「なんとなく単語を並べる」から卒業するための回。画像・動画生成プロンプトは、被写体・構図・光・レンズ・質感・色・ネガティブ・強調という8つの要素に分解して書くと、狙った絵にぐっと近づきます。今日は各要素の書き方のコツと、そのままコピペで試せるテンプレート・作例プロンプトをまとめます。

プロンプトは「8つの部品」でできている
Midjourneyのような単語羅列型でも、GPT ImageやNano Banana Proのような自然文型でも、結局プロンプトが伝えている情報は同じ8種類に集約されます。
- 被写体:何を(誰を)描くか。属性・ポーズ・表情まで含む
- 構図:画角、被写体の配置、余白の取り方
- 光:光源の種類・方向・硬さ・色温度
- レンズ/カメラ:画角の圧縮感、被写界深度、機材の質感
- 質感:素材感、表面の状態(新品/経年劣化など)
- 色:配色方針、彩度、トーン
- ネガティブ:出したくない要素の排除
- 強調:どの語を強く効かせるかの重みづけ
この順番で情報を積み上げると、モデルが優先順位を誤解しにくくなります。以下、要素ごとに実例で見ていきます。
①② 被写体と構図を書き分ける
被写体だけ詳しく書いて構図を省略すると、モデル任せの平凡な「証明写真構図」になりがちです。構図語彙(rule of thirds、low angle、negative spaceなど)を足すだけで画がドラマチックになります。
A elderly ceramic artist with clay-stained hands shaping a bowl on a wheel,
three-quarter view, positioned along the left third of the frame,
generous negative space to the right for text overlay,
low camera angle looking slightly up at the subject
効いている要素の分解: 「three-quarter view」は被写体の向き、「left third of the frame」はrule of thirdsの明示、「negative space to the right」はテキストを乗せる実務用途を見越した余白指定、「low camera angle」は威厳や存在感を出す仰角の指定です。単に「a potter making a bowl」とだけ書くより、構図語を足すことで画角のコントロールが効きます。
③④ 光とレンズで「撮影感」を作る
光とレンズの指定は、イラストにも実写にも効きます。FluxやNano Banana Proなど多くの最新モデルは、実在するカメラ・レンズの型番や光の物理的な性質を理解しています。
Portrait of a jazz saxophonist mid-performance under stage lights,
hard directional spotlight from camera-left creating deep shadow on the right side of the face,
warm 3200K tungsten color temperature,
shot on an 85mm f/1.4 lens, shallow depth of field, background reduced to soft bokeh,
subtle film grain
効いている要素の分解: 「hard directional spotlight from camera-left」は光源の硬さと方向、「3200K」は色温度という数値指定で暖色/寒色の解釈ブレを防ぎます。「85mm f/1.4」は望遠寄りの圧縮感と浅い被写界深度、つまり背景ボケの強さを決める指定です。焦点距離は短いほど被写界深度が深く(全体にピント)、長いほど浅く(背景がボケる)なる、という関係を覚えておくと調整しやすくなります。
⑤⑥ 質感と色でイラストの「素材感」を決める
イラストスタイルでも、質感語彙を入れるだけで平面的な絵から脱却できます。
A weathered lighthouse on a rocky cliff, gouache illustration style,
textured paper grain visible in the sky, chipped and salt-crusted paint on the lighthouse walls,
muted coastal palette of slate blue, sea-foam green, and rust orange,
overcast diffused light, no strong shadows
効いている要素の分解: 「chipped and salt-crusted paint」は経年変化の質感、「muted coastal palette of slate blue, sea-foam green, and rust orange」のように色を3色程度に絞って名指しすると配色が安定します。色数を絞るのは、多色を羅列すると彩度の高い雑多な絵になりやすいためです。
⑦ ネガティブプロンプトは「言い換え」が効く
ツールによってネガティブプロンプトの扱いは大きく異なります。Ideogramの公式ガイドは「否定語の理解が苦手なモデルが多い」と明言しており、”no people”と書くより「empty street」のように肯定形で言い換える方が確実だとしています。
【否定形で失敗しやすい例】
A city street, no cars, no pedestrians, not crowded
【肯定形への言い換え】
A completely empty city street at dawn, deserted, no visible movement,
vacant sidewalks, quiet and still
効いている要素の分解: “empty”や”deserted”、”vacant”という肯定的な形容詞に置き換えることで、モデルが「何を描くべきか」を直接理解できます。Midjourneyのように専用の--noパラメータを持つツールは例外的に否定語がそのまま機能しますが、汎用的な自然文プロンプトでは言い換えを基本にしましょう。
⑧ 強調(ウェイト)記法でツールごとの違いを使い分ける
「どの語を強く効かせたいか」を数値で指定する記法は、ツールごとに文法が違います。混在させると誤動作するので要注意です。
| ツール | 強調の書き方 | 備考 |
|---|---|---|
| Midjourney | red dress::2 blue background::1 |
「::」で概念を分割し数値で相対的な重みを指定。括弧は使わない |
| Stable Diffusion系(Automatic1111等) | (red coat:1.3) / (word)を重ねると1段階ごと約1.05倍 |
0.5〜1.5の範囲が扱いやすく、1.6を超えると破綻しやすい |
| Flux / GPT Image / Nano Banana Pro | 語順を先頭に置く、または文で明示的に重要度を書く | 括弧記法は非対応。自然文の中で優先順位を明言するのが基本 |
| Ideogram | 否定より肯定の言い換えを優先、要素を短い文で分離 | プロンプトは150〜160語程度が目安、超えると無視されやすい |
コピペ用の汎用テンプレート
迷ったら、まずこの順番で埋めていくだけで骨格のあるプロンプトになります。
[被写体:誰が/何が、どんな属性・ポーズ・表情で]
[構図:画角、フレーム内の配置、余白]
[光:光源の種類・方向・硬さ・色温度]
[レンズ/カメラ:焦点距離、絞り、被写界深度]
[質感:素材感、経年変化]
[色:主色を2〜3色まで指定]
[(ネガティブは肯定形で言い換えて追記)]
[(強調したい語はツール別の記法で重みづけ)]
例えば動画生成にこの型を応用する場合は、被写体・構図・光までは共通で、そこにカメラの動き(パン・ドリー・クレーン)や尺の指定を足す形になります。本メディアでは動画のカメラワーク用語だけを扱った回も別途公開しているので、動画プロンプトを組む際はあわせて参照してください。
アスペクト比・パラメータの早見表
| 用途 | アスペクト比の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| SNS正方形投稿 | 1:1 | Midjourneyのデフォルトも1:1 |
| 横長サムネイル・LP画像 | 16:9 | 動画のフレーム比としても標準的 |
| 縦型ショート動画・ストーリーズ | 9:16 | Kling・Sora等の縦動画生成でも定番 |
| 印刷物・ポートレート | 2:3 または 3:4 | 被写体を縦構図で活かしたい場合 |
主な情報源
- OpenAI Cookbook: GPT Image Generation Models Prompting Guide
- Google Cloud Blog: Ultimate prompting guide for Nano Banana
- Google Blog: Nano Banana Pro prompting tips
- Ideogram公式ドキュメント: Handling Negatives
- Ideogram公式ドキュメント: Prompt Structure
- PixelDojo: FLUX Prompting Guide
サンプルプロンプトは本メディアのオリジナル例です。各モデル・サービスは提供元の規約に従ってご利用ください。生成物の権利・商用条件は各規約をご確認ください。情報は公開時点のもの。収集・要約はAI、公開判断は人。