Cursorの指示は3か所に分ける:Rules・AGENTS.md・Skillsの使い分け

Cursor・開発ツール のアイキャッチ

Cursorのエージェントに「毎回同じ説明」をさせていないだろうか。プロジェクトルール、AGENTS.md、Agent Skillsの3つを使い分けると、指示の書き直しが減り、エージェントの出力が安定する。それぞれの役割と置き場所、つまずきやすい点を整理する。

AIエージェントと開発ツールのイラスト

なぜ「指示の置き場所」が重要なのか

大規模言語モデルは、リクエストをまたいで記憶を持たない。そのためCursorでは、毎回のプロンプトの先頭に永続的な指示を差し込む仕組みが用意されている。公式ドキュメントでは、ルールを「Agentへのシステムレベルの指示」と位置づけている。

コードが映る画面を見つめるプログラマー
Photo: qubodup / CC BY 2.0(Openverse経由)

ルールの4種類

Cursorのルールは次の4種類に分かれる。

種類 置き場所・範囲 向いている用途
Project Rules .cursor/rules(Git管理、リポジトリ単位) コーディング規約、ディレクトリ構成
User Rules Cursor環境全体(個人設定) 返答言語、口調などの個人の好み
Team Rules ダッシュボードで管理(Team/Enterpriseプラン) チーム共通の方針
AGENTS.md リポジトリ内のMarkdown .cursor/rulesより手軽な代替

.mdcの落とし穴

Project Rulesは.mdc拡張子のファイルで書く。公式によると、.cursor/rulesに置いた素の.mdはfrontmatter(description、globs、alwaysApply)がないため無視される。「書いたのに効かない」ときは、まず拡張子を疑うとよい。素のMarkdownで済ませたいなら、AGENTS.mdを使う。

.cursor/rules/
  react-patterns.mdc   # 認識される
  api-guidelines.md    # 無視される(拡張子が違う)
  frontend/
    components.mdc     # フォルダで整理できる

Agent Skills:必要なときだけ読み込む手順書

Agent Skillsは、PRレビュー、リリースノート作成、アクセシビリティ確認のような「特定のタスク用の手順」をまとめた小さなパッケージだ。中心はSKILL.mdで、必要に応じて次のディレクトリを添える。

ディレクトリ 役割
scripts/ エージェントが実行できるコード
references/ 必要時に読み込む追加ドキュメント
assets/ テンプレートや画像などの静的リソース

詳細資料を別ファイルに逃がすと、エージェントは必要なときだけ読み込むので、コンテキストを節約できる。プロジェクト用のスキルは.cursor/skillsに置いてリポジトリで共有できる。なお、同じSKILL.md形式は他のエージェントツールでも使われ、Claude Codeなどと共通化しやすい。

Cursorには、ルールやスキルを作るための組み込みスキルもある。たとえば/create-rule、/create-skill、/create-hook、/create-subagentで、ひな形を対話的に作れる。

使い分けの目安

  1. 常に守らせたい短い方針は、Project RulesかAGENTS.mdに書く。
  2. たまにしか使わない長い手順は、スキルにする。
  3. 同じ指示をルールとスキルの両方に書かない。重複や矛盾は出力のぶれの原因になる。
  4. ルールは短く保ち、詳細はスキルに任せる。
  5. 共有する指示はGitに入れ、レビューしてからチームに配る。

よくある失敗

  • SKILL.mdにスタイルガイド全文を貼る:長く構造のない指示は、短い番号付き手順より守られにくい。背景情報はreferencesに分ける。
  • ルールを書いただけで安心する:ルールは指示であり、操作を強制的にブロックするものではない。厳格に守らせたい操作は、フックやサンドボックスなど別の仕組みで制御する。
  • ツール間の互換を過信する:ファイル名、読み込み経路、優先順位はツールごとに違う。.cursorrulesやCLAUDE.mdをAGENTS.mdへ統合するときは、使うツールの公式ドキュメントで動作を確認する。
  • 最初から書き込みすぎる:短いファイルから始め、実際に効いていると確認できたものだけ足す。

最近のCursorの動き

公式のチェンジログには、コーディネーターエージェントがSlackチャンネルの監視、スケジュール実行、PRの追跡を行う「Subscriptions」や、クラウドエージェントの環境をブラウザへポートフォワードしてプレビューする機能、Vercel連携の公開機能が載っている。指示の整備は、こうした自律的に動くエージェントを任せる前提としても効いてくる。

まとめ

まず、いつも守らせたいことを.cursor/rulesかAGENTS.mdに数行で書き、繰り返す作業が出たらスキルに切り出す。この順で進めれば、エージェントへの説明コストを段階的に減らせる。


主な情報源

各ツールは提供元の規約に従ってご利用ください。情報は各情報源の公開時点のものです。収集・要約はAI、公開判断は人。