DeepSeek V4-Pro正式版・Qwen3.8-Max登場、Ollama/llama.cppも機能強化——2026年8月〜9月のオープンソースLLM最前線

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2026年8月下旬から9月初頭にかけて、オープンウェイトLLMの世界では新モデルの投入よりも「地に足の着いた機能強化」が目立った。DeepSeekはV4-Proを正式提供に切り替え、AlibabaはQwenシリーズに新しいMaxモデルを追加。一方でOllama・llama.cpp・LM Studioといったローカル実行ツール群は、KV-cacheの再開性能や複数GPU対応など、実運用で効いてくる細かな改善を積み重ねている。

オープンソースLLMのイメージイラスト

DeepSeek V4-Proが正式提供へ、V4-FlashはMITライセンスで公開継続

DeepSeekは4月からプレビュー提供していた「V4-Pro」を8月13日に正式版として一般提供を開始した。チェックポイント名はV4-Pro-0813で、ツール利用・コード実行・複数ステップの自律タスクといったエージェント系能力の底上げに重点を置いたチューニングが施されている。オープンウェイトで先行公開されていた「V4-Flash」(7月31日公開)と合わせ、DeepSeekは合計1.6兆パラメータ・アクティブ490億パラメータのMixture-of-Expertsアーキテクチャ、最大100万トークンのコンテキスト長という構成を維持しつつ、用途に応じてProとFlashを使い分けられる体制を整えた形だ。

モデル 公開時期 ライセンス/提供形態 特徴
V4-Flash 2026年7月31日 オープンウェイト Terminal Bench等のエージェント系ベンチマークでV4-Pro-Preview相当のスコア
V4-Pro (V4-Pro-0813) 2026年8月13日 GA アプリ/Web/API提供 ツール利用・コード実行など自律タスクのチューニングを強化

出典: DeepSeek API Docs Change Log

Qwen3.8-Max-0902が登場

AlibabaのQwenシリーズには9月2日付で新しい大型モデル「Qwen3.8-Max-0902」が加わった。8月下旬に話題になった軽量モデル「Qwen3.8-Flash-Next」のオープンソース化・ライセンス変更騒動とは別系統の、上位クラスのMaxモデルの追加であり、Qwenが軽量モデルと大型モデルの両輪で頻繁にアップデートを重ねている状況がうかがえる。ベンチマーク詳細や提供形態については今後の続報が待たれる。

出典: Qwen Chat

ローカル実行環境: Ollamaとllama.cppが地道な機能強化

ローカルLLM実行ツールの定番Ollamaは、v0.33系で立て続けに更新を重ねた。

  • v0.33.0(8月21日): Claude Desktopをサードパーティ製ゲートウェイとして構成できるようにしたほか、KV-cacheのプレフィル再開ポイントの信頼性を向上。長いプレフィル処理を途中でキャンセルしても、最初からやり直さず再開できるようになった。
  • v0.33.1(8月26日): MLXでのQwen3.8 Flash Next対応、構造化出力、低速ストレージ環境でのGPUタイムアウト修正を追加。
  • v0.33.2(8月27日): macOSアプリがシステムのダーク/ライト設定に追従するよう修正、二重起動を防止するハンドオフ処理を修正。

一方、GGUF形式でCPU/Mac/組み込み環境でのローカル推論を支えるllama.cppも、8月25日に番号付きの「v0.3.0」を初めて公式の最新リリースとしてタグ付けするなど体制を整えつつ、8月27日には--video-*系のCLIオプションを追加するコミットが入るなど、9月に入ってもほぼ毎日の更新ペースを維持している。

GPUサーバークラスターの写真
Photo: ChrisDag / CC BY 2.0(Openverse経由)

LM Studio、リモート接続とマルチGPU対応を拡充

LM Studioは今年に入って周辺機能の拡充が続いている。3月に追加された「LM Link」は、暗号化されたTailscaleトンネル経由でリモートのLM Studioインスタンスに接続できる機能で、チーム利用を意識した設計だ。直近のv0.4.15ではCUDA向けのマルチGPUテンソル並列に対応し、複数GPUを束ねた推論が可能になった。6月にはLM Link経由でスマートフォンから手元の大型モデルを操作できるiPhone/iPadアプリ「Locally」も登場している。またLinuxサーバーやCI環境にワンコマンドで導入できるヘッドレスサーバーモード「llmster」も提供されており、デスクトップアプリからサーバー用途まで守備範囲を広げている。

出典: LM Studio

Mistralは推論・検索まわりの周辺機能を強化

Mistral AIは新しい主力言語モデルの投入こそ控えているものの、実運用を支えるツール群を拡充した。ドキュメントを高精度・低トークンで探索できる新しい検索レイヤー「Agentic Search」を発表し、Search ToolkitやLibrary経由で利用できるようにしたほか、OCR機能の最新版「Mistral OCR 4.1」を一般提供した。あわせて数学的証明支援向けのLean 4モデル「Leanstral 1.5」も更新しており(9月30日で提供終了予定)、モデル単体の性能競争だけでなく周辺のツールチェーン強化に軸足を置いていることがうかがえる。

出典: Mistral Docs Changelog


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