キャラ固定とスタイル継承の作例集:Midjourney cref・Nano Banana Pro・Ideogram・Klingで「同じキャラ」を維持するプロンプト実践

一貫性・参照画像 のアイキャッチ

「せっかく気に入ったキャラや画風ができたのに、次のカットでは別人になってしまう」——画像・動画生成でいちばん多い悩みが一貫性の崩れだ。今日は、キャラを固定する参照画像機能・スタイルを継承する仕組み・そしてseed(乱数シード)という3つのレイヤーを、実際にコピペで試せるプロンプトとともに整理する。

AI画像・動画生成でキャラクターの一貫性を保つイメージイラスト

一貫性はなぜ崩れるのか——seedだけでは足りない理由

多くの人が最初に頼るのはseed(乱数シード)の固定だ。同じseedを使えば同じノイズの初期状態から生成が始まるため、プロンプトを少しだけ変えたときに構図や質感が近くなりやすい。ただしMidjourneyの公式ドキュメントも明記している通り、seedはあくまで「近似的な再現」であり、プロンプト文やモデルバージョンが変わると結果は大きくずれる。キャラの顔や服のディテールまで固定したいなら、seedとは別に「参照画像でアイデンティティを渡す」仕組みが必要になる。これが各社が競って実装しているCharacter Reference(キャラ参照)やStyle Reference(スタイル参照)系の機能だ。

作例①:Midjourney –cref / –cw でキャラの顔と服を固定する

狙い:ファンタジー系のショップ店主キャラを、異なるシーンでも同じ顔・髪型・衣装のまま描き分ける。

a young alchemist with copper-braided hair, round brass goggles pushed up on her forehead, wearing a moss-green apron over a cream blouse, standing behind a cluttered shop counter lined with glowing vials, warm lantern light, painterly fantasy illustration --cref [参照画像URL] --cw 80 --ar 4:5 --v 7

効いている要素

  • –cref [URL]……Midjourney公式の説明によれば、髪色・服・顔つきといった特徴を参照画像から読み取り、新しいシーンに引き継ぐパラメータ。V7では内部的に「Omni Reference」という仕組みに統合されているが、呼び出し方は同じ–crefでよい。
  • –cw 80……character weightの値。0に近いほど顔だけを緩く参照し、100に近いほど服装・ポーズまで強く固定する「強度ダイヤル」。シーンごとに服を変えたい場合は–cw 30〜50程度に下げるとよい。
  • プロンプト冒頭にキャラ描写を集約……身体的特徴・衣装をひとまとまりの文として先頭に置くことで、–crefで渡した画像の特徴とテキストの記述が競合しにくくなる。

作例②:Nano Banana Pro(Gemini API)で複数参照画像から同一キャラを保つ

狙い:マスコット的なキャラクターの正面・側面の参照画像2枚を渡し、新しいポーズ・背景でも同一個体として描く。

Using the two reference images of the same red panda mascot character (front view and side view), place the mascot sitting on a wooden library desk reading a small picture book. Warm afternoon window light, shallow depth of field. Keep the exact fur pattern, ear shape, and green knitted scarf from the references unchanged. Photorealistic plush-toy texture, square crop.

効いている要素

  • 参照画像を複数枚・複数アングルで渡す……Gemini APIの画像生成ガイドが示すように、Nano Banana / Nano Banana Proは自然文+画像入力の「会話的編集」モデルなので、正面と側面の2枚を与えると立体的な特徴を保持しやすい。
  • “Keep X unchanged”という明示的な指示……パラメータで強度を指定する仕組みではないため、「何を変えないか」を文章で言い切ることが最大のレバーになる。曖昧な形容詞よりも、毛柄・耳の形・スカーフの色といった具体名詞を挙げるほど再現度が上がる。
  • シーン記述は変えたい部分だけに絞る……固定したい特徴と変えたい要素(ポーズ・背景・光)を明確に分けて書くと、モデルが「差分」だけを描き変えやすくなる。

作例③:Ideogram Character——1枚の参照写真だけでキャラを量産する

狙い:Ideogram Character機能で1枚の参照画像をアップロードし、ビジネスカット・パーティーカットなど複数シーンの同一人物カットを作る。

the same person seated at a minimalist wooden desk in a sunlit co-working space, wearing a sage-green knit sweater, holding a ceramic mug with both hands, soft morning window light from the left, shallow depth of field, editorial portrait photography

