10月最終土曜のUI/UXトレンド回。今回は「受賞サイトは何で作られているか」「スクロール演出の良し悪しの分かれ目」「AI時代に強まる“人の手触り”志向」の3点から、AIに出す指示へ落とし込める形で整理します。

1. 受賞サイトの技術スタックは「GSAP+WebGL+スムーススクロール」に収れん
デザイン事例集サイトのEXHIBITAは、2026年8月のAwwwards Site of the Dayの直近31サイトを集計しています。タグの上位はGSAP(16)、Animation(15)、WebGL(13)、Clean(11)、3D(10)、Scrolling(9)でした。同ページは、描画はThree.js、動きの設計はGSAPのScrollTrigger、滑らかさはLenisという分業を紹介しています。フレームワークやCMSは入れ替え可能で、審査で見られているのは演出の質だと読めます。
| タグ | 件数(31サイト中) | AIへの指示のヒント |
|---|---|---|
| GSAP | 16 | 「ScrollTriggerで固定→解除する演出は最大2か所」など回数を絞る |
| Animation | 15 | 動かす対象(見出し・画像)と目的を先に指定する |
| WebGL | 13 | ヒーロー1か所に限定し、静止画フォールバックも依頼する |
| Scrolling | 9 | スクロールを奪わない前提を明記する |
2. スクロール演出は「奪わない」「最初は静か」
ギャラリーサイトA1 Galleryのスクロール演出特集は、優れた事例に共通する習慣を2つ挙げています。
- スクロールは常に前へ進む:要素を一瞬固定しても、すぐ解除する。ホイールを乗っ取る「スクロールジャック」は離脱を招くとされています。
- ファーストビューは控えめに:最初は静止か小さな動きにとどめ、スクロール演出は訪問者が動かし始めてから始める。
AIに「Appleのように動かして」とだけ頼むと過剰になりがちです。「ヒーローは静止、固定は1セクションのみ、素早いスクロールでフッターに届くこと」と条件で縛るのが安全です。
実装の選び分け:CSSの2種類のスクロールアニメーション
Josh W. ComeauのCSSの未来に関する記事によると、スクロール連動アニメーション(scroll-driven)は2026年のInteropで全ブラウザに実装されました。一方、スクロール位置で開始だけ決める「scroll-triggered」は、同記事の2026年10月時点の表示でChrome 155とEdge 154のみの対応です。utilitybendの解説は、視差や読了バーなど連続的な効果にはscroll-driven、カードや文字の出現にはscroll-triggeredが向くとしています。
| 種類 | 動き方 | 向く用途 | 対応状況(2026年10月時点の出典記載) |
|---|---|---|---|
| scroll-driven | スクロール量と進行が一致 | 視差・読了バー | 全ブラウザで実装 |
| scroll-triggered | 位置で開始し、時間で再生 | 出現演出・テキスト表示 | Chromium系のみ(Firefox・Safariは未対応) |
3. 「Made by Humans」志向とAI製デザインの距離感
広告分野では、Heineken、Polaroid、Cadburyなどが「人が作った」ことを打ち出し始めた、とAlternate Co.の記事は伝えています。同記事は、これを単純な「AI対人」ではなく、安っぽさや手抜きに見えることへの反発だと整理しています。Webでも、AIで量産した均質なレイアウトより、固有の文字組み・写真・語り口が差別化になる流れが想定されます。AIは下書きと反復に使い、最終の見せ場は人が決める、という分担が現実的です。
4. 実務で使うチェックリスト
- 演出の種類と回数を指示に書く(固定は何か所まで、WebGLはヒーローのみ)。
- 最初の画面は静かに作る。動きは操作の後に出す。
- CSSで足りる出現演出はCSSで。scroll-triggeredは非対応ブラウザでの見え方を確認する。
- フォント・写真・コピーに固有の要素を入れ、AI出力の均質さを崩す。
主な情報源
- What Award-Winning Websites Are Built With — EXHIBITA
- Scroll animation website design inspiration — A1 Gallery
- The Future of CSS — Josh W. Comeau
- Scroll-triggered animation as the missing piece for scrollytelling — utilitybend
- “Made by Humans”: The Anti-AI Marketing Trend of 2026 — Alternate Co.
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