今週はxAIの社名統合と新コーディングエージェント、Microsoft 365 Copilotのエージェント機能「Cowork」の世界展開、Perplexityのインフラ選定、MetaのAPI公開など、各社が「エージェント」と「基盤」を同時に固める動きが目立った。Claude/Anthropic以外のフロンティア勢の最新動向を整理する。

xAIが「SpaceXAI」に完全統合、社名も刷新
2026年2月に発表されていたSpaceXによるxAIの全株式取得が完了し、7月6日、xAIは正式に「SpaceXAI」へと社名・ブランドを統合した。X(旧Twitter)上のxAI公式アカウントも「SpaceXAI」に変更され、新ロゴも公開されている。開発者向けAPIのエンドポイント(api.x.ai)やGrokのモデル名など既存の技術資産はそのまま維持される見込みだが、Grokチャットボットや「Colossus」GPUインフラは今後SpaceXの傘下として運営される。SpaceXは軌道上にAIデータセンターを配置する構想も明らかにしており、AI事業をロケット・衛星事業と並ぶ柱に位置付ける狙いがうかがえる。
出典: Yahoo Finance
xAI、ターミナル動作のコーディングエージェント「Grok Build」を早期ベータ公開
xAI(SpaceXAI)は新しいコーディングエージェントCLI「Grok Build」の早期ベータを、SuperGrokおよびX Premium Plusの加入者向けに公開した。ターミナルから対話的に動くTUIのほか、ヘッドレスモードでのスクリプト実行、外部アプリと連携するAgent Client Protocol(ACP)にも対応する。大規模なタスクでは専用のサブエージェントに処理を委譲して並列実行できるのも特徴で、Claude CodeやOpenAIのCodex CLI、Google Gemini CLIと並ぶ「ターミナル型AIコーディングエージェント」市場に本格参入した格好だ。同じモデル「grok-build-0.1」はxAI APIからも早期アクセスで利用できる。
出典: xAI公式ブログ
Microsoft 365 Copilotの「Cowork」が世界一般提供へ
Microsoftは、チャット応答にとどまらず実務タスクを代行するエージェント機能「Copilot Cowork」を、プレビュー版「Frontier」プログラムでの3カ月の検証を経て世界一般提供を開始したと発表した。プレビュー期間中はFortune 500企業の半数以上が利用し、Accenture、Avanade、Capital Group、Koch、Ooredoo Qatar、Zurich Insuranceなどの導入事例も紹介されている。Coworkはメールの送信や会議の設定、資料作成、Teamsへの投稿、カレンダー管理までを自然言語の指示だけで実行でき、Microsoftはこれを「Frontierプログラム史上最も急成長した機能」と位置付ける。管理者向けには、Coworkの利用範囲や権限を制御するコスト管理機能も用意されている。あわせて、Microsoft Sentinel向けの「Agent Identities Asset Connector」のパブリックプレビューも発表され、企業内で増え続けるAIエージェントを可視化・管理する取り組みも進む。
出典: Microsoft Learn / Redmondmag
Perplexity、NVIDIAの新CPU「Vera」をエージェント基盤に採用
Perplexityは、NVIDIAが新たに投入したCPU「Vera」を採用する方針を明らかにした。VeraはIntelやAMDが独占してきたCPU市場にNVIDIAが参入する製品で、88個のカスタム「Olympus」コアと最大1.2TB/sのメモリ帯域を備え、AIエージェントが1ステップずつ処理を進める「エージェント・ループ」向けに、単一スレッド性能を重視した設計になっている。Perplexityの検証では、コーディングワークフローが従来型CPU比で最大1.5倍、並行サンドボックスの起動が最大1.9倍高速化したという。生成モデルの推論を担うGPUだけでなく、その前後の処理を担うCPU性能もエージェントAIの体験を左右する要素として注目され始めている。
| 項目 | NVIDIA Vera(新CPU) |
|---|---|
| コア構成 | カスタム「Olympus」コア×88 |
| メモリ帯域 | 最大1.2TB/s(LPDDR5X) |
| コア間帯域 | 3.4TB/s |
| Perplexity実測 | コーディング処理 約1.5倍高速 / サンドボックス起動 最大1.9倍高速 |
出典: NVIDIA公式ブログ / Yahoo Finance(Reuters配信)

Meta、マルチモーダル推論モデル「Muse Spark 1.1」とModel APIを公開
Meta Superintelligence Labsは、独自開発のマルチモーダル推論モデル「Muse Spark 1.1」を公開した。ツール操作やコンピュータ操作、コーディング、マルチモーダル理解の面で前バージョンから性能を伸ばし、外部アプリやサービスをまたいだ計画・実行が必要な個人向けエージェントタスクを得意とするという。同モデルはMeta AIアプリおよびmeta.aiの「Thinking」モードで既に利用可能なほか、開発者向けには新たな「Meta Model API」のパブリックプレビューも開始され、外部からMuse Spark 1.1を呼び出せるようになった。Metaはこれまでオープンウェイトの「Llama」シリーズを主軸としてきたが、複数の報道は同社が独自路線(社内呼称「Muse Spark」)へと軸足を移しつつあると伝えている。
出典: Meta AI公式ブログ
主な情報源
- Yahoo Finance: XAI makes its rebrand to SpaceXAI complete with a new logo
- xAI: Introducing Grok Build
- Microsoft Learn: What’s new in Copilot Cowork
- Redmondmag: Microsoft Makes Copilot Cowork Generally Available Worldwide
- NVIDIA Blog: AI Innovators Adopt NVIDIA Vera
- Yahoo Finance: Perplexity says it plans to use Nvidia’s new CPU
- Meta AI: Introducing Muse Spark 1.1
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