icon, 2px uniform stroke, rounded corners, no fill except accent dot",
"subjects": ["calendar", "checklist", "bell notification", "gear settings"],
"color_palette": ["#1F2937", "#3B82F6 accent only"],
"background": "transparent, single icon per canvas, centered, generous padding",
"negative": "no gradients, no drop shadow, no photorealism, no text labels"
}
③分解解説:
- same visual familyを冒頭で明言:4つのアイコンを別々に生成すると線幅や角丸が微妙にズレるため、「同じファミリーである」ことを最初に宣言してから個別のsubjectsを並べるのが崩れを防ぐコツです。
- 2px uniform stroke / rounded corners:数値と形容を両方書くことで、モデルが「だいたい細め」ではなく具体的な太さの基準を持てるようにします。
- accent dotのみに色指定を絞る:全体を有彩色にすると1色だけ浮いて見えるアイコンが出やすいので、差し色の役割を1箇所に限定しています。
- negativeを配列で明示:UI素材では特にドロップシャドウや写実表現が混入しやすいため、禁止事項を構造化して渡すと除去率が上がります。
Ideogramの公式ブログとドキュメントによれば、このJSON形式は自然文よりも構図・被写体・スタイルの独立制御に向いているとされています。
作例3:文字入りロゴマーク(Nano Banana Pro)
①狙い:サービス名の英字ロゴタイプを、崩れない正確なスペルで一発生成する。Nano Banana Pro(Gemini 3 Pro Image)は生成前に内容を「考える」処理を挟むため、長い文字列でもスペルミスが起きにくいのが特徴です。
Design a minimal wordmark logo that reads exactly "ORBITNOTE" in a custom geometric sans-serif, letters slightly condensed, one small orbit-ring icon replacing the dot above the "I", single color deep navy on white background, flat vector style, no extra text, no tagline
③分解解説:
- reads exactly “ORBITNOTE”:文字列を引用符で囲み「exactly」を添えることで、モデルに厳密な再現を優先させる合図になります。長い固有名詞ほどこの明示が効きます。
- one small orbit-ring icon replacing the dot above the “I”:装飾を無秩序に足すのではなく「どの文字のどの部分を置き換えるか」までピンポイントで指定し、ブランドモチーフを1箇所に限定しています。
- single color:ロゴは印刷やダークモード背景など単色運用が前提になることが多いため、あらかじめ単色指定をしておくと後工程の色分解が楽になります。
- no extra text, no tagline:文字精度が高いモデルほど、指定していない補足コピーまで律儀に描き込むことがあるため、明示的に禁止しておきます。
Googleのプロンプトガイドでも、正確なテキスト描画とブランド一貫性がGemini 3 Pro Imageの強みとして案内されています。
作例4:質感テクスチャ素材(Flux.2)
①狙い:バナーやカード型UIの背景に敷ける、写真的な質感のクローズアップ素材。Flux.2は自然文プロンプトとの相性が良く、光源と素材感を具体的に書くほど質感の説得力が上がります。
extreme close-up of brushed aluminum surface with fine circular polishing marks, soft diffused studio light from upper left, subtle warm highlight along the top edge, shallow depth of field, muted gray-blue color grade, no visible objects, background texture only, 16:9
③分解解説:
- fine circular polishing marks:素材名だけでなく加工痕まで書くことで、のっぺりしたCG的な質感になるのを防ぎます。
- soft diffused studio light from upper left:光源の種類・方向をセットで書くのが定石で、方向を省くと陰影の向きが不自然になりやすいです。
- background texture only:被写体を置かず素材そのものが主役であることを宣言し、余計なモチーフの混入を防ぎます。
- muted gray-blue color grade:サイトのトーンに合わせた色調補正の方向性を先に指定しておくと、後工程の色調整が減ります。
Flux.2のプロンプトガイドでは、光源・カメラ・質感の描写を最低2つ組み合わせることが推奨されています。
用途別・パラメータ早見表
| 用途 | おすすめツール | キー指定 | アスペクト比の目安 |
|---|---|---|---|
| 継ぎ目のない背景パターン | Midjourney | --tile、線幅・密度の均一指定 |
1:1(正方形タイル) |
| UIアイコンセット | Ideogram / Recraft | JSON構図指定、stroke幅の数値化、negativeで陰影禁止 | 1:1、背景transparent |
| 文字入りロゴ・ワードマーク | Nano Banana Pro | 引用符での文字列指定、単色・no taglineの明示 | 1:1 または 3:2 |
| 質感テクスチャ・バナー背景 | Flux.2 | 光源方向+素材の加工痕、color gradeの明示 | 16:9(バナー) |
主な情報源
- Midjourney公式ドキュメント「Tile」
- Ideogram公式ブログ「Ideogram 4.0」
- Ideogram公式ドキュメント
- Google Cloud Blog「Ultimate prompting guide for Nano Banana」
- Google AI「Gemini API 画像生成ドキュメント」
- fal.ai「Flux.2 [MAX] Prompt Guide」
- Recraft公式ブログ「Practical Prompt Engineering」
サンプルプロンプトは本メディアのオリジナル例です。各モデル・サービスは提供元の規約に従ってご利用ください。生成物の権利・商用条件は各規約をご確認ください。情報は公開時点のもの。収集・要約はAI、公開判断は人。