Granola入門:会議に“ボット”を送らないAIノートアプリの実力と注意点

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会議に「ボットが参加しました」という通知を出さずに、自分の手書きメモをAIが自動で清書してくれるノートアプリがGranolaだ。Zoomなどに参加者として入り込む従来型のAI議事録ツールとは設計思想が異なり、2026年3月には1.5億ドル規模の資金調達でバリュエーション15億ドルに達したと報じられている。今回は機能・料金・プライバシー面の注意点まで実務目線でレビューする。

AIが会議メモを自動整理するワークフローのイラスト

Granolaとは何か

Granolaは、Mac・Windows・iPhoneで使える「AIノートパッド」。Granola最大の特徴は、会議に“ボット”として参加しないこと。Otter.aiやFireflies.aiのように「〇〇のボットが参加しました」という通知が出るツールとは違い、Granolaはデスクトップ上のマイク音声とシステム音声をローカルで取得して文字起こしする。Zoom・Google Meet・Teamsなど、どの会議システムでも同じ仕組みで動く。

使い方も独特だ。会議中はユーザー自身が箇条書きで簡単なメモを取り、終了後にAIがそのメモを文字起こしの文脈で「強化(enhance)」して整形済みノートに仕上げる。完全自動の文字起こしに任せきりにするのではなく、人間が拾った要点をAIが補完するハイブリッド方式が売りだ。

主な機能

  • ボットレス・キャプチャ:会議アプリに参加者として入らず、システム音声とマイクから直接文字起こし。対面の会議でもiPhoneアプリでメモ可能。
  • ノートとのチャット:個別ノートや過去の会議履歴全体に対して質問し、決定事項やアクションアイテムを後から引き出せる。
  • レシピ(Recipes)とテンプレート:議事録のフォーマットや、メモから自動生成するフォローアップメールなどのワークフローをカスタムテンプレート化できる。
  • カレンダー連携・ブリーフ:Google Calendarと同期し、外部との会議前に「前回の議題」「参加者情報」などのブリーフを自動準備。
  • MCP連携:Model Context Protocol経由でClaudeやChatGPTから自分の会議履歴に直接アクセスできる。
  • ロック画面ウィジェット:iPhoneのロック画面・ホーム画面から1タップで録音開始。外出先の電話にも対応。
ノートPCを使ったビジネスミーティングの様子
Photo: Spider.Dog / CC BY 2.0(Openverse経由)

料金プラン

2026年6月時点の公式の料金ページによると、3段階構成になっている。

プラン 価格 主な内容
Free 無料 AIノート強化、Granola Chat、直近30日分のノート履歴、複数言語対応
Business $14/ユーザー/月 ノート履歴無制限、チームフォルダ、Notion・HubSpot・Slack・Zapier連携、MCP対応
Enterprise $35〜/ユーザー/月 SSO、APIアクセス、組織単位でのAIモデル学習オプトアウト、優先サポート

無料プランでも基本機能は試せるが、過去ノートの閲覧が直近30日に制限される点には注意したい。

競合との違い

会議メモAIにはOtter.ai、Fireflies.ai、Fathomなど強力な競合がそろう。大きな分岐点は「ボットを送るか送らないか」と「ライブ機能の有無」だ。

ツール 会議への参加方式 強み
Granola ボットレス(システム音声を直接取得) 会議の雰囲気を損なわない、対面メモにも対応
Otter.ai ボット参加 リアルタイム字幕、会話全体のインテリジェンス分析
Fireflies.ai ボット参加 CRM連携が広く、営業チームでの活用実績が豊富
Fathom ボット参加 無料枠が手厚く、録音・要約が無制限

「会議の相手にボットの存在を意識させたくない」「自分用の手書きメモを下地にしたい」というニーズならGranolaが有力候補になる。一方、リアルタイムの字幕や複数人の発言分析を重視するならOtter.aiのような従来型の方が向いている場面もある。

導入前に知っておきたい注意点

良い面ばかりではない。海外メディアでは、Granolaが「プライベートがデフォルト」とうたう一方で、リンクを知っている人なら誰でもノートを閲覧できる設定になっていたこと、AIモデルの学習へのデータ利用がデフォルトでオプトインになっていたことが報じられ、設定の分かりにくさが指摘された。企業利用を検討する場合は、共有範囲の設定と学習オプトアウトの扱いを必ず事前に確認したい。エンタープライズ向けにはSOC 2 Type IIレポートの提供や、組織単位での学習オプトアウトが用意されている。

まとめ:こんな人におすすめ

1on1や商談など外部との会議が多く、「ボットが入ること」自体に気を遣う人、あるいは対面の打ち合わせも含めてメモを一元管理したい人にはGranolaは試す価値がある。逆に、複数人の発言をリアルタイムで分析したい、無料で使える上限を増やしたいという場合はFathomなどの選択肢も比較してみるとよいだろう。導入の際はまず無料プランで自分のワークフローに合うかを確かめ、共有・学習設定を確認してから本格運用するのが安全だ。


主な情報源

各ツールは提供元の規約に従ってご利用ください。情報は各情報源の公開時点のものです。収集・要約はAI、公開判断は人。