Meta「Muse」エージェント始動、xAI「Grok Bot」法人展開、Amazon Nova旧世代終了——2026年9月中旬フロンティアAI各社動向

Grok・Copilot 他 のアイキャッチ

2026年9月上旬から中旬にかけて、xAI・Meta・Microsoft・Amazon・Perplexityがそれぞれ「エージェント」路線を加速させた。Metaは個人向け自律エージェント「Muse」を米国で本格公開し、xAIは「Grok Bot」を企業向けに拡大。Microsoftはバラバラだった2つのCopilotアプリの統合に着手し、AmazonはNovaの旧世代モデルを整理して次世代へ移行、Perplexityは検索エンジンからマルチモデル・エージェント基盤への脱皮を続けている。

AIエージェントのイメージイラスト

Meta「Muse」、パーソナルAIエージェントとして米国で正式始動

Metaは9月8日、個人の雑務を代行する自律型AIエージェント「Muse」を米国ユーザー向けに公開した。オンラインショッピングや映画チケットの予約、テニスレッスンの日程調整、子どもの遠足の許可書への記入代行など、生活まわりのタスクをこなすのが特徴。チャット形式のインターフェースを持ちつつ、メール・カレンダー・決済・スマートホーム・飲食予約・音楽・イベントなど各種サービスと連携し、Meta のクラウド上の専用仮想マシンでブラウザを操作しながら処理を進める。ユーザーはエージェントに名前やアバターを設定し、話し方までカスタマイズできる。料金は無料プランに加え、月20ドル・月100ドルの有料プランを用意する。

出典: Axios、Bloomberg

xAI「Grok Bot」、企業向けに展開拡大——Cursor基盤の自律ワーカー

xAIは8月にベータ公開した自律エージェント「Grok Bot」を、アクセス権限・ネットワーク制御・監査ログなどエンタープライズ向けの管理機能とともに企業展開へ広げた。Cursorのクラウド環境を基盤とし、ユーザーが一度操作を見せるとそれを「ルーチン」として記録し、以降は自動で反復実行する仕組みが特徴。営業チームが夜間に新規リード探索とメール下書きを任せたり、経理チームが受信箱からの領収書回収を自動化したりする用途が想定されている。Grok・Cursor Enterprise顧客には2週間の無料トライアルが提供される。あわせて、Grok 4.6がMicrosoft Foundryにも追加され、50万トークンのコンテキスト長と長時間稼働エージェント向けの機能を備える。なお、イーロン・マスク氏が予告する次期モデル「Grok 4.7」(9月12日目標、2.1兆パラメータとされる)は、本稿執筆時点でxAIからの公式発表はなく、マスク氏個人の発言にとどまる点には注意したい。

出典: Reworked、xAI Docs

Microsoft、CopilotとMicrosoft 365 Copilotのアプリ統合に着手

Microsoft Copilotと業務向けのMicrosoft 365 Copilotは、これまで別アプリとして提供されてきたが、Microsoftは両者をブランド・アプリともに統合する方針を明らかにした。Windows・macOS向けの統合アプリのロールアウトは9月中旬に開始予定。個人向けCopilotでもAndroid版で会議や雑談、ブレインストーミングの音声・画像・メモを取り込み、自動的に「Copilot Notebooks」として構造化する「マルチモーダルキャプチャ」機能が9月中に展開される。業務向けでは、業務データ基盤Dataverseに対して自然言語で質問できる機能が9月にGA(一般提供)となる。

出典: Microsoft Community Hub

データセンターのサーバーラック
Photo: bugeaters / CC BY 2.0(Openverse経由)

Amazon Nova、旧世代モデルが順次EOLへ——Nova 2世代に一本化

Amazon Bedrock上のNovaファミリーで、旧世代モデルの整理が進んでいる。会話型音声モデルのNova SonicとハイエンドモデルのNova Premierは3月にレガシー入りしており、9月14日にEOL(提供終了)を迎える。画像生成のNova Canvasと動画生成のNova Reelも9月30日でEOLとなる。レガシー化したモデルは新規顧客が利用できず、既存顧客も15日間利用がないとアクセスを失うなど制限が段階的に強まる。AmazonはNova 2世代(Lite・Sonic・Multimodal Embeddingsなど)への一本化を進めており、フロンティアモデル開発に経営資源を集中させる姿勢がうかがえる。

モデル 用途 レガシー入り EOL(提供終了)
Nova Premier 高性能テキスト/マルチモーダル 2026年3月13日 2026年9月14日
Nova Sonic(初代) リアルタイム音声対話 2026年3月13日 2026年9月14日
Nova Canvas 画像生成 – 2026年9月30日
Nova Reel 動画生成 – 2026年9月30日

出典: eWeek、AWS公式ドキュメント

Perplexity、Grok 4.6追加とサブエージェントのモデル刷新

Perplexityは、Pro・Maxサブスクライバー向けにxAIの「Grok 4.6」を選択可能なモデルラインナップへ追加した。あわせて、ブラウザ操作エージェント「Perplexity Computer」のサブエージェントの新デフォルトを「GPT-5.6 Terra」に切り替え、スケジュール実行される自動化タスク(Automations)は「GPT-5.6 Luna」が担当する体制へ移行した。2月に導入した、1つの質問に対し複数モデルの回答を並べて比較できる「Model Council」機能と合わせ、単一の検索エンジンから複数モデル・複数エージェントを使い分ける基盤への転換が進んでいる。

出典: Perplexity Changelog(aitoolsatlas)

各社の自律型AIエージェント、現状を比較

製品 提供元 主な用途 料金の目安 状況
Muse Meta 個人の雑務代行(予約・買い物・書類作成) 無料/月20〜100ドル 米国で一般公開(9月8日〜)
Grok Bot xAI(Cursor基盤) 業務ルーチンの自動反復実行 SuperGrok Heavy等に付随 企業向けに展開拡大中
Copilot(統合後) Microsoft 個人利用〜業務データ連携 既存Copilotプランに準拠 Windows/macOS統合アプリを9月中旬より順次展開
Perplexity Computer Perplexity ブラウザ操作・スケジュール自動化 Pro/Maxに付随 サブエージェントのモデルを刷新

主な情報源

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