Gemini 3.5 Flash がPC操作に対応・Interactions API GA・Live Translate 登場——2026年6月 Google AI 開発者アップデート

Google・Gemini のアイキャッチ

2026年6月、Google は開発者向けに大きな動きを連続して打ち出した。Gemini 3.5 Flash へのコンピューター操作(Computer Use)機能の統合、エージェント向け新インターフェース「Interactions API」の正式リリース、リアルタイム音声翻訳モデル「Gemini 3.5 Live Translate」の公開、そして Gemini CLI の終了と Antigravity CLI への移行義務化と、一か月でプラットフォームの様相が大きく変わった。

AIエージェント・ツールのイラスト

Gemini 3.5 Flash にコンピューター操作が統合(6月24日)

Google は6月24日、Gemini 3.5 Flash にコンピューター操作(Computer Use)機能を組み込んだと発表した。従来は独立した「Gemini 2.5 Computer Use」モデルとして提供されていたが、メインラインの Flash モデルへ統合されたことで、Google Search・Maps のグラウンディングや関数呼び出しと組み合わせたエージェント構築が一つのモデルで完結できるようになった。

開発者は Gemini API および Gemini Enterprise Agent Platform 経由でアクセス可能。ブラウザ・モバイル・デスクトップ環境をまたいで「見て・推論して・操作する」エージェントを構築できる。主なユースケースとして、ソフトウェアの継続的テスト、API 連携のない業務アプリへの操作自動化などが挙げられている。

ベンチマーク・価格比較(OSWorld-Verified)

モデル OSWorld-Verified スコア 入力(100万トークン) 出力(100万トークン)
Gemini 3.5 Flash 78.4% $1.50 $9.00
GPT-5.5 78.7% $5.00 $30.00

※ OSWorld-Verified スコアはベンダー自己申告値。2026年6月時点で独立した第三者検証は未実施。価格差が大きく、大量処理ではコスト優位性が際立つ。

出典: TechTimes — Gemini Computer Use Baked Into Gemini 3.5 Flash

Interactions API が正式 GA——エージェント開発の新標準インターフェース

Gemini API の新しい主力インターフェース「Interactions API」が2026年6月に一般提供(GA)となり、全新規プロジェクトへの採用が推奨されるようになった。従来の generateContent API は引き続き利用可能だが「レガシー」扱いとなる。

Interactions API の主な特徴はサーバーサイドのステート管理だ。各リクエストにセッション ID(previous_interaction_id)を付与することで、コンテキストをサーバーに保持させながら連続したやり取りが可能になる。ステートレス動作が必要な場合は store=false オプションで無効化できる。

  • 対応モデル: gemini-3.5-flash、gemini-2.5-pro、gemini-2.5-flash、gemma-4-31b-it ほか多数
  • Python SDK: google-genai 2.3.0 以降
  • JavaScript SDK: @google/genai 2.3.0 以降

出典: Google AI for Developers — Interactions API

Gemini 3.5 Live Translate——70言語超のリアルタイム音声翻訳(6月9日)

Google は6月9日、Gemini 3.5 Live Translate を発表した。Gemini 3 Pro をベースとした音声対音声(Speech-to-Speech)翻訳モデルで、70言語以上に対応し、話者の抑揚・ペース・ピッチを保ちながらほぼリアルタイムで翻訳する。

  • 開発者向け: AI Studio のパブリックプレビュー・Gemini Live API で利用開始
  • 一般向け: Google 翻訳 アプリ(Android/iOS)に近日実装予定
  • 企業向け: Google Meet での企業先行プレビューを今月中に開始

生成された音声にはすべて SynthID 透かしが埋め込まれ、AI 生成コンテンツの検知を可能にする。複数話者が入り乱れる場面や非ネイティブアクセントの言語検出には依然として課題があるとモデルカードで明記されている。

出典: Google Blog — Fluid, natural voice translation with Gemini 3.5 Live Translate

Gemini CLI が終了——Antigravity CLI への移行が完了(6月18日)

Google I/O 2026(5月19日)で予告されていた通り、6月18日に Gemini CLI の個人・無料・Google AI Pro/Ultra プラン向けサービスが終了した。後継は Antigravity CLI(コマンド: agy)で、Go 製の単一バイナリとして配布されている。

比較項目 Gemini CLI Antigravity CLI
言語 TypeScript / Node.js Go(単一バイナリ)
ライセンス Apache 2.0(OSS) プロプライエタリ(非公開)
マルチエージェント 限定的 ネイティブ対応
設定ファイル GEMINI.md AGENTS.md
機能パリティ 成熟 移行時点では不完全

企業向け Gemini Code Assist Standard/Enterprise ライセンス利用者は引き続き Gemini CLI を使用可能。個人・無料ユーザーはオプトアウト不可の強制移行となっている。Google 自身も「ローンチ時点では機能パリティは1対1ではない」と認めており、GitHub 上で移行ユーザーから不満の声も上がっている。

出典: Google for Developers — Gemini Code Assist consumer accounts deprecation

Gemini API キーのセキュリティ強化——9月までに認証キーへ移行を

Gemini API の課金不正利用対策として、Google は API キーの移行タイムラインを公表している。制限なしの標準キー(Unrestricted Standard Key)は6月19日以降に Gemini API からのリクエストが拒否されており、9月末には全標準キーが無効化される予定だ。

  • 2026年6月19日(実施済): 制限なし標準キー → Gemini API が拒否(制限付き標準キーは9月まで猶予)
  • 2026年9月(予定): 全標準キー → Gemini API が拒否。認証キー(Auth Key)のみ有効

新しい「認証キー(Auth Key)」はサービスアカウントに紐付けられており、キー漏洩時の被害範囲を限定できる。AI Studio で新規作成したキーはすでに認証キーがデフォルト。既存の制限なしキーを持つ開発者は「キーに API 制限を追加する」か「今すぐ認証キーへ移行する」のいずれかが必要。背景には、不正利用者による標準キー悪用で数万ドル規模の不正課金が複数発生したことがある。

出典: DoiT — Gemini API Key Deprecation: Migrate Before June 2026


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