Granola入門:ボットを送らずに会議メモをAIが仕上げる「ノートアプリ」、Claude連携で企業基盤へ

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会議に参加するたびに「ボットが録画に参加しました」という通知を見て気まずくなったことはないだろうか。ロンドン発のスタートアップが開発するGranolaは、その通知自体をなくしてしまうAI会議メモアプリだ。裏で音声だけを拾い、会議中に自分が打った簡単なメモをAIが文脈込みで清書してくれる。単なる文字起こしツールから、企業のナレッジ基盤へと進化しつつある今のGranolaを紹介する。

AIエージェント・ツールのイメージイラスト

Granolaとは何か

Granolaは2023年創業、共同創業者Chris Pedregal氏らが手がけるMac・Windows向けのAI会議メモアプリだ。ZoomやGoogle Meet、Microsoft Teamsなどの会議に「見える形」で参加するボットを送り込まず、パソコン側のシステム音声を直接キャプチャする点が最大の特徴。会議中にユーザーが打った簡単なメモを、終了後に文字起こし内容と突き合わせて要約・整形する「Enhance Notes」機能を軸に、要点・決定事項・アクションアイテムまで自動生成する。

ボット不要という設計思想

他の主要な会議メモツールの多くは、会議URLに参加する「見えるボット」を送って録画する方式を取る。Granolaはこの方式を避け、ローカルのマイク・システム音声から直接キャプチャすることで、参加者に録画の存在を意識させにくい。電話会議やオンライン会議に限らず、ノートPCを開いた対面のミーティングでも内蔵マイクで拾える。

主な機能

  • Enhance Notes — 会議中の走り書きメモに、文字起こしから拾った文脈・引用・決定事項を自動で肉付けする。
  • Spaces — チームのメモを共有ワークスペースにまとめ、組織横断でAIに検索・要約させる機能。
  • ファイル添付 — PDFや画像などの資料を事前に添付しておくと、AIが要約時にその文脈を参照する。
  • 連携 — Slackへの通知投稿や、Zapier経由での8,000以上のアプリ連携(Notion、Asana、CRMなど)に対応する。

AIアシスタントから会議記録を呼び出す:Granola MCP

今のGranolaを象徴するのがGranola MCPだ。Model Context Protocol(MCP)のサーバーを公開URL(https://mcp.granola.ai/mcp)として提供し、ClaudeやChatGPT、対応するAIツールから過去の会議メモを横断検索できるようにしている。「先週の四半期計画の会議で何を決めた?」といった問いかけに対し、AIがGranola上の記録を検索して答えられるようになる仕組みだ。個人向けAPI・エンタープライズ向けAPIの提供も進めており、会議データを社内の他システムやエージェントに接続する基盤としての位置付けを強めている。

ノートPCを囲んで打ち合わせをするチームの様子
Photo: Startup Stock Photos / CC0 1.0(Openverse経由)

料金プラン

公式ブログによると、料金体系は次の3段階。個人利用は基本無料、チーム展開ではシート課金になる。

プラン 料金 主な内容
Basic(無料) $0 AIメモ生成は無制限だが、閲覧できる会議履歴の保存期間に制限あり
Business $14/ユーザー/月 チーム共有フォルダ、CRM連携、MCP、履歴無制限
Enterprise $35〜/ユーザー/月 SSO、API アクセス、組織単位でのAIモデル学習オプトアウト

競合との比較

会議メモ市場にはOtter.ai、Fireflies.ai、Fathomなど強力な競合が並ぶ。特徴を簡単に整理する。

ツール 強み 会議へのボット参加 無料プランの目安
Granola ボット不要、手書きメモ+AIのハイブリッド、MCP連携 なし(音声を直接キャプチャ) 無制限だが履歴保存に制限
Otter.ai リアルタイム字幕、検索性の高いアーカイブ あり 月300分まで
Fireflies.ai 幅広いCRM連携、営業チーム向け あり 合計800分まで
Fathom 無料枠が寛容、ハイライト動画切り出し あり(一部無音声モードあり) 実質無制限

資金調達の推移

Granolaは2023年5月にLightspeedとbetaworksから425万ドルのシードを調達して以降、急速に成長してきた。2024年10月にシリーズAで2,000万ドル、2025年5月にNFDG(Nat Friedman・Daniel Gross)主導のシリーズBで4,300万ドル(評価額2.5億ドル)、そして2025年6月にはIndex Ventures主導のシリーズCで1億2,500万ドルを調達し評価額15億ドルのユニコーンとなった。累計調達額は1億9,200万ドルに達し、単なる文字起こしツールから「会議データを起点にした企業向けAIプラットフォーム」への転換を進めている。

使う前に確認したいこと

  • 無料プランはデフォルトでメモ・会議データをAIモデルの学習に利用される場合がある。学習データからのオプトアウトはEnterpriseプランなど上位プランが前提になることが多いため、機密性の高い会議で使う場合は設定を確認したい。
  • Android版は提供されておらず、現時点ではMac・Windowsが中心。
  • 録音・文字起こしの利用には、参加者への同意など各国・各社のルールに従う必要がある。

主な情報源

各ツールは提供元の規約に従ってご利用ください。情報は各情報源の公開時点のものです。収集・要約はAI、公開判断は人。