GLM-5.2・Qwen3.6・Gemma 4・DeepSeek V4――2026年7月、オープンソースLLM勢力図が一変

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2026年7月、オープンソース・ローカルLLMの世界はかつてなく騒がしい。中国Z.aiの新モデルがNVIDIA製GPUを一切使わずに開発され性能ランキング首位に立ち、AlibabaのQwen3.6は27Bという比較的小さいモデルが自社の397B級MoEを上回る結果を出した。GoogleのGemma 4、DeepSeekの新フラッグシップ、Mistralの数学証明特化モデルなど、各社の動きを一次情報ベースで整理する。

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GLM-5.2(Z.ai)――Huawei製半導体のみで学習、オープンウェイト首位に

中国・Z.ai(旧Zhipu AI)が公開したGLM-5.2は、MITライセンス(地域制限なし)で重みを無償公開する大規模モデル。特筆すべきは、NVIDIA製GPUを一切使わず、約10万基のHuawei Ascend 910Bと独自フレームワーク「MindSpore」だけで学習された点だ。Z.aiは米国のEntity List(禁輸リスト)に載る企業でありながら、Artificial Analysisの Intelligence Index で他の主要オープンウェイトモデルを抑えて首位(51点)を記録し、コーディングベンチマークSWE-bench Proでも62.1点とGPT-5.5(58.6点)を上回ったとする第三者検証も出ている。vLLMや中国製アクセラレータ向け推論エンジン(vLLM-Ascend、SGLang等)にも対応しており、開発者は自前のハードウェアで動かせる。

出典: Tom’s Hardware、Interconnects

Qwen3.6-27B(Alibaba)――27Bの密モデルが自社397B MoEを凌ぐ

QwenチームはApache 2.0ライセンスでQwen3.6-27Bを公開した。Gated DeltaNet(線形アテンション)と通常の自己注意を組み合わせたハイブリッド構造を採用し、パラメータ数が27Bと控えめながら、コーディング系ベンチマーク(SWE-bench Verified 77.2点など)で自社の旧世代フラッグシップQwen3.5-397B-A17B(397B総パラメータ/17B有効)を上回った。BF16では約56GBでH100 1枚に収まり、4bit量子化なら16GB以上のRAMを積む一般的なコンシューマー機でも動作する。同時に公開されたMoE版Qwen3.6-35B-A3Bも、有効パラメータ約3Bのモデルとしては最高クラスの性能を示している。

出典: MarkTechPost

サーバールームのイメージ写真
Photo: Tim Dorr / CC BY-SA 2.0(Openverse経由)

Gemma 4(Google DeepMind)――Gemini 3譲りの技術をApache 2.0で公開

GoogleはGemma 4ファミリーをApache 2.0ライセンスで公開した。Gemini 3と同じ研究基盤から派生したモデルで、31B・26B(MoE、有効4B)・E4B・E2Bの4サイズを用意し、Androidスマートフォンからノートパソコン、開発ワークステーションまで幅広いハードウェアで動かせるよう設計されている。31BモデルはLM Arenaのテキスト部門でオープンモデル中3位にランクイン。マルチモーダル対応、設定可能な思考モード、システムロールのネイティブサポートなどが新機能として挙げられており、OllamaやLM Studioからもすぐ利用できる。

出典: Google公式ブログ

DeepSeek V4 Pro/Flash――1.6兆パラメータMoEで低価格路線を継続

DeepSeekのV4シリーズは、V4 Pro(高性能・エージェント向け)とV4 Flash(低コスト・高速)の2段構成。V4 Proは1.6兆パラメータのMoEで、コンテキスト長は実質100万トークンに達する。西側の主要クローズドモデルに比べて一桁安い価格設定を維持しており、実運用のエージェント基盤に組み込む動きも報告されている。OpenRouterの分析では、V4 Flashが「実際の本番パイプラインにすぐ置き換えられた初のオープンウェイトモデル」と評されるなど、コスト対性能の良さで採用が進んでいる。

出典: OpenRouter Blog

Mistral Leanstral 1.5――数学の形式証明に特化したオープンモデル

Mistral AIは、証明支援系言語Lean 4向けのコードエージェントモデルLeanstral 1.5をApache 2.0で公開した。総パラメータ119B・有効6BのMoEで、数学オリンピック形式のベンチマークPutnamBenchで672問中587問を解き、FATE-H/FATE-Xでも高スコアを記録。RustコードをLeanに変換して形式的に性質を検証する用途にも使われ、57リポジトリを検証した際には未報告のバグ5件を含む47件の問題を検出したという。Hugging Faceから重みをダウンロードして自前のvLLMサーバーで動かすことも可能。

出典: TestingCatalog

主要オープンウェイトモデル比較(2026年7月時点)

モデル 提供元 ライセンス 規模 特徴
GLM-5.2 Z.ai MIT 非公開(大規模MoE) Huawei Ascend製半導体のみで学習、Intelligence Index首位
Qwen3.6-27B Alibaba Apache 2.0 27B(Dense) 自社397B MoEをコーディングで上回る
Gemma 4 31B Google DeepMind Apache 2.0 31B Gemini 3技術を継承、Arena系で3位
DeepSeek V4 Pro DeepSeek オープンウェイト 1.6T(MoE) 実質100万トークンコンテキスト、低価格
Leanstral 1.5 Mistral AI Apache 2.0 119B総/6B有効(MoE) Lean 4形式証明・バグ検出に特化

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