Claude/Anthropicを除く主要プレイヤーが、9月に入って立て続けに動いた一週間。xAIは次期モデル「Grok 4.7」の投入を予告し、MetaはコーディングAIを刷新、Perplexityは自社の推論エンジンをオープンソース化した。あわせてMicrosoft CopilotとAmazon Bedrockの実務寄りのアップデートも押さえておきたい。

xAI:「Grok 4.7」を10日後に予告、SpaceXの技術データで追加学習
イーロン・マスク氏は9月2日、xAIの次期フラッグシップモデル「Grok 4.7」を「10日後」に投入すると予告した。実現すれば9月12日前後のリリースとなる見込みだ。Grok 4.7はGrok 4.6(1.5兆パラメータ)から約40%規模を拡大した約2.1兆パラメータとされ、当初は8月下旬に投入予定だったが、SpaceXのロケット開発記録やStarlinkの衛星テレメトリ、社内エンジニアリング文書など大量の技術データを追加学習させるためにスケジュールが後ろ倒しになっていた。マスク氏は「現実世界のエンジニアリング」に強いモデルを目指すとしており、ベンチマークやAPI価格はまだ未公表。9月12日という日付はあくまで目標であり、これまでの同社の発表同様に前後する可能性がある点には注意したい。
出典: Yahoo Tech
Meta:コーディング・エージェント特化の新モデル「Muse Spark 1.3」を投入
Metaは9月2日、Muse CodeおよびMeta Model APIを通じて新モデル「Muse Spark 1.3」を公開した。コーディングとエージェントタスクでの性能向上を主眼とし、複数のワークフローを長時間にわたって並行してこなす「長期タスクの持続力」を強化したという。公式発表によれば、コーディングベンチマークDeepSWE 1.1でGPT-5.6やOpus 5を上回るスコアを記録したとされる(各社ともベンチマークの選び方には偏りがある点は留意)。不可逆な操作の前に確認を挟むなど、安全性面の作り込みも謳われている。「max reasoning」モードは追加の安全性テスト後に順次提供予定。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 提供元 | Meta Superintelligence Labs |
| 提供経路 | Muse Code、Meta Model API |
| 注力領域 | コーディング、長時間エージェントワークフロー |
| 公開日 | 2026年9月2日 |
出典: Meta AI Research

Perplexity:Apple Silicon向け推論エンジン「Lily」をオープンソース化
Perplexityは、Macアプリの「Hybrid Compute」機能を支えるローカル推論エンジン「Lily」をオープンソースで公開した。Rust製ランタイムとMetal独自カーネルで構成され、PyTorchやMLXに依存せず、AlibabaのQwen3.6-35B-A3Bモデルに特化して最適化されている点が特徴。同社の計測では、M5 Max搭載MacBook Proにおいてプロンプト処理が23%、トークン生成が35%、AppleのMLX-LMより高速だったという(自社計測のため独立検証待ち)。コードはGitHub(pplx-garden)で公開されている。エージェント機能をクラウドとローカルで使い分ける「ハイブリッドコンピュート」構想の一環で、ローカル処理がボトルネックにならないよう専用設計した意図がうかがえる。
出典: Perplexity Blog
Microsoft:Copilotに「Planner連携」「マルチモーダル取り込み」「個人スキル」を追加
Microsoft 365 Copilotの8〜9月アップデートでは実務寄りの機能強化が相次いだ。Planner Agentの統合でCopilotからPlannerタスクの作成・照会が可能になり(9月ロールアウト)、AndroidのCopilot Notebooksでは会議や雑談の音声・画像・メモをまとめて取り込み、Copilotが自動で構造化ノートを生成する「マルチモーダルキャプチャ」が9月に展開される(iOS/iPad版OneNoteでも利用可)。さらにSharePoint上で個人用の「スキル」を作成し、OneDrive上のMarkdownファイルとして保存・サイト横断で再利用できる機能もプレビュー中だ。あわせて、Copilotアプリの名称・アイコンが簡素化され、Webアプリのドメインも copilot.cloud.microsoft へ移行している。
Amazon:「AWS Agent Registry」が一般提供開始、エージェントのガバナンスを一元化
AWSは8月31日、Amazon Bedrock AgentCoreを通じて提供する「AWS Agent Registry」を一般提供(GA)した。組織内のAIエージェント・ツール・スキルを一元的に登録・検索・ガバナンスできるカタログサービスで、オープンな「Agentic Resource Discovery(ARD)」標準に対応し、環境をまたいだ発見性を確保する。管理者がエンドポイント検出を有効化すると、AgentCore RuntimeやGatewayで稼働中の未登録エージェント(いわゆる「シャドーAI」)を自動検出し、レビュー・承認フローに乗せられる点も特徴。料金は従量課金制で、毎月の無料枠も用意される。Informatica、Check Pointなどのパートナー連携も発表された。
出典: Unite.AI
主な情報源
- Yahoo Tech: Elon Musk Says Grok 4.7 Lands in 10 Days
- Meta AI Research: Introducing Muse Spark 1.3
- Perplexity: Optimizing On-Device Inference for Apple Silicon
- Microsoft Tech Community: What’s New in Microsoft Copilot | August 2026
- Unite.AI: AWS Agent Registry Reaches General Availability
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