CorelDRAWにテキストtoベクターAI、PhotoshopにFirefly統合編集――2026年9月のデザイン系AIツール最新事情

デザインAIツール のアイキャッチ

老舗のベクターグラフィックソフトにテキスト生成AIが入り、写真編集ソフトの中でAIムードボードが動く――2026年9月は「使い慣れたデザインソフトの中にAIが染み出す」動きが目立ちました。今回は新機能が発表されたばかりのCorelDRAW、Adobe Photoshop/Firefly、そして統合クリエイティブプラットフォームへ進化したMagnific(旧Freepik)、アイコン特化AIのIconly Proの4本を取り上げます。

生成AIとデザインツールのイメージイラスト

CorelDRAW Graphics Suite 2026年9月更新――「テキストtoベクターAI」を搭載

CorelDRAWを開発する Corel は2026年9月15日、CorelDRAW Graphics Suite の大型アップデートを発表しました。目玉は「Text-to-vector AI」で、プロンプトや既存のアートワークから、そのまま編集できるスケーラブルなベクター画像を生成します。生成結果はドキュメントのカラーモードを自動で継承し、生成後も通常のベクターツールでそのまま調整できるのが特徴です。

  • Text-to-vector AI:ラインアート・コミック風・アイコン・手描き風・フラットイラスト・パステル等のスタイルから選択して生成
  • PowerTRACE の強化:クライアント支給のビットマップ素材をよりきれいにベクター変換
  • CorelDRAW Web:カスタムフォントのアップロード、DWG/DXF形式でのエクスポートに対応

2026年9月15日〜22日は「AI Unlock Week」として、Vector Craft / Vector Master モデルによる生成が無制限・無料になるキャンペーンも実施中です。詳細はCorelDRAW公式ブログで確認できます。

Photoshopに「AI Assisted Editor」、Firefly Boardsでムードボードも共同編集

Adobe Photoshopは直近のアップデートで、FireflyのクリエイティブツールをPhotoshopの中から直接呼び出せる「AI Assisted Editor(ベータ版)」を追加しました。あわせて Generative Fill / Generative Expand で選べるFireflyモデルが更新され、より意図に近い結果を得やすくなっています。オブジェクト削除ツールの精度向上や、露出・コントラストを非破壊で調整できる新しい光量調整レイヤーも追加されました。

コラボレーション面では「Firefly Boards」が引き続き強化されており、PhotoshopのPSD/PSDCファイルをそのままFirefly Boardsに送ってムードボード的にチーム共有・発展させるワークフローが可能です。ブランドの配色・フォント・ロゴ・レイアウトを学習してオンブランドな量産デザインを作る「Firefly Design Intelligence」も、Illustratorとの連携を軸に対応範囲を広げています。詳細はPhotoshopの新機能ページを参照してください。

カラフルなアイコンセットのイメージ
Photo: webtreats / CC BY 2.0, Openverse経由

FreepikはAIクリエイティブ統合プラットフォーム「Magnific」に

素材サイトとして知られたFreepikは、2026年4月にMagnificとしてブランドを一本化しています。アカウントやプランはそのまま引き継がれ、2.5億点超のストック素材と、画像・動画・音声の生成AIモデル、モックアップ生成、アップスケーラー、ベクター変換、アイコン生成までを1つのプラットフォームに集約。ノードベースの作業空間「Spaces」では、複数のAIツールをつないで一連の制作フローを組み立てられます。Web制作会社やデザインチームが「画像だけ」でなく素材収集からモックアップ確認までをワンストップで済ませたい場合の選択肢として、引き続き存在感を増しています。

アイコン・ベクター特化の「Iconly Pro」――デザインシステムを支える5つのAIツール

汎用の画像生成AIでアイコンを作ると背景除去や線の統一に手間がかかりがちですが、Iconly Proはアイコン制作に特化したAIプラットフォームです。ライン・ソリッド・アウトライン・ピクセル・アイソメトリックの5スタイルでアイコンを生成でき、再着色・線の太さ調整・背景除去などの編集ツールをセットで提供。SVGを扱う「Vector Studio」、SNS用画像を作る「Social Graphics」、レスポンシブなHTMLメールを組み立てる「Email Builder」、ブランドカラー・ロゴを統一する「Brand Studio」まで、5つのツールを1つのサブスクリプションでカバーします。

ベクターSVG出力に強いRecraftや、イラスト表現に強いMidjourneyと比べると、Iconlyは「アイコンという成果物」に振り切っている点が特徴。CDN配信やREST APIも備えており、Web制作の実装フェーズまで踏み込みやすいツールです。

ツール比較まとめ

ツール 主な用途 特徴
CorelDRAW(Text-to-vector AI) ベクターイラスト生成 プロンプト/既存アートワークから編集可能なSVG的ベクターを生成、PowerTRACE併用
Photoshop AI Assisted Editor 写真・画像編集 Fireflyツールをアプリ内で直接利用、Firefly Boardsでムードボード共有
Magnific(旧Freepik) 素材収集〜生成の統合 ストック素材とAI生成・編集・モックアップをSpacesでノード接続
Iconly Pro アイコン・ベクター・ブランド素材 5スタイルのアイコン生成+Vector Studio・Brand Studio等をワンセット

主な情報源

各ツール・サービスは提供元の規約に従ってご利用ください。情報は各情報源の公開時点のものです。収集・要約はAI、公開判断は人。