2026年6月末から7月にかけて、Googleは立て続けに生成AI関連のアップデートを発表した。研究支援ツールNotebookLMは最新モデル「Gemini 3.5」と自律コーディング基盤「Antigravity」を取り込んで“読むだけのツール”から“動くエージェント”へと進化し、パーソナルAIエージェント「Gemini Spark」はmacOSアプリへ本格上陸。あわせて高速・低コストな画像生成モデル「Nano Banana 2 Lite」と、対話型の動画生成・編集モデル「Gemini Omni Flash」が開発者向けに公開された。ここでは、この3つのトピックを軸にGoogleの直近の動きを整理する。

NotebookLMが「読むだけ」から「動くエージェント」に進化
Googleは6月8日、NotebookLMの大型アップデートを発表した。既定モデルを最新のGemini 3.5に切り替え、エージェント型コーディング基盤「Antigravity」を組み込んだことで、各ノートブックに専用の「セキュアなクラウドコンピュータ」が付与され、100以上のビルトインスキルを使ってコードを書き実行できるようになった。
- チャットに空の状態から質問やアイデアを投げるだけで、Google検索を使って情報源の候補を提案し、ソースライブラリをゼロから構築できる。
- 出力形式はPDF・DOCX・PPTX・XLSX・CSV・SVG・PNGなど12種類以上に対応し、ダウンロードしてそのまま編集可能。
- 回答に至るまでの思考過程(ステップ)をチャット上に表示し、根拠を検証しやすくした。
現時点ではWeb版でGoogle AI Ultraおよび Workspace AI Ultra 利用者向けに先行展開されている。
出典: TechCrunch
Gemini SparkがmacOSアプリに正式搭載、常駐エージェントへ
6月30日には、パーソナルAIエージェント「Gemini Spark」の大型アップデートが公開された。目玉はGemini macOSアプリへの統合で、チャット画面の外に出て、デスクトップ上のファイル操作や定型作業を自動化できるようになった。例えば「ダウンロードフォルダ内のPDFを種類別に振り分けて」といった指示や、手元の請求書ファイルからGoogle Workspaceで予算表を作成し定期更新するといった作業も任せられる。アクセスできるのはユーザーが許可したファイルに限定される。
近日中には、外出先のスマートフォンからMac上のSparkに複数ステップのタスク(例: 特定の売上レポートを探し、合計金額を抽出してメール送信)を割り当てるリモート実行機能も追加される予定。macOS版は現在、米国の18歳以上のGoogle AI Ultra加入者向けにベータ公開中で、gemini.google/macから入手できる。
あわせて連携アプリも拡充された。
| 連携アプリ | できること |
|---|---|
| Google Tasks / Google Keep | Keepの雑多なメモをタスク化してTasksに登録 |
| Canva | チラシなどのデザイン作成を依頼 |
| Dropbox | ファイルへのアクセス・共有 |
| Instacart | 食材などの注文 |
| OpenTable | レストラン予約 |
| Zillow Rentals | 賃貸物件の内見予約 |
さらに独自のModel Context Protocol(MCP)サーバーを接続してSparkをカスタマイズする機能や、お気に入りのチームの試合結果や特定株価到達時のレポートなど、指定したトピックをリアルタイムで追跡し通知する機能も追加されている。

画像はNano Banana 2 Lite、動画はGemini Omni Flashで一貫生成
同じく6月30日、Googleは開発者向けに2つの生成メディアモデルを公開した。
Nano Banana 2 Lite(内部モデル名: gemini-3.1-flash-lite-image)は、Nano Bananaファミリー最速・最安の画像生成モデル。テキストから画像を約4秒で生成し、価格は1000枚あたり0.034ドルと、高速な試作やアイデア出しに向く。プロンプトへの追従性やキャラクターの一貫性、画像内テキストの可読性も維持している。旧モデル「Nano Banana」(gemini-2.5-flash-image)からの乗り換え先として推奨されている。
| モデル | 特徴 |
|---|---|
| Nano Banana 2 Lite | 最速・最安。リアルタイムに近い高頻度ワークフロー向け |
| Nano Banana 2 | 汎用型。品質とコストのバランス重視 |
| Nano Banana Pro | 高度な制御・推論が必要な専門用途向け |
| Nano Banana(旧世代) | レガシー。上位モデルへの移行が推奨される |
Gemini Omni Flash(gemini-omni-flash-preview)は、テキスト・画像・動画を組み合わせた入力から高品質な動画生成と対話型の編集ができるモデルで、価格は動画1秒あたり0.10ドル(Veo 3.1 Fastと同水準)。自然言語での動画編集や、複数の入力を参照しながら一貫性を保つマルチモーダル参照、歴史や生物学などGeminiの知識を反映した映像構成が特徴。現時点では10秒までの動画生成に対応し、音声参照のアップロードや3秒未満の動画参照には未対応など制約もある。
両モデルはGoogle AI Studio、Gemini API、Gemini Enterprise Agent Platformから利用可能で、Nano Banana 2 LiteはAIモードによる検索やGeminiアプリなどコンシューマー向け製品にも順次展開される。生成物にはいずれもSynthIDによる電子透かしが付与される。
主な情報源
- TechCrunch: NotebookLM’s new update will help you build source repository from chat
- Google Keyword Blog: Gemini Spark updates: macOS launch, connected apps and more
- Google Keyword Blog: Start building with Nano Banana 2 Lite and Gemini Omni Flash
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