「読む」から「動く」ブラウザへ——AIネイティブブラウザ Comet を試す

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米Perplexityが開発する「Comet」は、Chromiumベースの無料AIブラウザだ。普通のタブ表示に加えて、開いているページの内容を理解し、要約・比較・フォーム入力・買い物までこなす「サイドカー型アシスタント」を搭載している点が特徴。2025年10月に全ユーザー向けに無料開放され、2026年3月にはiOS版も登場するなど利用の幅が広がっている。今回はComet単体の使い方と料金、注意点を整理する。

AIエージェント・ツールのイメージイラスト

Cometとは何か

CometはPerplexityが開発するWebブラウザで、Google ChromeやMicrosoft Edgeと同じChromiumエンジンをベースにしている。ブックマークや拡張機能、履歴はChromeなどから簡単にインポートでき、乗り換えのハードルは低い。最大の違いは、右上のアイコンから呼び出せる「Comet Assistant」だ。開いているページの内容がそのままコンテキストとしてアシスタントに渡るため、コピー&ペーストなしで「このページを3行で要約して」「この記事とあの記事の違いは?」といった質問がすぐにできる。

できること

  • ページ内チャット——開いているページや複数タブの内容について質問・要約・比較ができる。長いPDFやレポートの読み込みにも対応。
  • タスクの自動実行——「カートに商品を追加して確認画面まで進めて」「Spotifyで作業用プレイリストを作って」のように、フォーム入力やクリックを含む一連の操作を代行する。
  • Shopping / Travel / Finance——価格比較、旅行先やフライトの情報収集、家計管理などのテーマ別機能を用意。
  • Gmail / Googleカレンダー連携——アシスタントの設定画面からOAuthで接続すると、重要メールの把握や返信案の作成、予定の確認をブラウザ内で完結できる。接続時に要求される権限スコープは必ず確認したい。
  • Background Assistants(上位プランのみ)——タブを閉じても裏側でリサーチなどのタスクを継続実行する機能。

料金プラン

Comet本体とアシスタント機能は無料プランでも利用できる(2025年10月から全ユーザーに開放)。上位プランは検索回数やリサーチ回数の上限が緩和され、Max以上でBackground Assistantsが使える。

プラン 月額目安 主な違い
Free $0 Cometブラウザ+アシスタント基本機能。検索回数は1日数回程度に制限
Pro $20 高度なAIモデル・画像生成・ファイル解析、検索回数の大幅な緩和
Max $200 Background Assistants、複数モデルを並行動作させる「Perplexity Computer」など上限緩和
Comet Plus(アドオン) $5 提携パブリッシャーの記事が読み放題。Pro/Maxには標準付帯

詳細は公式のプラン比較ページを参照してほしい。無料プランでもアシスタントの基本機能はひと通り試せるので、まずはFreeで様子を見るのがおすすめだ。

使ってみる:3ステップ

  1. comet.perplexity.aiからインストーラーをダウンロードし、案内に沿ってセットアップ。ChromeやEdgeからブックマーク・拡張機能をインポートできる。
  2. 気になるページを開き、右上のアシスタントアイコンをクリック。ページの内容を踏まえた質問や要約依頼をそのまま投げてみる。
  3. 複数タブをまたぐ比較や、フォーム入力を伴うタスクは具体的な指示文で依頼する。実行前に確認を求められる操作もあるため、内容を見てから承認する。
カフェでノートPCを使う人
Photo: John Beans / CC BY 2.0(Openverse経由)

使う前に知っておきたい注意点

Cometのような「自律的に操作するAIブラウザ」は便利な一方、権限の扱いが議論になっている。実際、Amazonは2025年11月、Cometの購入代行エージェントがログイン済みのAmazonアカウントに人間のブラウザを装ってアクセスしているとして提訴した。2026年に入り連邦控訴裁判所は、ユーザー自身の許可のもとで動作している点を踏まえ、Amazon側の主張(不正アクセス防止法違反)が認められる可能性は低いとの判断を示したが、訴訟自体は継続中だ。業務利用や決済を伴うタスクを任せる際は、次の点を確認しておきたい。

  • Gmail・カレンダーなど外部サービス連携時のOAuth権限スコープを事前に確認する
  • 購入や送信など取り消しにくい操作は、実行前の確認ステップを必ず有効にする
  • 業務データを扱う場合は、Enterprise向けの監査ログやMDM管理など管理者向け機能の有無も確認する

まとめ

Cometは「ページを読む」だけでなく「ページの上で作業を代行する」ところまで踏み込んだブラウザだ。無料で試せるうえ、要約や比較といった軽い使い方から、フォーム入力やタブ横断リサーチの自動化まで段階的に活用できる。自律的な操作を任せる分、権限管理や確認ステップには気を配りながら、まずは日常のリサーチ作業から試してみるとよさそうだ。


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