Google/Gemini動向:Gemini NotebookがWorkspace全体に染み出す、DeepMindは90億通りのDNA変異を予測——2026年9月まとめ

Google・Gemini のアイキャッチ

今週のGoogle/Gemini関連では、「ひとつのアシスタント」から「アプリ全体に染み込むエージェント」への移行が目立った。Google WorkspaceにGmail・Drive・Docs・Slides・Sheets・Chatを横断する5つの新エージェント機能が加わり、旧NotebookLMことGemini Notebookは管理者向け共有制御やSearch連携でさらに実務寄りに。研究分野ではGoogle DeepMindが人間ゲノムの全一塩基変異を予測する巨大データベースを無償公開し、クラウド側ではVertex AIの看板が完全に掛け替わった。今回はこの4本を追う。

GoogleのAIがオフィスの様々なアプリに広がる様子のイラスト

Workspace全体をGeminiが横断——5つの新エージェント機能

Googleは2026年9月9日、Google Workspace公式ブログで「タブを行き来しない」ことを掲げた5つの新エージェント機能を発表した。Geminiが「Workspace Intelligence」を使ってGmail・Drive・カレンダー・チャットのスレッドから横断的にコンテキストを集め、ユーザーの指示のもとで裏側で作業を進める仕組みだ。

  • Chatから直接プレゼン生成:Google Chatでの会話から、Google Slidesのスライドをドラフト作成できる。
  • Driveでのドキュメント下書き:関連するメールやファイルの文脈を拾い、Google Docsの初稿を自動生成してレビューに回せる。
  • Sheetsでの共同作業強化:Gemini in Google Sheetsが分析やデータ整形をアシストし、モバイル版でも利用可能になった。
  • Meetの会議後フォロー:会議のアクションアイテムを自動整理し、関係者へのフォローアップ漏れを防ぐ。
  • Alt+Spaceのクイック呼び出し:デスクトップ作業中に素早くGeminiを呼び出し、事実確認やタイトル案のブレストができる。

あわせてGoogle Workspace Updatesによると、Google Sheetsのセル上限が1000万から2000万に倍増するなど、地味だが実務に効く改善も同時に進んでいる。

出典: Google Workspace Blog

Gemini Notebook(旧NotebookLM)、管理と検索への統合が進む

2026年7月にNotebookLMからGemini Notebookへ改名されたリサーチツールは、単体プロダクトの位置づけを保ちながらGeminiアプリやGoogle Searchとの統合を広げている。8月には検索の「AI Mode」からノートブックを呼び出せるようになったほか、ノートブック丸ごとのコピー機能やWorkspace Studioとのソース連携、Classroom統合も追加された。

9月10日には管理コンソールでの外部共有制御が導入され、これまで「オン/オフ」の一択だった共有設定が「オフ」「信頼ドメインのみ」「オン」「リンクでの公開共有も許可」の4段階で細かく制御できるようになった。企業導入が進むにつれ、ガバナンス側の要求に応える機能が追いついてきた形だ。

出典: Google Blog、Google Workspace Updates

DNAの二重らせん構造の写真
Photo: paulbaker / CC BY 2.0(Openverse経由)

DeepMind、90億通りのDNA変異影響を予測する「AlphaGenome Atlas」を公開

Google DeepMindは2026年9月8日、人間ゲノムに起こりうる約90億通りの一塩基変異すべてについて、その分子レベルでの影響をAIで予測した「AlphaGenome Atlas」を発表し、学術研究者向けに無償公開した。既存モデル「AlphaGenome」は個別の変異の影響予測に使われてきたが、Atlasはゲノム全域を俯瞰できる網羅的なカタログを目指したものだという。

項目 内容
発表日 2026年9月8日
対象 人間ゲノムの全一塩基変異(約90億通り)
提供形態 学術研究者向けに無償のデータベースとして公開
基盤モデル AlphaGenome(遺伝子変異の生物学的影響を予測するAIモデル)

病気に関わる変異の発見や創薬研究の初期段階を大幅に加速させる可能性がある一方、公開直後のためどこまで研究現場で活用が進むかはこれからの検証次第だ。

出典: Google DeepMind Blog

Vertex AIが「Gemini Enterprise Agent Platform」に看板を掛け替え

2026年4月のGoogle Cloud Nextで発表された通り、Vertex AIはGemini Enterprise Agent Platformへと発展的に統合された。旧来の「Vertex AI Agent Builder」の名称は廃止され、ノーコードのエージェント構築は「Agent Studio」、コードベースの構築は「Agent Development Kit(ADK)」という名前に整理されている。既存のAgent Builderのサービスは移行作業なしに新しい傘の下に入っており、技術的な中身より呼び名の再編が中心だ。

これに合わせて企業向けの「NotebookLM Enterprise」も「Gemini Notebook Enterprise」に改称された。機能やAPIエンドポイントは変わらないが、管理コンソールや請求画面など表示箇所によって新旧の名称が混在している状態で、しばらくは移行期の混乱が続きそうだ。

出典: Google Cloud Blog


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