効いている要素

  • 顔の特徴は書かない……Ideogramの公式ドキュメントが説明する通り、Character機能は参照画像から顔・髪型を自動で紐づけるため、プロンプト側で顔の特徴を書き足すと逆に矛盾が起きやすい。テキストは「シーン・衣装・光・カメラ距離」に専念させる。
  • “the same person”という一言……参照が正しく適用されていることをモデルに再確認させる軽いアンカーとして機能する。
  • 光の方向まで指定……”soft morning window light from the left”のように光源の方向を書くと、顔の同一性を保ったまま雰囲気だけを変えられる。

作例④:image-to-videoでキャラを動かす——Kling Subject Binding + Runway References

狙い:作例①で固定したアルケミストのキャラ画像を起点に、静止画のアイデンティティを保ったまま短い動画へ拡張する。

The bound character walks slowly from the counter toward a shelf of glowing potion bottles. Camera dollies right and slightly rises as she reaches up with one hand. Gentle steam drifts from a cauldron in the foreground. Warm firelight flickers across the shelves. 5 seconds, shallow depth of field, cinematic.

効いている要素

  • キャラ描写を再度書かない……Kling公式ブログが解説する“Subject Binding”は、参照画像から抽出した「ビジュアルDNA」を複数カットにわたって固定する機能。すでに識別情報を画像側で渡しているため、動画プロンプトでは容姿を再記述せず、カメラワークとモーションだけを書くのが鉄則——書き足すほど、テキストと参照のせめぎ合いで顔が揺れやすくなる。
  • カメラ用語で動きを具体化……”dollies right”のようなカメラワーク語彙は、RunwayのReferencesガイドでも推奨されている通り、被写体参照とは独立してモーションだけを制御する言葉として機能する。
  • 尺を明記……”5 seconds”のように長さを書いておくと、モデルが動きの配分(歩く→手を伸ばす)を尺に収めやすくなる。

作例⑤:スタイルを継承する——Midjourney –sref とSeedreamの複数参照

狙い:キャラではなく「画風・色調」だけをシリーズ全体で継承する。夜の東京の路地シリーズを想定。

a rainy Tokyo backstreet at night, neon signage reflecting on wet asphalt, a lone figure holding an umbrella walking away from camera, muted teal-and-magenta cinematic color grade --sref [スタイル参照画像URL] --sw 250 --seed 48213 --ar 3:2 --v 7

効いている要素

  • –sref / –sw……Midjourney公式のStyle Reference解説によれば、–srefは被写体ではなく色調・筆致・レンダリング手法だけを参照元から引き継ぐパラメータ。–sw(style weight)を上げるほど元の画風に強く寄る。
  • –seed併用……画風は–srefで、構図の再現性はseedで、と役割を分けて重ねることで「シリーズ物」として並べたときの統一感が出やすい。
  • 複数参照画像で主題を認識するタイプ……ByteDance Seedream 4.5の公式ページが示すように、Seedream系は複数の参照画像を渡すと各画像の主題を個別に認識して合成に反映する設計になっており、Midjourneyのcref/srefのようなパラメータ操作ではなく「参照画像の枚数と説明文」で制御する発想に近い。

パラメータ・機能の使い分け早見表

ツール 機能名 固定できるもの 制御方法
Midjourney –cref / –cw 顔・髪型・衣装(キャラ) パラメータ+強度値
Midjourney –sref / –sw 色調・筆致・画風 パラメータ+強度値
Midjourney –seed 構図・ノイズ初期値(近似) 数値固定
Ideogram Character 人物の顔・髪型(1枚参照) UIで参照を登録
Nano Banana / Nano Banana Pro 複数画像入力+自然文編集 指定した特徴全般 「変えない部分」を文章で明示
Seedream マルチイメージ参照 複数主題の合成・継承 参照枚数+説明文
Kling Subject Binding キャラの視覚的アイデンティティ(動画カット間) 参照画像をバインド
Runway(Gen-4) References(Subject/Scene/Style) 被写体・場面・画風を個別指定 参照画像を種類別にタグ付け

主な情報源

サンプルプロンプトは本メディアのオリジナル例です。各モデル・サービスは提供元の規約に従ってご利用ください。生成物の権利・商用条件は各規約をご確認ください。情報は公開時点のもの。収集・要約はAI、公開判断は人。